80年代青春歌謡365アーティスト365曲 vol.336
Dear Friends PERSONZ
作詞 JILL
作曲 渡辺貢
編曲 PERSONZ
発売 1989年2月
派手で強烈なビジュアルからギャップのある厚い女同士の友情ソングが、ドラマの主題歌にも起用されてブレイク
大盛況のバンドブームの中、JILLがボーカルを務める紅一点バンドとしてデビューしたPERSONZでしたが、派手な見かけはいかにもハードロック風であり、1988年のメジャーデビュー曲『RomanEsque-HeartAche』(1988年2月)がオリコン80位に登場したものの、2ndシングル、3rdシングルとトップ100圏外と、一部のファンだけに知られて存在という域を出ませんでした。
そんな中4thシングルとしてリリースされたのが『Dear Friend』でした。この曲は極めてシンプルな友情ソングで、言葉の数も少なければ、日本語部分は子供でも知っている簡単な言葉しか使われていません。そしてサビの部分は《Woh Woh Who My Best Friends》の繰り返し。しかしそんなシンプルさゆえに、友達を思う熱い思いがストレートに伝わってきたのでしょう。さらにはテレビドラマ『ママハハ・ブギ』の主題歌に起用されたことに後押しをされて、オリコン最高13位、売上14.3万枚というヒットに繋がり、PERSONZの名前も一般の音楽ファンにも知られるようになりました。
一見とっつきにくい派手でケバケバしいメイクとファッションに、迫力のあるちょっと怖く感じてしまうようなハスキーなボーカルでしたが、意外とキャッチーで親しみやすい歌を歌うじゃないかとこの曲で思った人も多かったのかもしれません。友達なんかよりも、一匹狼でカッコよくクールに生きていくんだ的なハード印象のJILL、バンドとしても彼女一人のインパクトが強いだけに、この曲で知って多にもどんな曲を歌っているのか聴いてみようというと思った人も多かったでしょう。実際これ以降のシングルはコンスタントにオリコン30位前後につけるようになりましたから、『Dera Friends』のヒットはPERSONZにとってはとても大きいものになりました。 個人的には、他の曲を聴いていると、『Dera Friends』は正直なところ物足りない感じもあったのですが、ドラマとの中でいい使われ方をしていると、シンプルで良い曲に聴こえてくるのですよね。
このあとPERSONZは1994年発売『sayonaraは言わない』がオリコン最高14位、通常版と500円版を合わせて20万枚を超える次のヒットが出るなどの活躍をみせ、現在も活動を続ける息の長いバンドになっています。今も『Dera Friends』はPERSONZの名刺代わりになっているのではないでしょうか。