度重なる降霜で花が危機的ダメージを受けた昨春から一転、今春は穏やかな陽気のもと、りんごの花は咲き誇っています。

画像は5月1日のもの。

開花期間中の雨もなく、受粉環境も良好と思われます。

知人曰く「こんな年は珍しい。後が怖い」

同感です。

 

 

桃の授粉に赴きましたが、予想より咲いていない。

早い花と遅い花の差が大きいようです。

そんなに低い気温で推移しているわけではないのですが、咲きそろわなくて人工授粉はやりづらいです。

 

今季改植する畑です。

伐採跡。これから抜根作業です。

 

抜根した切株を燃やすために穴を掘ったら翌日。こんなに水が溜まってしまいました!

雨が降ったわけではありません。

もともと地下水位が高いのか。雪解けの直後で地中に水が多いのか。定かではありませんが、別の畑で抜根した後ではこんな沼みたいにはなりませんでした。

これでは燃やすことなどできないので、埋め戻しましたが、それでも土はネチャネチャでうかつに踏み込むと沈み込んでしまう状態。作業がしづらいです。

 

 

 

多かったのが鳥。誰だろうと思ったら、リンゴの樹上にキレンジャク(ヒレンジャクかな?)が数羽。

春以降はあまり見ない鳥です。かわいいです。

 

これは?

うっすらついた足跡。猫っぽいですが、早朝の雪が硬いときに歩いたのでしょうか。

またしてもバッテリー式農機具をゲットしました!

もちろんチェーンソーは持っていますが、そんなに太くない枝をちょっと切りたいなというときに役立つと信じて購入しました。

剪定作業の高速化促進中です。

Kebtekという会社のチェーンソー。

中国の会社ですが、Amazonに出品している他の有象無象の中国系ショップと違って、ちゃんとした事業活動を行っていそうです。

商品説明動画が豊富にあって、「一生懸命やってるなー」という印象を持ちました。メールでの問い合わせにもすぐに返事をくれました。

商品はというとまだ使い始めたばかりで切れ味の評価はできませんが、まずソーチェンオイルが出てこない・・・

ちゃんとマニュアル通りに給油したのですけど。どうやら寒くて、オイルが硬くなりスムーズに出てこないようです。

より粘土の低い10Wのエンジンオイルを代わりに入れてみたところ、少し出てきましたが、それでも十分ではない。

もっとゆるいオイルを購入する手もありますが、とりあえずKURE556とかで直接注油しながら使おうかな。

 

 

みなさんは、「日本の農薬の使用量は世界一」と聞いてどう思いますか?

そして、「その量はヨーロッパ全土の使用量の5倍にも達している」と言われたら?

 

まともな感覚を持った人なら、「それはさすがにないでしょ」と即座に突っ込みを入れられるでしょう。しかし、善良な人々の中にはそのまま信じてしまう人もいます。それが大学の特任教授の肩書を持った人が言っていることならなおさらです。

 

冒頭の記述の出典は「長野県飯綱町」の「ゼロから始める野菜塾通信Vol.4」。

この冊子は、飯綱町が2021年度に行った「ゼロから始める野菜塾」という農業塾の講義内容や実践圃場での様子をまとめたものです。

講師は信州大学工学部特任教授の大井美知男氏。この冊子の文責も大井氏です。

 

はっきり言いますが、これは大ウソです。

 

町の公金が投じられた事業で、このような誤情報を発信し、受講者や読者に誤解を与え、農業生産者の尊厳と名誉を傷つけることは許されないと筆者は考えます。町を通じて大井氏に抗議した結果、返事をもらうことができました。しかしその内容が到底納得できるものではなかったので、再度説明を求めたところ、町の複数回に及ぶ催促にもかかわらず半年以上経っても回答はありません。

 

町として損害賠償を求めてもよいくらいの事案と考えますが、担当部署である産業観光課は積極的に動く気配はありません。直接大井教授に抗議する手段もなく、不本意ではありますが、ついにひ弱な小市民の強い味方であるインターネットを通じて実名を載せて公開することにしました。

 

 

さて、この冊子の内容のどこが間違っているのか説明します。

①「日本の農薬の使用量は世界一」という記述について

 

そういうデータはありません。FAO(国連食糧農業機関)によれば日本の農薬の使用量は世界トップテンに入っていません。日本の「単位面積当たり」の農薬使用量が多いことはよく知られていますが、「単位面積当たり使用量」と「総使用量」は似て全く非なるものです。日本の面積当たり使用量が多い理由は、高温多湿の気象条件とか、穀物に比べて農薬の必要量が多い野菜や果樹の面積の比率が高いことなどですが、これについてはここでは語りません。

なお、2020年のFAOのデータでは、日本の単位面積当たり農薬使用量ランキングは7位。農薬に批判的な人たちが喜々として引用するこの単位面積当たり使用量でも、日本は残念ながら(?)順位を落としています。

 

面積当たり農薬使用量ランキング

 

 

②「その量はヨーロッパ全土の使用量の5倍にも達しています。」

 

これに関してはもはや笑うしかないというか、そんなデータはどこを探しても出てきません。ヨーロッパ全土どころか、FAO2020年のデータではフランス1国よりも使用量は少ない。食料自給率が100%を優に超える農業大国フランスと、人口が多いとはいえ、自給率が40%に満たない日本の比較では当然の結果とも言えます。

冊子には、「こんな重要なことを誰も教えてはくれません」とありますが、それはそうです。そんな事実はないのだから。

 

農薬使用量ランキング

 

この2点について抗議しました。その回答が以下。

 

「この勉強会資料は、過去に大学の授業で使用した内容をそのまま転付したため、古い情報となっていました云々・・」とありますが、前述したように、過去のどの時点まで遡っても、日本の農薬使用量(面積当たりではない)が世界一であったことなどありません。

また「ヨーロッパ全土の使用量の5倍」という点については回答はありませんでした。

 

 

他にもつっこみどころはあるのですが、これ以外は一応説明と謝罪を受けているのでここでは言及しません。

 

長野県果樹研究会という組織の剪定講習会に行きました。

飯綱の畑は現在20cmほどの積雪がありますが、長野市南部のこのあたりは人が少し歩けば地面が見えるくらいです。

 

桃の「大藤流」の樹です。疎植低樹高、つまり木と木の間隔を広くとって、低い木を育てるということです。

40分も車を走らせて行きましたが、講習はつまらなかった。土壌や気象条件が飯綱とだいぶ違うので、参考にしづらいことはわかっていました。それでもなにかヒントになることがあればと期待しましたが、そんな気配もないので15分くらいで立ち去りました。参加人数が少なければ質問をして疑問に答えてもらうこともできたのですが、ご覧の盛況ではそれも望めず。

これも秋恒例のもみ殻燻炭づくり。

最近、「土中環境」で著名な高田宏臣さんの本を読みました。

氏の代名詞とも言える「グリグリ」を実践すべく、いつもより気合を入れてもみを焼きます!

 

 

 

 

ようやくりんごの収穫が終了。

周囲のりんご専業農家に比べると収量はだいぶ少ないにも関わらず、採り終わるのはいつもビリの方なのはどうしてでしょうか?

 

さて、冬に向けてのルーティン、桃のわらまきを行いました。今季は確保できたわらが平年より少なかったので、節約しながら巻きました。

 

2日前に名月とふじを初収穫。発送を開始しています。

順次発送していきますので、気長にお待ちください。

 

早採りは慎みつつも、どんどん採っていかないと、雪が積もる前に終わりません!

蜜入りは少なめですが、味は平年以上によいと思います。