やってられない月曜日 | つれづれログ

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やってられない月曜日 (新潮文庫)/柴田 よしき
¥500
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高遠寧々、二十八歳、経理部勤務、就職氷河期の
コネ入社が引け目―。
勤め先は一応大手の出版社、彼氏はいなくても、
気の合う仲間もいるし、趣味もあるし、一人暮らしも満喫中。
だから辞める気なんか少しもない。
けど、職場にあるのは伝票の山と経費のゴマカシとパワハラと不倫…、
はっきり言って、不満だらけです!
働く女性のリアルな日常と本音を描いたワーキングガール・ストーリー。

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ドラマなんかに出てくる華やかなOLとはひと味違い、地味だけど
真面目に働く、ちょっとオタクな趣味を持った女性の日常を描いた作品。

主人公が地味でオタクな所が良い!
趣味が模型って所に(何故か)好感!
恋愛とか結婚ばかりが頭にあるようなOLでないのがなんとなく新鮮。
そして28歳、歳も近い!

女性には男性とは違って出産という大仕事があるから、いわゆる
腰かけの就職とかあるのは分かるし、専業主婦だって家事や
子育てという大切な仕事を頑張ってるのは承知。

でも、社会の中で、自分の仕事を持っている女性って特有の魅力が
あるんだよなぁ。
個人的趣向に過ぎないけど、賛同してくれる人は少なくないはず。

一日の大半を時間を過ごす仕事、会社だからこそ、それを楽しめる人、
頑張れている人が輝いて見えるのは、考えてみれば当然だと思う。


以下は物語中の気に入ったセリフ(の要約)。

同じ会社、同じ電車、同じ町。
そこに共存する事になったのは全てただの偶然。
その偶然が重なることで、色々な人間関係が生まれる。
些細な違いがあっただけで、決して出逢う事の無かったかもしれない
者同士が互いの人生を変えあっていく。
そう考えると縁とは神秘的なものだ。

う~ん、まさにその通りだなと。
日常生活の中では人間関係が煩わしいと思う事が多々あるけれども、
こう考えてみる事で、少しだけ人にやさしくなれる気がするし、
積極的に他人に関わってみようとも思える。

その前に、ここに自分が存在している事自体が、過去から延々と
続いている偶然みたいなものだから、本当に物凄い事だと思う。


主人公がやってる経理という仕事について。
事務とか経理とか聞くと、なんとなく退屈な仕事だというイメージを
持ってしまっている。
しかし、主人公は経理について数字を見つめていると、
社内のありとあらゆる動きがわかってきて楽しいと言う。

ここでいう数字とは給与明細であったり、接待費や出張費の
請求書だったりするんだけど、なるほどね~。
そんな魅力があったんだなぁ。

漠然とした職業のイメージだけでは掴めないような、その仕事特有の
魅力が存在しているって事だ。
だから働く事は世の中で言われている程、苦しい事ばかりではなく、
働く喜びという物も結構あるのだ。

遊んで暮らしたいって言う人も、仕事の事聞かれると生き生きと
語ったりするもんだしなぁ(笑)。

就職を控えた学生さんには、是非働く事のポジティブな面をたくさん
知って欲しいと思う。
働く事は、決して苦痛な事ばかりで無い事を。
世の中、ネガティブな情報が溢れてるからなぁ…。


さて、明日からの仕事も頑張りますか!