あなたに会えてよかった(一方的な意味で)。
えー、まあ、ついにこの日が来てしまった、としかもう言えないんですが。
先日、道重さゆみさんの、今秋ツアーでのモーニング娘。'14卒業発表があったことは、皆さんニュースなどでご存知かと思います。
ファンの方は皆さんそうだと思うのですが、いつかは来るものとわかっていたはずだったじゃないですか。
なのに…もう自分でも理解できないくらい画期的に動揺しました。
もちろん、僕だけでなくて、多くの人が同じように感情を揺さぶられたようで、やっぱり、今のアイドル界における彼女の存在の大きさを痛感しました。
しかし、なぜ「道重さゆみ」はこんなにも特別なんでしょう。
「モーニング娘。とは、道重さゆみのことだ」とまでいう人もいますが、僕も、ここ近年はそう言いきってしまって間違いないと思ってるんです。
2003年に6期メンバーとして加入した彼女は、歌もダンスも下手な冴えない後列メンバーでした。
しかしそもそもモーニング娘。に憧れて、モーニング娘。になりたくて芸能界に入った彼女は、モーニング娘。への愛情は常に誰よりも強かったわけです。
初代リーダーの中澤裕子さんの言葉ですが、
「今まで、「(娘。の)センターになりたい」という子はいたけれど、「リーダーになりたい」と言っていたのは道重しかいなかった」
って言うんですよ。
よく「道重はリーダーになって変わった」みたいに言われたり、「昔は自分がかわいければそれでいいと思ってた」とか本人も言ってますが、実際は「モーニング娘。のためになりたい」という気持ちを、彼女は初期から一貫して持っていたんじゃないかと僕は思っていて。
そして、モーニング娘。が、メディア的に消えた存在になっていた時代、彼女は、モーニング娘。のために自分ができることとして、ひとりバラエティ番組で奮闘したわけです。
バラエティに呼ばれ続けるために、常に爪痕を残さないといけないと考えた彼女は、毒舌ナルシストキャラでインパクトを残していった。
その代わり、毎年「嫌いな女性タレント」上位になって、バッシングされて。
でも、それは自分をきっかけにモーニング娘。のことを知ってもらいたいという願いからだった。
実際今も、モーニング娘。がテレビに出るとですね、まあ僕はそのたびにTwitterなんかでさりげなーく「道重」検索をするんですが、「今のモー娘。、道重しかわかんない」って人がいっぱいいるんですよ。
そりゃあ実際、そんなもんだろうと思うじゃないですか。
でも、さゆがインタビューなんかでよく語っているんですけど、自分がひとりでテレビに出だした頃って、周囲から「モーニング娘。ってまだやってたの?」って言われるような状況だったと。
で、僕は彼女が6期で加入した2003年とかは本当に娘。に夢中だった頃なんでよくわかるんですけど、全国民が知ってるモーニング娘。ってのは4期まで(ギリ5期)で、6期メンバー(道重、亀井絵里、田中れいな)っていうのも、世の中の人が「もう誰がいるのかわかんなくなってきたな~」って言い出した頃だったと記憶してまして。
つまり、今の世間一般の「道重は知ってる」及び「モーニング娘。の存在を知ってる」ってのは、本当に彼女の功績が大きいと思うんです。
モーニング娘。の歴史には、安倍、後藤、辻加護、藤本…など、語り継がれるレジェンド級がいたわけですが、彼女たちがいなくなった後、もちろん、当時の娘。のメンバーたちも相当頑張っていたでしょうけど、さゆがそうやってひとり世間と闘っていたことによって、モーニング娘。の物語は彼女に重なってきていたと思うんです。
そして2012年、その時の娘。は、さゆと田中れいなちゃん以外は全員9期、10期の若いメンバーだったわけですけど、ついに道重さゆみがリーダーとなる順番がやってきた。
この時、全盛期も低迷期も経験したさゆは自分がリーダーとなるにあたって、「トップアイドルだったかつてのモーニング娘。を超えたい」というはっきりした目標を持っていたのは周囲の人はみんな知っていたんでしょうねきっと。
これが勝負のタイミングだと感じたつんくさんや事務所のスタッフさんたちは、「モーニング娘。を生まれ変わらせる」勝負に出たと…もちろんこれは僕の憶測でしかないですが。
EDM、フォーメーションダンス…などという新しいキーワードとともに道重リーダー誕生に合わせてぶつけてきた勝負曲が『One・Two・Three』でした。
この曲は、当時娘。をこれっぽっちもチェックしていなかった僕ですら、ファミリーマートで聴いて「あれ?これ誰?」って驚いた記憶があります。
「ああ、懐かしいれいなの声がする。じゃあモーニングなんだ。この曲カッコいいな」って思ったこと、はっきり覚えてます。
さゆの声はエフェクトでさっぱりわかりませんでしたが。
ユースケさんとか犬山さんもこの曲でモーニング娘。にハマったと。
この曲でハロー!に帰ってきた人たちもたくさんいると。
大森靖子ちゃんが言ってたんですが、この時って、スタッフとメンバーとファンが、はじめてここだっ!てやるべきタイミングが一致したときじゃないかって。
さゆの物語に、関わる人たちみんなが賭けた瞬間だと思うんです。
この子ならやってくれる!って思わせる何かがあったんですよ。
そして、それにリーダーとなってからの彼女はしっかりと応えたわけじゃないですか。
「今のモーニング娘。を知ってもらいたい」という誰よりも強い信念で、年齢の離れた若いメンバーたちを引っ張って、メンバーだけでなくスタッフやファンからも人望を集めて、「娘。史上最高のリーダー」と言われて。
全盛期の娘。も達成できなかったオリコン週間シングルランキング5作連続1位も達成して、モーニング娘。完全復活の足がかりを作りあげた。
こんなわけで、近年のモーニング娘。の物語の中心は、道重さゆみの物語であったと僕は思うんです。
彼女がいなければ絶対出来なかったんですよ。
だから、「道重さゆみ」は特別なんです。
もうなんというか、見ていて人生賭けてる感じが全然違うんですよ。
さゆを見ていると僕はいつも、「お前はお前のやるべきことに命をかけているか」と問われている気持ちになる。
そして、さゆの言う「私はファンを絶対裏切りません」って言葉は、心から信じられたし、この人は僕たちにも新しい景色を見せてくれるって本気で思ったし。
先述の大森ちゃんがさゆのために作ったいう曲『ミッドナイト清純異性交遊』に、「春を殺して夢は輝いてる」っていう歌詞がありまして、僕はすごくこのフレーズが好きなんですけど、青春を全てモーニング娘。に注ぎ込んで来たことがウソじゃないからこそ、彼女の言葉や行動は激しく心揺さぶってくる。
それでまた、この秋で卒業っていうのもすごい判断だなって…それって、年末は迎えないってことじゃないですか。
あれだけ、今のメンバーで出るのが夢だって言っていた紅白に今年は出られるかもしれないのにですよ。
そんな大きな目標の舞台に自分がいたら、みんなが目立たなくなることをわかっているから、このタイミングで若いメンバーに譲るって、どれだけグッと来ることしてくれるんだよ!って。
もう、イチイチカッコいいんですよ。
でも、そうやって紅白のステージに残されたメンバーだけで立ったとしても、彼女が「もう大丈夫」と言ってるなら、モーニング娘。'14のその後は全然心配していないんです。
僕がこんなに動揺したのは…モーニング娘。を卒業後、彼女がどうするのかって、まだわからないことで。
なんならこのまま引退してしまうかもしれないじゃないですか。
もともとモーニング娘。になりたくて芸能界に入った人だから、これ以上の夢はないって言い出しかねない。
きれいに引退するのが彼女の美学なら、マジで震える程カッコいいですけど…
それで「道重さゆみ」は完璧な伝説になると思うんですけど。
でも、道重さんはネットパトローラーなんで、下手したらこのブログを読むかもしれないじゃないですか。
だから、僕の個人的な気持ちもちょっと書いておきたいと思います。
道重さん、僕は、伝説になることだけが正しいとは思わないですよ。
とにかく、卒業コンサートまで、さらに仕上げて来るであろうモーニング娘。'14を全力で応援したいと思っています。
↓ こちらは読むべきまとめ
【モーニング娘。'14】美人リーダー道重さゆみさんのインタビューが感動的とネットで話題