ちょっと前に免許合宿記を書いたばかりですが、今回も旅の記録です。

 

今回は金沢まで行きました。僕が4月から社会人で、妹たちも忙しくなるので、恐らく最後の家族旅行になるでしょう。

 

例によって本を持っていきました。前回に引き続きまだ読み終わってないファインマンのエッセイの上巻と、「プログラミングのための線形代数」といういかめしい本にしました。

後者は僕が通っていた学部では本当に半端なレベルでしか線形代数を学べないので、図書館の廃棄本処理でもらってきたものです。

計算方法にやたら拘るありがちな教科書と違い、線形空間の性質を重視してきちんと教え込もうという気概のある本です。その上でLU分解など、踏み込んだ話に入るわけです。

こんな良書が廃棄される辺りで嫌な気持ちになりますが、金欠学生としてはありがたい限りです。

線形代数の話題は魅力的なんですが、ここで語れる量じゃないので割愛します。

 

という訳で線形空間やコンピュータの行列計算アルゴリズムをさらいつつ、新幹線で向かいました。なんの新幹線か忘れました。700系だっけ?

新幹線内では妹たちが何やら不機嫌そうでした。まあ僕の妹たちが金沢の歴史だの観光だのに興味がある筈もありません。ワクワクしながらお出かけという訳にもいかないのでしょう。

僕も正直なところあまり興味はありませんでしたが、母がご機嫌なのでそれで良いことにしました。

 

ところで新幹線って普通、席を回転させて向かい合って座ることが出来るようになっていると思うのですが、今回は新型コロナの影響で席の回転が禁止されていました。

どこもかしこもコロナが顔を出します。流石にうんざりですね。

椅子を回転させるのは一緒に旅行している人間なんだから、そんなところ禁止して何か変わるとも思えませんが。

 

金沢に着くと早速食事をとることになりました。駅のすぐ近くの回転寿司が異常に高かった。

味は確かに良いんですが、完全に観光客向け価格でした。

味自体もこれなら東京の方がいい店を知っているかな、というぐらいだったので、ちょっと微妙な感じでした。

 

観光地だからか物価が全体的に高いんですよね。

まあわざわざ金沢まで旅行に行く層は比較的お金を持っているので、店もちょっと高い値を付けても売れるから全体的に物価が上がると。

しかし、まさか東京よりも物価が上がるとは思いませんでした。東京が他の都道府県と比べて物価や平均収入が高いという話は割と有名ですが、観光地に来るような人たちは平均して東京よりお金を持っていて、かつ物を買いたがる傾向にあるという訳です。経済学の勉強でなんかやった気がします。選好関係がどうたらありました。全部忘れた。

 

さて、食事も終わったところでホテルに荷物を置き、あちこち見て回りました。

見て回った場所の歴史とかは興味がわかなかったので覚えていませんが、そういうの関係なく面白い場所も結構ありました。

お気に入りは兼六園と忍者寺です。

 

兼六園は日本三名園に数えられる庭園の一つです。

説明できるほど知っているわけじゃないんでご存知ない方はwikipediaでも見てください。どうでもいいですが、今wikipedia見ようとしたらサーバーが落ちてるのか503吐いてました。

兼六園の近くにソフトクリーム屋があったので見てみると、金箔を貼ったソフトクリームが売っていました。なんという成金趣味。

母が真面目な顔で「食べ過ぎたら体に害あったりするのかな……」と呟いていたのが面白かったです。人体に含まれる消化液で金を反応させることは出来ないと説明するのに難儀しました。

庭園に入ると、やたら大きな松が池に枝を下ろしているのが目に着きました。東京では中々お目に掛けないので新鮮でした。

少し奥へ行くと、梅の花と思しき花が綺麗に咲いていました。

この日は近くの大学で卒業式だったらしく、着物のお姉さんたちが散見されました。

 

何故かやたらと写真撮影を頼まれたんですが、「よくこんな髪の長い不気味な男に頼むなあ」と思いながらも引き受けていました。

一度妹が頼まれていましたが、自分がやることになるとは思っていなかったのか、しばらくおろおろした後「お兄ちゃんやって~」と僕に投げてきました。

いくつになっても妹たちは可愛いものです。

その後適当に歩いたら流石に母も飽きたのか、次の予定地へ行きました。

 

兼六園の後はホテルに戻って休みました。

ホテルには温泉が朝食が付いていたりと、設備が非常に良かったです。

ところで、近年世間ではサウナに入って「整う」という状態に入る人たちがいるらしいですね。

サウナと水風呂の行き来を頻繁にやるのは普通に心臓に悪いだろうしやめた方がいいと思うんですが、ググるとセロトニンの分泌がどうたら書いてあって、やっぱりクスリをキめてるようにしか見えません。

ついでにこんなヘイトを見つけました。面白いので紹介しておきます。

 

 

 

さて、温泉で「整っ」た後は酒とアイスを食べてゆっくりしました。

母が酒を買ってきてくれたので飲んだんですが、母が酔ってさっさと寝てしまうのを見てちょっと複雑な気持ちでした。

受験に失敗しquod nonに入って以来身体的にも精神的にも荒れた生活を送ってきた僕は、他の人より酒で酔い辛くなっているのです。どうでもいいけどquod nonとQアノンって似てますね。

 

翌日は忍者寺という寺に行きました。

忍者寺と言っても忍者と関係があるわけではないそうです。忍者寺、正しくは妙立寺といいます。

加賀藩、つまり江戸時代の石川県は加賀百万石と呼ばれる程の藩で、これを治めるお殿様は徳川家から目を付けられていたようです。

実力行使に出られる危険性もあり、その為加賀藩主は外出の際は暗殺に怯えながら参勤交代をしなければならなかったと。

当時は仏教の力が強く、殿様のように偉い人たちもお寺に行って仏にお祈りをしていたそうですが、その際に敵が攻め入って来ても大丈夫な作りになっているのがこの忍者寺です。

 

歴史とか関係なく面白い作りでした。寺だというのに罠だらけです。

普段は床に埋まっている賽銭箱が落とし穴として使われていたとか、階段の裏が隙間になっていて、敵が昇ろうとしたら階段から槍を突き刺すだとか、よく考えたものです。

江戸時代は、城を除いて3階以上の建物を作ってはいけないという決まりがあったそうですが、この寺には隠し扉があって3階より上が存在します。各階の床が半階ずつずれていたりするので、仏像を置くため一階が広い寺であることも相まって、3階以上あることが外からは中々分からないようですね。

寺の全体の中心辺りには中庭のような狭い空間があり、井戸が掘ってありました。この中庭を見下ろす窓から水を直接汲めるという訳です。

この井戸は深く、横に金沢城まで続く抜け穴があると言われているそうです。こういう抜け穴とかロマンですね。

でも誰も立ち入って調べたことがないようです。ロボットとかで調査出来ないのかな。

 

印象に残った観光スポットの話はこのぐらいです。例によってやけに値段の高い土産物屋で彼女への土産を買い、金沢を後にしました。

旅行自体ほとんどしませんが、楽しい旅行だったと思います。

旅行記は以上です。おやすみなさい。