これは、疑い深い僕でも、凄く巧妙に違和感なくネットワークビジネスに引き込まれかけた話ですので、備忘録と誰かの参考になればと思い書いてます。

 

わかりやすくステップごとと、違和感がある部分を赤字で書いてますので、複数当てはまる方は要注意

 

①久しぶりに友人から連絡をもらう

まず最初は久しぶりに友人から連絡がきたことでした。

ただ私の場合はたまたま山手線でその友人と4年ぶりくらいに会ったので、連絡をくれたことにあまり違和感はなかったです。

*最初に言っておきたいのが、この方もセミナービジネスに引っかかりかけた被害者です。凄く良いやつで、だからこそ疑うことなく信じていましたが、私が違和感を持ち話すと同じことを思っていたようです。なので二人で気づいて一緒にそのネットワークビジネスから離れた友人でもあります。

 

②師匠(以下Qさん)に会う

連絡をもらい会った日に、私が起業を目指していることを伝えると。その友人も同じ起業を目指しており、今はQさんに弟子入りをしているとのことです。

その師匠は小売店をいくつも経営しており、年収3,000万、品川区のタワマンに住んでいる男の憧れの塊のような方でした。小売店は店舗経営において再現性が高く成功しやすいようで、そのノウハウを教えてもらうために弟子入りしたとのことです。

興味を持つと、その日の夜に時間を貰えることになり、その人が住むタワマンで集合しました。忙しいはずの経営者に速攻であえることに少し違和感を感じました。

 

③「人が大事」と説かれる

初めてQさんに会った時、なんというか悪い感じは一切なく、私の話も聞き、笑ってくれて、凄くいい人でした。ちょうど私が起業するか転職するかで迷っていると、その方から「5年後にどういう姿になってたい?」と言われ、迷わず起業している自分と答えました。

起業するにしても、一番は人が大事で、「小売店も結局取引先が決まれば経営が回っていく。

だからこそ人脈が重要」ということを説かれ、非常に納得しました。

「成功のためには人脈が重要」 ここから軽い洗脳が始まっていたのです。

 

④Qさん主催のパーティーに呼ばれるまずQさんの家にいくと、東京タワーとスカイツリーが見れる高層マンションで、家の中にはマウンテンバイクや高価そうな家具などお金持ちの象徴のような家で、興奮したのを覚えてます。話す人話す人がみんな純粋でいい人ばかりで、ひねくれ者は全くおりませんでした。なので話しだすと非常に楽しくコミュニティに引き込まれていきました。

ただ、ホームパーティーで缶ビールとQさんの手作りご飯で参加費が4,000円となかなかの高さでした。


⑤二回目のパーティー

ここで周りの人が徐々に明確に見えてきました。このコミュニティには、Ⅰ起業して成功している人とⅡその弟子である起業間近の人が1割程、Ⅲ起業を考え始めた人・弟子たちが9割程と大きく3つの属性に分かれた人がいました。後々気づきましたが、このⅠ起業して成功している人、Ⅱその弟子である起業間近の人が近くにいることで、起業を考え始めた人・弟子たちとって、憧れとコミットしていきたい思いを強くさせる巧妙な手口でした。

その後も、パーティーのスケジュールを送られてきましたが、毎週土日に同じホームパーティーが企画されており、4,000円という割高料金を徴収することで収益をあげているのだと思います。

 

⑥Qさんからの宿題

そのパーティーの後、Qさんに弟子入りしたい旨を伝えると、宿題として課題図書を言い渡されました。まずは「働き方の損益分岐点」「トップ1%だけが知っている」で、内容は雇われ仕事がいかに搾取されていて、起業したい気持ちを増幅させるものでした。

それを読み終えると、次は鈴木敏夫の「自分を捨てる仕事術」などで、まずは自分の意見を捨てて師匠の言うことを聞け!という内容でした。

これも今考えると、読書を通してネットワークビジネスへ誘引するマインドコントロールを意図しているものです。

 

⑦初めてのセミナー

ここで違和感が大きくなります。

セミナーでは、開始前に多くの人が並んでいました。参加費は1,000円程と少額でした。

セミナーが始まると、普通のことを言っても、周りのリアクションの大きさがすごいのです。笑

200人くらいいましたが、全員が爆笑、ツッコミ、納得「確かに!おおおおおお」というリアクション。ネットワークビジネスは、ここが共通しているみたいですね。

そのセミナーの中では、チームビルディングと称してこのコミュニティに色んな人を誘うことがミッションとして伝えられました。誘うために、まず会った相手にアイスブレイクを行い、将来何になりたいかを聞き、マイストーリーを話してこのコミュニティに参加してもらい弟子入りさせるという内容です。

ただ私全く納得できませんでした。

再現性の高い店舗経営についてのセミナーだと、どうやって店舗の収支をプラスにするか、店舗のテーマは何か、他店との差別化戦略など聞けると思ったのですが、なぜか「人を誘う」ことがミッションになっており、ここでセミナービジネスだと確信しました。

 

⑧セミナーに誘うための巧妙な口実・トークの流れ

セミナーの後、違和感を持ちながらQさんに会って改めて今後の流れの説明を受けました。

巧みだな~と思ったトークを羅列します。

 

・まず経営者になるのは利き手を変えるようなもの。すぐには変わらないので「起業準備は3~5年かかる」→おそらく3~5年で毎週のイベントや飲み会に誘い、少しずつ利益を出しています。

・成功するためには人脈が重要。ここで「仕組みと人」の話をされます。例えば錦織圭がテニスでうまくなったのは、ラケットやシューズがあったからでなく、ライバルやコーチがいたから。何をやるか、ではなく誰とやるか、誰から学ぶかが重要。→人脈の重要性を説きます

・成果の前に成長の数。成長にみあう人間力をつける必要がある。その人間力とはチームビルディングと自己研鑽だ!→チームビルディングの重要性を説きます

・人間力とチームビルディングを向上させるためには、まず集客イベントや飲み会を企画すること。人は人で磨かれる。この実行力が重要。そこで交友関係を増やしファン・仲間・同志づくりを行う。→チームビルディングから、ファン化する流れへ持っていき、人を誘うことに対する抵抗や違和感を払拭します

・経営者になりたければ、経営者の近くにいたほうがよい。親や同僚は反対する、なぜなら経営者自身ではないから。なので僕らの近くにいたほうが成功確率は上がる→このコミュニティへの依存を求めます

 

成功のためには人間力を上げる必要ががある→そのためにはチームビルディングを行いなさい→自分のチームを作るためにセミナー(ネットワークビジネス)に人を誘いなさい

という真実と嘘を巧妙に混ぜ込んだトークテクニックです。

 

その後、その友人に辞める旨を伝え、そこでその友人もその事実に気づいて一緒に離れることにしました。

 

長文になりましたが、上記の中で当てはまるものがあれば気をつけてください。