1stシングル『御伽草子「憶」』楽曲解説 | 花楽里楽団 『八雲の徒然草子』

花楽里楽団 『八雲の徒然草子』

和を基調とするバンド「花楽里楽団(からくりがくだん)」で作詞作曲唄っている八雲です。
よろしくお願いします。

いつもの如く、
1stシングル『御伽草子「憶」』の楽曲解説になります!

 

何故、更新が発売から一ヶ月ほどかかったのかと言いますと、

夢の中では既にブログを更新していまして…

その夢が現実だと今朝方まで勘違いしておりました(真顔)

 

最近、夢と現実の区別がつかないことが増えてきました…

歳か…歳なのか…歳のせいなのか…(若造が何ぬかしてるんだ)

 

(おとぎぞうし「おもう」)

【御伽草子「憶」】

満を持して音源化された御伽草子シリーズ第二弾となるこの楽曲。
一聴すると、とてもキャッチーでドライブ感のある曲という印象が強く残ると思います。
しかしその内容は、切ない女性の恋物語が描かれています。
 
伴侶をなくした妻が最初は哀しみに暮れるだけで前に進むことが出来ずにいました。
けれど幾重もの四季を越え、男との思い出の地を巡る中で来世で再び相見えたいと祈れるようになりました。
 
過去に囚われた女性が、未来に希望を抱けるようになるまでの心の移り変わりを起から結まで描いています。
 
作曲の観点から述べるとするならば、ギターバッキングを璃緒さんから頂いたのが始まりでした。
そこからメロディを付けアレンジを進めていく、今までにない手法で作り上げた背景があります。



(ざんかんばやし)
【斬奸囃子】
“斬奸”とは、悪者を斬り伏せることを意味します。

お囃子の太鼓と摺鉦の音に合わせ、あの世とこの世の狭間から魑魅魍魎が姿を顕し、悪い魂を喰らいに来るというお話です。

 

このお話に出てくる魑魅魍魎にとって人間の魂を喰らうことは本能に基づく行為です。

そこに嗜好として“悪”が最高のスパイスとなります。

それは人間が食を楽しむ様となんら変わりはありません。

 

このテーマを根底に書き上げたからか、終始妖しい雰囲気を醸し出しつつも、どこかコミカルな印象を受け取れる楽曲に仕上がったと思います。

 

(おもう)
【憶】

表題曲の『御伽草子「憶」』に登場する女性の心理をある時期に限定し掘り下げた楽曲になります。
『御伽草子「憶」』がアニメの主題歌だとしたら、『憶』はキャラソンといった位置づけでしょうか。
 
表題曲では最終的に希望を見出すことが出来ましたが、憶ではまだ至ることが出来ていません。
ポイントとしては月の在り方です。
月が未来への導となった表題曲とは違い、憶では過去に縛られる象徴となっています。
 
因みに、この曲には璃緒さんの長尺情緒的スーパーギターソロが顕現しています。
主人公の心情をありありと映し出した素晴らしい仕上がりに、僕自身、聞くたびに惚れ惚れしてしまっております。
 
 
以上で簡単ではありますが解説を終わりにします。
歌詞には、ここに細かく書いていない様々な物語がそこかしこに散りばめられています。
是非、音楽を楽しんで頂いた後は歌詞カードを片手に曲の世界に浸かってみてください。