第46回 代表曲と売れた曲は一致するのか
WANDS
1990年代に音楽チャートを席巻していたいわゆるビーイング系のバンドの中心的存在として活躍し、ヒット曲を連発していたWANDS。カラオケでも人気でよく歌われましたが、その裏で激しくメンバーチェンジを行っていたようで、今回はそんな彼らの売上推移をみてみます。
【1期 ボーカル上杉+柴崎+大島 】 1991~1992年
「寂しさは秋の色」「ふりむいて抱きしめて」「もっと強く抱きしめたなら」
1st、2ndはまだそんなに売れていなくて。3rdシングル「もっと強く抱きしめたなら」でブレイクし、これがミリオンヒット。ところがシングルがリリースされる頃には、すでに1人脱退していたといいますから、いきなり波乱万丈な展開となっていたわけですね。
【2期 ボーカル上杉+柴崎+木村】 1993~1996年
「時の扉」「愛を語るより口づけをかわそう」「恋せよ乙女」
「Jumpin’ Jack Boy」「世界が終るまでは…」「Secret Night」「Same Side」
この時代がWANDSとしての全盛期といえる時期で、3曲がミリオンセラー、5曲がシングル1位を獲得。CDがとにかく売れて、音楽界が活況を極めていた時期ですが、その中心にいたのがWANDでした。メロディーがポップで小気味よい「愛を語るより口づけをかわそう」「Jumpin’ Jack Boy」、じっくり聴かせる重厚感あふれる「世界が終るまでは」、歌うのにはちょっと難解さのある「Secret Night」「Same Side」と、曲の感じも変えながら、飽きさせない工夫もされていたように思います。
【3期 ボーカル和久+木村+杉元】 1997~1999年
「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」「Brand New Love」
「明日もし君が壊れても」「今日、ナニカノハズミデ生きている」
ところがこの売れまくっている中で、ボーカルがやめてしまうという非常事態に。したがってシングルが少し発売までに時間が空くのですが、新生WANDSとして再スタートを切ることになったのがこの時期。かつての勢いはないものの、新体制もそれなりに受け入れられたようで、2曲でシングルトップ10に入ってきました。
【5期 ボーカル上原+木村+柴崎】 2020年~
「真っ赤なLip」「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」「カナリア鳴いた頃に」「YURA YURA」など
3期体制のあと、WANDSは解体が表明され、長い間存在していない状態だったのですが、2018年ごろから再結成の動きがあったそうで、実は4期の体制としてボーカル上原+柴崎+大島という形が出来上がったそうですが、結局CDリリースないまま、5期体制へ移行。そして待ちに待った新曲がリリースされ、CD市場は縮小された中ではありますが、トップ10に復活を果たすことになりました。ボーカルが変わったとはいえ、かつての2人のボーカルと声質が近く、かつてのWANDSらしさを継承しているのは嬉しいところです。
■売上枚数 ベスト5
1 もっと強く抱きしめたなら 166.3万枚
2 時の扉 144.3万枚
3 世界が終るまでは… 122.1万枚
4 愛を語るより口づけをかわそう 112.1万枚
5 Jumpin’Jack Boy 82.7万枚
ミリオンセラーが4曲と今からしてみると異常な売れ方をしていますが、この時代はミリオンが多かったですからね。上位曲は1992~1994年に集中していて、よく聴いた曲がずらりと並んでいます。
■最高順位
1位 … もっと強く抱きしめたなら、時の扉、愛を語るより口づけをかわそう、
恋せよ乙女、世界が終るまでは・・・、Secret Night~it’s My Treat~
2位 …Jumpin’ Jack Boy、Same Side
6曲の1位を獲得し、2位も2曲と、シングルを出せば1位か2位という時代が1992~1995年まで続き、まさにスーパーバンドだったわけです。
「愛を語るより口づけをかわそう」ですが、当時のビーイング系のアーティストは長いタイトルが1つの流行りみたいになっていて、「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」「このまま君だけを奪い去りたい」「別れましょう私から消えましょうあなたから」といった歌が続々とリリースされましたね。
■代表曲
1 世界が終るまでは・・・
2 もっと強く抱きしめたなら
3 愛を語るより口づけをかわそう
1位と2位はどちらでもおかしくないのですが、いろいろ調べて支持が高いのが「世界が終るまでは…」のようなので、無理に順番づけするとこんな感じかなと思っています。3位は「時の扉」もありかなとは思いましたが、わずかに人気の高そうなこちらをピックアップ。
■好きな曲 ベスト5
1 愛を語るより口づけをかわそう
2 Jumpin’Jack Boy
3 恋せよ乙女
個人的には明るめでポップな曲のほうがWANDSに関しては好みで、逆に「もっと強く抱きしめたなら」とか「世界が終るまでは・・・」なんかは、なんで売れたのだろう…的な思いで、あまり好みではありまりせん。
ミリオンセラーが多数あり、この頃の作品であれば、どれをとっても「売れた曲」にはなってしまいます。2番目に売れた「時の扉」は3番手から5番手あたりでしょうから、まったくの売れた順ではないにしろ、ほぼ売れた曲が代表曲あることには違いなさそう
結論:ミリオンセラーを達成した4曲の中に代表曲があるのは間違いない