六百六十円の事情 | つれづれログ

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六百六十円の事情 (メディアワークス文庫)/入間 人間
¥641
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男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。爺ちゃんと婆ちゃん。
世の中には、いろんな人たちがいる。
そこには、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんての も。
それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、
でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。
そんな彼らがある 日、ひとつの“糸”で結ばれる。
とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。
日常系青春群像ストーリー。

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群集な物語は結構好きなジャンル。
この作品は660円の「カツ丼」で繋がる老若男女のお話。

話は6章で構成されていて、序盤の4章は男女1組ずつが主な登場人物。
続く5章、6章でそれぞれの人達が強く結びついていく。

自分が何がしたいのか分からないニートのギアッチョ。
将来がないのではないのかという不安を持つ河崎。
家庭に不満を持ち、家出を企てる小学生、ドミノ。
彼女と共にニート生活を送る各務原雅明。
そして彼らを結びつける上記あらすじの書き込み主、「私」。

彼らはそれぞれちょっとした悩みを抱えながら生活していて、
その中でもがきながらも、人との関わりあいの中でちょっとずつ成長、
前進していく。

そんな何気ないストーリー。
他の章の人物がそれとなく登場するのがなかなか面白くて、
ある意味自分がその町に住んでいて、彼らが実在するのではないかと
いう感覚。

さらりと読める1冊です。