土曜は5時に退社する。
明るい内の帰宅は有難い。
子供が4年前に拾って花壇に埋めたクヌギの木が、3mほどになり新芽がかわいい。
同時に下には落ち葉がたくさんになった。
枝や落ち葉を拾っていると、三々五々と家人が集まる。
そのまま庭で夕食にしようと言う事になった。

15年使い込んでいる七輪に炭を起こし、焼酎とスルメをぶら下げて座り込んだ。
子供達もスルメを焙り始めた。
鶏肉をぶつ切りにして、塩とニンニク・・・、しょうゆ味・・・が七輪横に置かれた。
まずいイカも焼いた。
茶碗にご飯を盛り食べている。
次男4年が、まだ乗れない自転車の練習を始めた。
少し乗れるみたいで、時々声をかけられるが、振り返るたび足をついている。
七輪の料理も終ると、そのまま焚き火台になる。
枝や木切れを燃やすと長男が火をいじり始めた。
「キャンプに行きてぇなぁ・・・。焚き火の出来る所がいいなぁ・・・。」

ママは遥か昔、「バトン部」だったらしく、枝を振り回しながら自分で行進曲を歌う。
やはりおかしな事をさせると、我が家ではママに敵う者はいないと思う。
私とママがいる焚き火の側に長女がやってきた。
ぼそっと、「私、お父さんってそんなに嫌な人じゃないと思う・・・!」と言う。
そんなに好きか?と聞くが、そういうことではないそうだ。

気が付けば、子供達はリビングのテレビの前・・・。
焼酎がまわり、私もソファーで居眠りをしてしまった。
目を覚ますと、ママはアイロンがけをしていて、息子達は風呂から上がり体から湯気をたてていた。