●就活映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

就活映画 ベスト10

 

1 RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

就職活動と言っても、こちらは会社を辞めてからの再就職先として、電車の運転士を目指す映画。丁寧に描かれた好感の持てる作品です。鑑賞しながら、自分の現在のしている仕事と重ね合わせた方も多いのではないかと思われますが、私もそんな一人です。ある意味、転職を誘発するような作品かもしれません。この映画に背中を押されて、実際に仕事を変えてしまう人も、一人以上は必ず発生するのではないでしょうか。それだけ主人公の決断には説得力がありましたし、嫉妬さえ感じる生き方でもありました。現実的には経済的なこともありますので、そう簡単にはいかないとは思いますが、好きでもない仕事を嫌々毎日こなしている身にとっては、刺激にはなりましたね。作品としても奇をてらわない、そして急がない、腰を据えた演出が心地よく、キャストも堅実派を揃え、全体としてのまとまりも良かったのではないでしょうか。

 

2 就職戦線異状なし

まさに就職活動そのものをテーマにした作品。バブル期の就職戦線を舞台にした大学生達の将来の考え方、恋愛模様がみずみずしく描かれている青春映画。就職活動自体に時代を感じさせますが、キャストも当時売り出し中の若手が勢ぞろいして、今観ると懐かしささえ感じます。俳優がみんないきいきしていて気持ち良いです。

就職戦線異状なし

 

3 花束みたいな恋をした

こういった一組の普通のカップルの出会いから別れを描いただけという映画はなかなかないもので、でも実はそれが一番リアルで、観る者に一番共感されやすい恋愛ストーリーなのかもしれません。そして二人の恋の動向とともに、その時その時での二人の就職活動や転職が現実を感じさせてくれるのです。どこかに、自分も似たことがあったとか、こういう恋愛に憧れたとか、琴線に触れる部分が多くなるのでしょう。そういった意味で他の恋愛映画以上に、主演の二人の役割は大きいといえるかもしれません。時間の経過とともに、変わっていく二人の関係性を、その場面場面でリアルに演じなければなりません。その意味では、さすが当代の若手人気俳優ですね。特に別れ話をするファミレスの場面、すっかり関係性が変わってしまった二人の近くに、まだまだ敬語で会話をしている初々しい付き合う前のカップルの会話を聞いた時の二人の涙が、ふたりのすべてを象徴しているように感じました。

 

4 青くて痛くて脆い

作品としては、途中まではヒロインが死んだと思わせておいて、その謎を探っていくようなサスペンスタッチの展開でしたが、後半から様相が変わり、人間的にまだ未熟な大学生の人間関係のこじれを描く心理劇へと変わっていき、最後はどっちもどっちという感じで終わっていきます。主人公が抜けたサークルはどうも胡散臭く怪しい感じをプンプン匂わせる就職活動サークルに変貌、そのリーダー的男子学生のチャラさも全開といった感じでミスリードさせていきます。しかし、実は表面的には悪いこともしていないし、リーダー的学生も案外いいやつじゃんといったことが分かっていきます。さらには死んだといっていた意味も分かってくるに従い、これはいったい、主人公に問題があるのかもしれない、どっちが悪いんだと、観ている側の気持ちも揺れ出します。そのあたりの展開のさせ方はなかなか心憎いものがあります。で、最後の対峙の場面になるのですが、自分の始めたサークルの中に自分の居場所を失って出ていかざるを得なかったひがみと、そんな主人公の気持ちを察することもできない鈍感さが、互いに理解できなかったということに起因して、あいまじりあうことができなかったということなのですね。最初は空気が読めない痛い学生から、自らサークルを作ってしまうバイタリティ溢れる明るい女性、そしてサークルの始祖としてあがめられるカリスマ性のあるリーダーと、その時期その時期での顔を見事に演じ分けるヒロインを演じた杉咲花の演技がやはり秀逸でした。

 

5 幸せのちから

実話を元にしているということでそれなりに興味を引く題材でありますし、作品もサクセスストーリーと親子ドラマが合わさった良いお話にもなっています。しかしながらいまひとつ物足りなさが残ったのも事実です。

なぜ主人公が難関を勝ち抜いて社員に採用されたのか、その説得力が弱いのが、物足りなさの原因なのです。もともと高い能力を持ち合わせてはいたのでしょうが、能力の高い人が勝ち抜くのは当たり前。映画として共感を得るものにはなりません。強力なライバルの姿も見えません。困難にあっても立ち向かい挑戦し克服する、その姿にこそ多くの一般の人たちの共感を得るものだとしたら、もう少し脚色してもよかったのではと思ったりもするわけなのです。作品としてまとまっていましたし、決して悪い出来ではありません。ただバランスと構成にやや難があり、何をメインに描きたかったのか、いまひとつ伝わり方が弱くなってしまったのが残念でした。

幸せのちから

 

6 男はつらいよ 寅次郎の縁談

吉岡秀隆演じる満男が不況の中で就職活動に苦戦し、旅に出て言ってしまうという話の回です。後藤久美子との関係が落着したかと思ったら、そんな中でも今度はまた別の恋が生まれた満男。今までの寅さんの役割を引き継いで世代交代しようかという感じで、寅さんの恋はどちらかというとついで的な扱い。寅さんも年を取ったなあという印象でした。

 

7 未来は今

田舎から大都会に出てきた青年が励む就職活動は当然すんなりとはいきませんが、ようやく得たメールボーイの仕事をきっかけに、事態は予想外の方向へ。ただ落下の途中で時間を止めるのは反則でしょう!記者の秘書が社長に惹かれていくのが唐突。ポール・ニューマンがいい味を出しているのに、脚本が雑なのが惜しい。

未来は今

 

8 リアリティ・バイツ

ウィノナ・ライダー演じる主人公が恋に仕事に、日々もがきながらも成長していく姿を描く青春映画。就職活動に励みながらも行く先々で拒絶され、世の中の厳しさを身に染みて経験する彼女。そのあたりはリアルな現実を想い知らされる感じですね。ただいまひとつ若者たちが何を思って生きているのかつかみにくいのもまた事実。

リアリティバイツ

 

9 何者

「就職戦線異状なし」と同様に就職活動そのものをテーマにした青春映画ですが、時代が違うだけに、就職活動の形そのものが変わっていることが興味深いです。たた゜華やかなメンバーが揃っているものの、原作自体起承転結がそれほど明確でなく、しかもSNSの書き込みをネタにしているので、映画化するのは難しかったでしょうか。盛り上がりに欠けたまま消化不良で終わってしまった印象です。5人中内定を得たのは2人という状態、別アカウントでのSNSのくだりも唐突感がありましたし、また登場人物たちもいまひとつキャラクター的に魅力が薄いのですよね。もっともっと面白くなりそうな設定とメンツだっだたけに惜しい感じはしました。

 

10 東京無印女子物語

都会で暮らすいまどきの女子映画というジャンルは時々ありますが、今作もそんな括りの中に入る一作。就職活動中の女子大生が主人公に、恋に就職にそれぞれ悩みを抱えながらも毎日を健気に暮らす若い女性たちの姿が愛らしく描かれ、ついつい応援したくなりました。