今日は群馬県に重粒子線治療の現場を視察に行ってまいりました。
と言っても、何も思いついてというわけではなく、我が県ではがんにかかる患者の割合が人口比率で全国で最も高いと言われているため、がん治療・研究の拠点となるがんセンターをつくろうという気運があったのです。そこでそのがんセンターをつくるなら目玉となる施設を考えようじゃないかということで、県立医大の学長さんをはじめとするメンバーで、以前から視察に行く計画でありました。

がんの治療には薬物治療、外科治療などが有名ですが、放射線治療、とりわけこの重粒子線の治療方法は日本発の技術。がんの治療方法として実用化されているのは現在のところまだ3例ほどしかない、注目を集める最新の治療方法なのです。
そしてその中でもごく最近建設された群馬大学の医学部の重粒子線治療施設は、まさにこうした我々の期待に十分に応えうる施設をお持ちでした。

大きめの体育館ほどの敷地に、125億円ほどの費用をかけてつくった重粒子線放射施設は、半径20メートルほどの加速器を経て(ノーベル賞をとった小柴教授のカミオカンデの小型版を思い浮かべて)炭素原子から重い炭素イオンを作り上げるのですが、これをがんの患部に照射すると、がん細胞に至るまでの細胞を傷つけずに細胞自体を破壊することができるというスグレモノ。とは言ってもすべてのがんを治療できるわけではないのですが、前立腺がんや肝臓がんなどには強力な効果を発揮しているそうです。

問題は費用。初期投資が100億円以上というだけでなく、ランニングコストで数億円はかかり、メンテナンスを入れると10億円ぐらいは経費計上しておかないとなりません。
当然治療費は一人300万円以上と高額ですが、全国から引きも切らぬ人気だそうです。
和歌山県にがんセンター。夢ではありません。やろうじゃありませんか。