第27回 代表曲と売れた曲は一致するのか
X JAPAN
登場した当時からどこかカリスマ性のようなものを纏っている雰囲気がありましたが、いつのまにか国民的カリスマバンドとして君臨するようになりました。メンバーのスキャンダルや悲劇などで話題を呼んだ時期もありましたが、総理大臣のお墨付き(?)を得たことで、その地位を確固たるものしたようにも思います。その売上実績と印象に乖離があるのかないのか。
【メジャーデビューし認知度を拡大】 1989~1991年
「紅」「ENDLESS RAIN」「WEEK END」「Silent Jealousy」「Standing Sex」
バンドブームの真っただ中の1989年に「紅」でXとしてメジャーデビュー。当時はヴィジュアル系という言葉はなかったかと思いますが、あとから振り返るとBUCK-TICKとともにヴィジュアル系バンドの元祖的な存在だったといえるでしょう。そしてこのメジャーデビュー曲がいきなりチャートの上位に来たことで、認知度も格段に高まり、オリコンでは常にトップ10入りし、売上も20~30万枚台とメジャーとしての順調なスタートを切ったのです。
【人気爆発売上拡大】 1991~1994年
「Say Anything」「Tears」「Rusty Nail」
そして6thシングル「Say Anything」で売上が一気に跳ね上がり、次の「Tears」ではさらに枚数を積み上げ、さらに「Rusty Nail」ではとうとうオリコン1位を獲得するのでした。X JAPANに改名したのもこの時期。惜しむらくはこの間のシングル発売が少ないこと。一番勢いがあった時期だけに、1年に2枚ずつぐらいのペースで発売できていたら、もっと認知されるヒット曲が出ていたのかもしれないですね。
【カリスマバンドとしての安定期】 1995~1996年
「Longing~跡切れたmelody~」「Longing~切望の夜~」「DAHLIA」「Forever Love」「CRUCIFY MY LOVE」
すでに国内におけるその地位を確固たるものにし、オリコンシングルチャート1位も次々に獲得、売上実績も安定した枚数を確保していき、どこまで行くんだと、その先の闇を想像させることのない充実ぶりと映っていたのですが、実はツアーの中止などいろいろあったみたいですね。
【とりあえず終焉へ】 1996~1997年
「SCARS」「THE LAST SONG」など
ボーカルTOSHIが脱退の意思を示したことから解散を発表。最終的には紅白歌合戦が最後のステージとなったわれです。そしてその後の洗脳騒動やHIDEの死など、音楽ではないところで話題を呼んでいくことになります。
■売上枚数 ベスト5
1 Tears 83.7万枚
2 Rusty Nail 75.2万枚
3 Say Anything 53.8万枚
4 Forever Love 51.0万枚
5 Longing~跡切れたmelody~ 47.6万枚
6th~9thの4曲が5曲中の4つを占めていることから、売上枚数という点では、この時期がやはり強かった、つまりはX JAPANの新曲ならとにかく買おうという人々が多かったということではないでしょうか。その点では分かりやすい売れ方をしています。
■最高順位
1位 … Rusty Nail、Longing~跡切れたmelody~、DAHLIA、Forever Love
2位 … WEEK END、Tears、CRUCIFY MY LOVE
1位が4曲、2位が3曲とこのあたりはさすがですし、1990年から1996年までと比較的長い期間トップクラスを維持していました。当然ながら、一時だけの瞬間風速ではなかったことは確かでしょう。
■代表曲
1 Forever Love
2 紅
3 Endless Rain
人気度というよりは認知度ということになると、小泉元首相のお墨付きの「Forever Love」、甲子園の応援曲としておなじみの「紅」、そしてX JAPANを取り上げる時のBGMに使われている印象の「Endless Rain」でしょうか。「Rusty Nail」「Say Anything」あたりも人気は高いようで迷いますが、まあこんな感じかな。1~3は人によって順位は変わるかもしれません。
■私の好きな曲 ベスト3
1 Rusty Nail
2 Endless Rain
3 紅
私の好きなのは圧倒的に「Rusty Nail」です。
一番売れたのが「Tears」、その次が「Rusty Nail」、次が「Say Anything」ということで、人気曲ではあるのですが、代表曲であげた3曲とは重ならないのですよね。
結論:代表曲と売れた曲とは必ずしもイコールとはなっていない。