広島 4 | 森田釣竿オフィシャルブログ「漁港 森田釣竿の航海日誌2」Powered by アメブロ

広島 4


「漁港の名前を背負うならば、いつか必ずご挨拶にお伺いしなければ!」
念願の!念願の!鞆の港に入港!興味がない人にすれば普通の港にしか
見えないかもしれない。でもな、それが「とんでもない港」だって思う
よう説明していくから聞いてくれ。

まず、「港の五点セット」というのがある。一つめは「常夜燈」


今で言う灯台だな。海の安全、海に生きる人の命を守
る為に必要不可欠なもの。鞆港の常夜燈は約10mの高
さで、安政六年:1856年に建造されたそうだ。常夜燈
は他の港でも残ってはいるが、埋め立てで海岸線から
離れちゃったもの、神社に移動してしまったものが多
みたいで、常夜燈本来の姿じゃないんだな。凄いで
しょ!ここの常夜燈はまだ生きてるんだよ!(涙目)。

二つめは「雁木」


常夜燈の下にのコの字に広がる石段=雁木!


潮の干満に合わせて荷物の積み下ろし作業ができる階段護岸!


ここは港の北側に広がる北雁木。雁木も他の港でも見ることは
できるが、約150mの雁木が現存するのはココだけじゃ!(涙)


三つ目は「船番所」!江戸時代の鞆港に出入りする船の監視&安全の為
に建てられたそうだが、今は普通に人が住んでた(笑)。この民家の
土台が船番所の土台だったんだってな。ここがなかなか見つからなく
てさ。まさか民家の土台が当時の船番所跡なんて思わないもんなぁ。
近くにいても、見つけるっていうか、気が付くのに時間がメチャクチ
ャかかった(涙)。

で、ここまで書いておいて、四つ目の「波止」、五つ目の「焚場」が、
見つかりませんでした!なんて書くと、皆 怒るだろうけど、福山商工
会議所が発行しているガイドブックに、大切な残り2つが掲載されて
いなかったのだよ!これは大きな誤算だった。下準備をしなかった
自分が悪いことは承知している。でも、市場が終わって急に「行く!」
と決めたことだったし(言い訳だ!)、そんな観光客が見たかった大
切な歴史がガイドに掲載されていないというのは烏賊がなものか(大泣)。

で、これを見てほしい。


常夜燈から波止も見えて島も見える!が、


こうなったら絶対おかしいだろう!車と道路はココには似合わん。

今、鞆の浦は「埋め立て・架橋案」で揺れ動いている。

北前船の寄港地で「港の五点セット」が残っているのは鞆の浦だけ!
日本の歴史的港湾遺構の中でも唯一「完全性」をもっている!
これは日本のみならず「世界的にも価値が高く」!
世界文化遺産財団に「2回も選定」され!
World Monument Fundの「助成」も受けつつ!
ユネスコの世界遺産の諮問機関で世界遺産選定に大きな力
を持っている「イコモスが人類共通の遺産として評価」を
しているというのに!
なぜ!?D-BEATでWHY×5!?

漁業権を放棄した当時の浦安と同じで、きっと賛成と反対
でギクシャクしているのだろうけど、俺は反鯛


埋め立てを実行してしまえば、焚場は永久に見ることができなくなる
みたいだし、たとえ他の港4セットが一つ一つ残ったとしても、あの
力強い「一体感」が、埋立や架橋で分断されるなんて...よそ者の俺に
全く想像がつかない。人同士の一体感さえ失われつつある社会で、
もしココまでやってしまったら、なおさら「人間というシステム」の
説明に、未来が苦しんでしまう
気がする。


鞆の浦でこういった問題があることは以前から知っていた。実際に現
場を見てしまうと本当に寂しい気持ちになってしまう。鞆の浦を良く
したいという気持ちは町の人 全員が思う気持ちだろう。でもさぁ...。

なんて、考えながら漁船が繋がれているロープを一本、目で辿ってい
くと、これまた古い船止めに落ち着いた。なんか、気になる。
よく見ると字が書いてあるので、近くに寄ってみると...



森田だって。不思議な気持ちでさすがに胸がつまった。

<告知>
明日、浦安魚市場&青山 月見ル君想フ港で待ってるジェッ☆