
私達がいない間、勉強するはずもないことは判っているが、一応親としての理想だけは諸注意として言い渡してある。
友が、『九州百名山』に挑戦し始め、約4年を経て今日、西都市の『地蔵岳』で、その完結を迎えることになった。
そのお祝いが、これまた椎葉村に移り住み、訪問叶わずにいた友人宅である事を聞きつけての行動だ。
西都市からは、国道219号線を西米良村に向かう。
山間の川沿いの道は大好きだ。
夕暮れを感じながら、久しぶりの夫婦2人のドライブも、案外『甘い会話』ではなく、日頃の私の暴挙へ対する苦情中心の会話となるが、車窓を過ぎる風景だけは、いとをかし・・・である。
西米良村村所、村の中心を流れる一ツ瀬川・・・。
その一ツ瀬川が左に見える様に、橋手前の信号で右折する。
ますます麓の景観となる中を、ママの小言を聞きながらハンドルを切っていく。
椎葉村大河内、なんと携帯電話が楽々つながる山間。
電話をかけると迎えに来てくれた。
福岡からの仲間達も交え、百名山達成をお祝いし、再会を、初対面を喜ぶ。
古い農家を改築した家は、なんと深い落ち着きを与えてくれるのだろう・・・。
囲炉裏からつまむ食材の一つも、一升瓶からそのまま注がれる酒も、街場で暮らす者は一生懸命の感謝の念が必要だと思い口にする。
たくさんの笑顔があった。
ママは、酔った私を助手席に乗せ、暗い夜道を狸や鹿を避けながら自宅へ車を走らせた。