- ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様〈2〉 (メディアワークス文庫)/柏葉 空十郎
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夏休みは、アルバイトと練習の日々に明け暮れていた。
日を追うにつれ、次第に蘭は巧也に惹かれていく。
綾音の気持ちを思い揺れる蘭。
そして秋季大会。
雪辱を期す巧也たちと同じくこの大会に懸ける学校があった。
蘭の兄、球士ら立秋館高校である。
準々決勝に駒を進めた巧也たち。
その対戦相手は―運命の悪戯か立秋館だった。
兄の執念を知る蘭は悩む。
様々な想いを胸に秘め、蘭は試合に臨むのだが―。
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以前ここでも感想を書いたシリーズの第2巻。
前作の感想は↓
http://ameblo.jp/tsuredure-weblog/entry-10530644
前作では良い設定があるにも関わらず、ボリューム的な問題で
勿体ないなと思っていたらこの続編が。
本作では秋の大会までなので、更に続編が出るんだろうなぁ。
続きが楽しみ。
あらすじにあるように、蘭にスポットライトの当たった本作。
でも蘭と巧也、綾音の三角関係的な展開はちょっと…。
高校生の恋愛なだけにドロドロしてないし、蘭の性格のおかげで意外に
さっぱりしていて、想像していたより悪くはなかったけど。
お約束的展開ではあるけど、次巻以降は控えめにしてほしいな。
青春物だけに、多少のゴタゴタは必要だろうけど。
巧也が考えるように、綾音の駆け引き的な行動は正直面倒だと思う。
女の子らしいといえばそうなんだけど、そういう行動って相手に
よっては面倒に感じるだけだから難しい。
それを上手くさばけるのが、恋愛センスがある人らしい。
実際にそういう側面あるんだろうけど、駆け引きってあまり好きじゃない。
そういう男性、少なくないと思う。
言ってみれば、「思いやり」なんだろうけど。
相手を思いやるのは言うまでもなく大事な事。
でも相手に対して、自分を思いやる事を当たり前と考える事は、
ちょっとしたエゴではないかな。
エゴだから悪いって訳でも無いし(恋愛だし)、単なる好き嫌いの
問題にすぎないけど。
試合のシーンの描写は前作同様、丁寧で好きだ。
試合の中では蘭や日野(ピノ?)や松田など、前作で活躍しきれなかった
メンバーも十分活躍していて良い。
進学校が野球の強豪校に挑むため、テーマを決めて練習するのも
説得力がある。
それも王道的。
全てにおいて規格外の男、山葉の活躍は相変わらず楽し過ぎる。
今作ではファントムなる魔球(単なるフォーシームなんだけど…)を
身に着け、三振の山を築く。
今後の成長が楽しみな男だ。
立秋館との試合の幕切れはあっけない物だった。
伏線は十分にあったけど、なんて残酷な展開…。
このことが次巻以降で尾を引かないといいんだけど。
イップスとかチームの不和とか…。
チームカラー的には大丈夫だと思うけど。
思惑通り21世紀枠で甲子園出場!→綾との約束を叶えるっていう
展開も、ちょっと物足りないものあるし、チームが十分に成長した
2年後の夏の大会が大本命かな。
それまでの展開が非常に楽しみなシリーズ。