先週の木曜日は友人のお母さんの告別式に出席のため、

久し振りに休みを取った。

昨年、浅草巡礼に付き合ってくれた友人と2人で、石岡まで。

暫くぶりに会うのが、喪服というのは切ないなあ。

 

さて先日、五郎さんが出演された「うたコン」は、

1974年特集。

いわゆる「四畳半フォーク」が流行していた頃で、

歌謡曲もそんな感じの路線に押されていた感がある。

五郎さんはこの年からしばらく、

山上路夫先生の作詞で大人のせつない恋愛ソングを歌うようになった。

前年の「君が美しすぎて」の恋を怖がる内気な少年像から考えると、

「あなたと揃いのモーニングカップ」なんて、

もの凄い方針転換である。

同じレコード会社の先輩、沢田研二さんの歌う「追憶」も、

歌詞をよく見ると、この路線だもんなあ。

ただジュリーが歌うと、日本のボロいアパートじゃなくて、

パリの洒落たアパートがイメージされるから、不思議だけどねタラー

 

当時の世相はというと、

オイルショックの翌年ということもあってか、

あまり明るい話題がない。

今太閤と呼ばれた、田中角栄さんが金脈政治問題で退陣し、

スポーツ界では長島茂雄さんが引退。

ひとつの時代の転換点であったっことは確かなのかも。

 

この年のヒット曲はというと、

先日のうたコンでも歌われた、

かぐや姫の「赤ちょうちん」、「妹よ」

布施明さんの「積み木の部屋」

森進一さんの「襟裳岬」…作曲は拓郎さんだな。

五郎さんの「甘い生活」

ひろみさんの「よろしく哀愁」

…ひろみさんのはまだアイドル路線の匂いがするけど、

傾向としては「四畳半フォーク」に近い。

毛色の変わったところだと、

海援隊の「母に捧げるバラード」だけど、

これも根底には「四畳半フォーク」があると思う。

 

五郎さんの親友、秀樹さんは名曲「傷だらけのローラ」

広い意味で言うなら、この楽曲はどちらかというとバラードなのだが、

秀樹さんの歌い方とあの見事なアレンジで、

私の中では完全にロックに分類されるからなあ。

秀樹さんのこの年の発表楽曲を見ると、

ロック街道を真っ直ぐ走っている感じがする。

これも戦略かなあ。二年連続の歌唱賞はそれもあるんだろうな。

 

洋楽部門は、バーブラ・ストライザンドの「追憶」が

ビルボードの年間トップ5に入り、

日本ではカーペンターズの「イエスタデイ・ワンスモア」

グラチェラ・スサーナさんの「アドロ/サバの女王」もこの年のヒット曲。

五郎さんが今でもコンサートで歌うカバー曲が、

この年のヒット曲であるというのも感慨深いなあ。

 

アルバム部門はというと井上陽水さんのひとり勝ち。

年間ベスト10位以内に4枚というのが凄まじい。

陽水さんもボリドールなんだよねタラー

1位に輝いた「氷の世界」には名曲「心もよう」が収録されている。

このアルバムはこの年のレコード大賞で企画賞を受賞した。

またカーペンターズのアルバムが年間ベスト10に、

2枚も入っているのが興味深い。

この年の5月末から6月初旬に来日し、

日本武道館などでコンサートをしているから、

その影響も大きいんだろう。

 

では四畳半フォークが大流行だった、

1974年のシングル年間売上げの1位はというと、

殿さまキングスの「なみだの操」

レコード大賞を獲った「襟裳岬」が31位ということを考えると、

大賞は売上げ枚数だけで決まるわけではないことがわかるなあ。

当時は「大衆賞」があったから、そこと棲み分けていたんだな。

 

ヒットチャートを見ていると、

今では別の分類にされている楽曲が、

ごちゃ混ぜに並んでいるのがよくわかる。

当時、幼稚園児の私でも、聞き覚えがある曲もたくさんで、

わざわざ聴こうと思わずとも、自然と身近にあったことがよくわかる。

いい時代だったなとあらためて思う。