●豊川悦司 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

豊川悦司 出演映画 ベスト10

 

かつてトヨエツと言われて世の女性たちを魅了した豊川氏も還暦間近。

 

1 フラガール

まずは松雪泰子が素晴らしい。作品の出来上がった今となっては、ほかの女優では想像できないほどで、まさにはまり役といっていいでしょう。すれた雰囲気、気が強く、しかし実は人情もろいという役柄を見事に演じ切り、特に最初に見せるダンスシーンは見事でした。次に蒼井優。彼女の見せ場は松雪と逆にラストのダンスシーンです。バレエの資質があるだけに、驚きはしませんでしたが、ソロで最後に踊るシーンでは、それまでの盛り上がりもあって目が釘付け状態になりました。あともう一人、前半だけの登場でしたが、徳永えりが抜擢されただけある好感度の高い演技をしているが気になりました。展開の仕方が上手く、なだらかに最後の盛り上がりにもっていくというよりは、負の要素(親子断絶・隠された身上・親友の別れ・チームの乱れ・肉親の死・先生との別れ・事業の危機など)とそれを解決するブラスの要素を交互に配し、山と谷を上手に作り上げています。ともするとあざとくなってしまいがちなところのギリギリの線で、うまく演出し、後半からは、ジーンとするシーンが次から次へと用意されています。奇を衒ったものではないので、すんなりそれを受け入れられたのかもしれません。とにかくこんな「良い」映画にめぐり合えて、幸福感でいっぱいでした。豊川悦司は炭鉱町の男、蒼井優の兄役。

 

 

2 ラストレター

叙情的な映像作品を撮らせたら岩井俊二に勝てるものはいないのではないかと、改めて思わせられました。しかも今作は原点に戻ったような恋愛映画で、キャストも中山美穂、松たか子、豊川悦治と初期の作品を思い出させるような配役。ファンにはたまらない一作となったのではないでしょうか。20年も前の高校、大学時代の恋愛を未だに引きずり、なかなか先に踏み出すことができない売れない小説家、それを女々しいとか、情けないとかいうのは簡単ですが、それまでほどに彼の人生を左右する忘れられない大きな恋だったということなのでしょう。そのある種の女々しさ、情けなさがこの作品の肝であり芯でもあるわけで、それを否定してしまったら、そもそもこの作品は成立しません。高校時代の回想シーンは、どこにでもありそうな出会いと三角関係ではありましたが、それだからこそノスタルジックに訴えかけるものがあります。そしてその舞台となった校舎がすでに取り壊される寸前という状態であることも、より取り戻せない過ぎた日々であることを強調しているようでもあり、情緒に訴えかけてくるのです。豊川悦司はDV夫の役。

 

 

3 3月のライオン 前編

前篇ではありますが、エピソードもてんこ盛りで、将棋界のこと、将棋以外のことも合わせて、かなり見応えのある内容になっていました。将棋のルールを知らなくても分かるような流れになっている一方、将棋を好きな人にとっても、独特の世界の雰囲気が現れていて、楽しめたのではないでしょうか。特に羽生や村山などをモデルとしているのが明らかに分かるようなキャラクターも、それぞれ俳優がなりきって演じていて、興味深く観ることが出来ました。主人公の周りの女性陣もそれぞれキャラクター性豊かに演じていましたし、ライバルとなる棋士面々もまた個性派ぞろいで、俳優陣の演技を観るという部分でも楽しめます。さらに激しく動いていきそうな後半が楽しみです。両親を失った主人公を引き取った棋士を豊川悦司が演じています。

 

 

4 ドッグ・スター

犬の話かと侮って観たらこれがやられてしまいました。豊川悦司の犬っぽい演技に違和感がなく、ありえない設定も本当に見えてくるから不思議。次第にストーリーに惹きつけられて行くのは、やはり作品にそれだけの力があるということ。そしてそれを支えているのは主演の二人。特に井川遥の演技というか雰囲気が作品に与えている貢献度は非常に高いと思います。洗練されたものではないのですが、それがこの作品、特に犬を演じている豊川との相性はぴったりで、ファンタジーにリアリティを与えてくれています。脇役にしっかりした演技の渋い役者を固めているので、主役が安心して演技できている感じです。また、本線からはずれてしまいますが、井川の元恋人が酔って発した嫉妬の告白は切ないものがありました。

ドッグスター 

 

5 12人の優しい日本人

パロディ作品ですが、理論と会話の組み立てで展開を進めて行く技は三谷幸喜ならではで、よくできた会話劇になっています。ほとんどが密室の中でのシーンで、非常に舞台的な作品ではありますが、最後まで飽きることがなく楽しめました。12人の一人として豊川悦司も出演。

12人の優しい日本人 

 

6 3月のライオン 後編

将棋の世界の独特のシステムや対局の緊張感を見せつつも、育った家の家族やお世話になっている三姉妹一家との関わりの中での人間ドラマも描き、ボリューム感たっぷりの作品になっています。前編には登場しなかった父親が新しく加わり、或いは次女の学校でのエピソードも描かれ、新しい展開を見せる中、主人公の葛藤がクローズアップされ、彼の成長が感じられます。また鼻水を出して泣く有村架純や、つばきを引きながらしゃべる倉科カナなど、女優陣の姿も奇麗だけで終わらない、リアルな姿を映し出していることも印象的でした。

 

 

7 春を背負って

出てくる人が皆心優しく、その優しさ温かさと、それらを包み込むような山々の風景が調和して、心地よい作品でした。時に優しく時に厳しく時に穏やかに時に激しく…その時々で変えていく山の表情が、そこにいる人々に色々と教えを問うているようでもあり、また人々もそんな山を尊敬しているし愛しているし感謝している…そんな気持ちが作品中にあふれていたように思います。こういうところで暮らす生き方も、一つの生き方として素敵だなとも素直に感じられましたしね。最後のシーンの演出はあまりに気恥ずかしすぎて、作品にそぐわない感はありましたが、それにしてもこの作品の中で蒼井優演じる愛ちゃんは、明るく健気で愛らしくて料理上手の素敵な女性。一つ屋根の下で寝起きしているわけだから、ね。主人公の父親の友人役で豊川悦司は出演。

 

 

8 ジャッジ

 プロット自体はまずありえないだろうという馬鹿馬鹿しいものなのですが、そんな設定から笑ってしまおうというぐらいの勢いはありましたね。頭をからっぽにして楽しめるコメディだったと思います。結構細かい部分にも凝っていて、小技もなかなか巧妙。このあたりは短いCMの世界で鍛えたということもあるのでしょうか。俳優の使い方も、なんと贅沢なこと。どうせだったら審査員の面々に大物海外俳優も入れたかったところですが、こんな無茶苦茶な作品に出てもらえないか…。「ラブ」の部分が取ってつけたように挿し込まれただけなのが、時間の制約もあってでしょうけれど、ちょっと惜しいところでした。広告代理店のトップクリエイターを豊川悦司が演じています。

 

 

9 疾走

それまでのSABU監督とはやや印象の違う、かなりヘビーなドラマになっていて、ズシッと答える映画でした。主人公も10代の子供ということで、得意の走るシーンはあったものの、疾走感よりも停滞感を感じながらも、不幸に陥って主人公とその周囲の人々に対し、複雑な思いを抱かずにはいられませんでした。心中、殺人、自殺未遂、いじめ、放火、暴行、援こう、未成年飲酒、家出…あらゆる「悪」がすべて網羅されていますし、ラストの空しさ。観ていて辛い映画ですが、考えさせられる部分も多く、現代社会の歪みを見るような思いでもありました。豊川悦司は神父の役。

 

 

10 レイクサイドマーダーケース

登場人物たちが限られる中での殺人事件の真実は何か、それを本線に親のあり方を問う作品になっています。単なるミステリーに終わってないところで、最後は真実明かしよりも深いところに主眼が移ってしまったような終わり方でしたが、芸達者がそろって、最後まであきさせない脚本にはなっていました。そこが青山真治らしいところで、単なる娯楽ミステリーで終わらせないという意志は伺えました。ただ、より娯楽に徹したほうが、より面白い作品になったのではないかと、一方では感じました。塾講師役で豊川悦司は出演。

レイクサイドマーダーケース 

 

11 必死剣 鳥刺し

12 北の零年

13 椿三十郎

14 一枚のハガキ

15 犯人に告ぐ

16 今度は愛妻家

17 サウスバウンド

18 20世紀少年

19 居酒屋ゆうれい

20 犬と私の10の約束