20年ほど音信不通だった友達がいる。

音信不通になった理由はかなり複雑で、全てを話した人は1人もいない。

私の人間不信(心を開いてるように見せかけて全く人を信用してないところ)に原因があるとすれば、多分その出来事だと思う。


詳しいことは書けないけど、この20年間ずっと頭の片隅にこの出来事がこびりついて、考えるだけで胸が苦しくなっていた。



それが数年前、彼女が私のことをSNSで発見してくれて、連絡を取るようになった。

もういい歳の大人なので最初は緊張してお互いの腹の中を探り合いながらも、くだらない話や日常の出来事なんかを話せるようになっていた。

でもまだ会うのは怖かった。コロナを言い訳に、お互い会うのを渋った。



それから4年経ち、偶然その子が住むエリアを訪れる機会ができた。

時間もあるし、声をかけてみようかなと初めて思えた。


急な誘いにもかかわらず、とんとん拍子に話が進み、ついに彼女に会えることになった。

嬉しかったけど、どんな顔をして会えばいいのか分からない。

私は彼女に傷つけられたけど、私だって相当ひどいことを言った。

待ち合わせ場所に来なかったらどうしよう、今の私の姿に絶望されたらどうしよう、せっかく繋がった縁が切れたらどうしよう。


頭の中を不安が駆け巡る中、会えなかったら会えなかったでいいやと思い直し、約束の場所へ行った。


とはいえ20年も顔を見てない。

待ち合わせ場所で気づけるか不安だったけど、

会った瞬間、すぐにその子だと分かった。


長年会ってなかったのに、まるで昨日も会ってたみたいに話ができた。最初はお互い緊張してたけど、会わなかった時間を埋めようと2人とも必死で話した。話も尽きなかった。

帰り際、もうすぐ彼女の誕生日なので負担にならないようなプレゼントを送り、手紙と一緒に渡した。


バス停まで見送ったら、20年間の後悔と安堵と喜びで胸がいっぱいになり、涙がポロポロこぼれ、人目を気にせずわんわん泣いた。


もっと早く関係を修復できてたら違う未来が待ってたのかも?と、どうしても思ってしまう。

でも人には縁があり、ふさわしいタイミングで出会うものだということも分かってる。これは若いときには分からなかったことだ。


きっと今日がベストタイミングだった。


そう言い聞かせて、

今日のことは一生忘れないでおこうと誓った。