この日はカーヴ ド リラックスで開催のKisvinのワインセミナーに参加してきました。

http://www.kisvin.co.jp

 

当初無料ということでしたが、稀少かつ高額のピノ・ノワール ロゼ、シャルドネ レゼルヴ(合わせて23k)を出すということで、会費は¥2000になりました(ちょうどこの2本のワイン代)。

 

昔、確か、酒折ワイナリーに葡萄を卸してたよなあとか、以前読んでいたブログ(https://saitomy.exblog.jp)を書いていた斎藤まゆさんが醸造責任者やっているんだよなあ 位の予備知識で参加。

 

帰って来てから検索して、コンパクトにまとまっていたのが、こちらのエノテカのKisvinの紹介。

https://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=1322

(別にエノテカの回し者ではありません。)

 

以下は、試飲したワインとそれに対する私のコメント&

萩原さんから聞いた話です。( )内は私の見解です。

価格はカーヴ ド リラックスでの税込価格。

 

なお、本記事は、萩原さんのチェックは受けておらず、私が聞いた(と思っている)ことを書いていますので、必ずしも萩原さんの意図ではないかもしれませんのでご注意を、

 

Kisvinでの葡萄栽培は全て棚仕立て。

 

Kishin Koshu Sparkling 2018 

¥3,069

薄いイエロー、

樽の香り、甘い花の蜜、白や黄色の花

中程度の酸、しっかりとした旨み、軽いタンニンの収斂味、厚みのある味わい、軽い苦み、

 

甲州は全て傘かけして栽培。ピンクにしない 黄色っぽい色になる。

 

萩原さん自身は、甲州からワイン造らなくてもいいんじゃないかと思っている。

和食に合うというが、日本酒の方が合うんじゃないかと。

 

甲州から造られるワインはシャルドネやピノ・ノワールに比べると、エキス量が少ない。それで二次発酵すると澱にエキス取られて薄っぺらい味わいになってしまう。

それで炭酸ガス吹き込みで作っている。(それなら、ペティアンのような、瓶内一次発酵の継続とか、マンズワインの泡みたいなシャルマ方式での1次発酵の継続という手もあるんじゃないか。)

 

なぜ、瓶内二次発酵の泡ものは泡が細いのか?

私は、CO2が酵母の作用による発酵によってワインの中で生じるので、水分子との結合状態が違うのではと考えて、その様に答えたのですが、萩原氏によると、瓶内二次発酵では、その製造工程でフィルター処理を行わないため、目に見えない位細かな浮遊物が存在している。泡は浮遊物に結合し安定化するため、泡が細かくなるが、炭酸水等では、泡同士が合体するため、大きな泡になる。(経験的に、澱抜きしておらず、大きな澱のある自然派系のペティアンを開ける時に噴かせてしまうことが多いことから、少なくとも大きな澱は溶けていたCO2が気化する時の核になって、泡の発生を促進すると考えていたのですが、”目に見えない位細かな浮遊物”は違う効果を持つのか?。)

 

Kisvin Blanc 2018

¥3,542

(ボトル撮り忘れ)

31種類のヴィニフェラ系品種(生食用に販売しているものの残り)の混醸。

薄いイエロー

甘さと苦さの要素のある香り、ゼラニウム、華やかな鼻腔の奥を刺激する香り。

まったりとした舌触り、少々の甘み、中程度からやや弱めの酸、軽い苦み。

 

ピノ・ノワールについて

ディジョンクローンが導入されて、アメリカのピノの品質が劇的に上がった。

ディジョンクローンは粒が小さくて密着。

 

しかし、これを日本で栽培すると、腐敗でやられる。

Kisvinでは、カス落としを全ての房でする、殺菌剤を使う、の対策をして、栽培。

ピノ・ノワールの収穫時期は8月下旬。それ以上置いておくと、ピノ・ノワールのワインで重要な酸が落ちてしまう。

 

Kisvin Pinot Noir Rose 2017

¥8,250

除梗破砕して出たフリーラン果汁のみ集めて、発酵。生産量 300本

プレスジュースは赤に使う。

 

薄めの赤銅色、サーモンピンク。

黄色やオレンジ色の果実の香り。

中程度からやや弱めの酸、厚みのある味わい、ミネラルの味わい、軽い苦み、赤系果実の香味、ブラックチェリーの香味。

 

 

Kishin Chardonnay Reserve 2017

¥14,773

タランソー、カダレ?製の新樽で1年熟成

(これかな? http://www.taru.co.jp/pdf/no_012.pdf

 

色は輝きのある薄いイエロー。

華やかな香り、白い花、

やや弱めの酸、ギューっと口腔壁を締めるタンニンの収斂味、ものすごく重心の低い味わい、クリーミーで厚みのある味わい、軽い苦み、

確かにこれは日本離れしたシャルドネ。しかし、柑橘系の香りとか、もう少し香りの成分が欲しい。後、萩原さん自身も言われていたが、もう少し酸が欲しい。

 

気になったのは、どのワインも少し酸が弱いこと。これは、山梨でワイン葡萄を育てる上での限界なのか?

 

以下、萩原さんのお話の聞き書き。

 

窒素を入れてピン詰め、スペースにCO2を加えて、DIAMの栓を打っている。

 

料理との相性は語らない。料理はプロじゃないから。ワインは変えられないので、料理をワインに寄せるのは料理人の仕事。(とは言っても、買ったワインを家で飲むのに、どんな料理に合わせるのかの情報は少しは欲しいところ。それは、ワイン屋さんの仕事ということなのでしょうか?)。

 

テロワール、ミネラルのような科学的な根拠がなく、定義が人によって違うような言葉は使わない。

こんな言葉を使うワイン業界は腐ってる。

(定義しようがないから、仕方なく使っているという点があるような気がします)。

 

萩原さん、率直で面白い方でした。

 

Kisvin Ruby 2016が家にありますので、今度飲んでみます。