●佐藤健 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

佐藤健 出演映画 ベスト10

 

もう30代なのですよね。

この年代の代表的俳優の一人として着実に歩んでいますね。

 

1 カノジョは嘘を愛しすぎてる

まずはこの映画のヒロインとして、人気歌手に演技させるのでもなく、歌の歌える女優に歌わせるのでなく、ましてや別の映画で佐藤健がやった究極の音消しで誤魔化すでもなく、この映画に何よりも聴く者を惹きつける歌唱力と歌声を持った新人を抜擢したことが、結果的に大成功に繋がったといえるでしょう。既存の歌手ではこの初々しさは出せないでしょうし、ちょっと上手いぐらいの女優でも、お茶を濁すぐらいにしかならなかったでしょう。さらに作品内に使われる楽曲についても、きちんとこの作品用に、一定以上のクオリティをもったものを作ってきたので、音楽映画としても説得力のあるものになりました。コミック原作らしく、登場人物のキャラクターも明確で分かりやすく、敵味方がはっきりしているので、感情移入もしやすい構図。映像的にも奇麗に撮影されていて、総じて期待を大きく上回る出来映えです。まっすぐに秋を思う理子と、色色なしがらみの中で「嘘」をつかざるを得ない秋、二人の心情を思うと、観ている方も切ない気持ちになってしまいました。良かったです。

カノジョは嘘を愛しすぎてる 

 

2 ひとよ

子供たちを救うための夫殺しでしたが、それゆえにその後の人生を苦しんだ3人の子供たち。自分のしたことは正しいと言い切る母親に対し、3人の子供たち(佐藤健が次男)の態度は三者三様。果たして正義とは何なのか、子供のためとは何なのか、とにかくいろいろ考えさせられます。もちろん殺人を倫理的に正当化することはできるわけもなく、その部分ではこの作品は慎重です。殺人により万事OK、幸せになることで解決した…とは決していかないわけで、次男が劇中で言っていましたが、暴力に耐え続けた方がましだった、と思いたくもなるような現在の生活があるわけです。その点はよかったと思います。そして犯罪者の家族として生きた子供たちの受け止め方もまた三者三様。仕方ないと受け入れるのか、可能な限り隠し通すのか、逆に利用して生きるのか。しかしいろいろありながらも、少しずつではありますが、変化を見せていくこの家族。もしかしたら時間が解決してくれることもあるのかもしれません。考えさせられる映画にはちがいないでしょう。それにしてもこのタクシー会社、車を壊されたり、タイヤをパンクさせられたり、スプレーのようなもので落書きされたりと、金がかかってしょうがないでしょうね。

 

 

3 バクマン。

分かりやすく観やすい映画にまとめられていたという印象です。漫画家になるための道を簡単に説明したり、編集部の様子を見せたりと、漫画界の厳しさのようなものも一般のように伝わるようにしながら、一方で漫画界にも友情や人情が存在する「悪いところでもないよ」的なアプローチも忘れず、コミック原作らしく、漫画愛に満ちた作品となっています。実際に高校生が勉強そっちのけで締切に追われる連載に対応できたり、連載を持っている漫画家が別の漫画家の手伝いをしたりと、やや現実的にはないだろうなという部分もないわけではないですが、挫折を繰り返しながらも、前へ進んでいこうとする2人の姿には、ついつい応援したくなるものがありました。爽やか青春コメディ。佐藤健と神木隆之介がW主演。

 

4 劇場版トリック 霊能力者バトルロイヤル

映画としてストーリーも完結していますし、誰もが楽しめる内容になっていたと思います。明らかにうさんくさい超能力者たちが集まって、そこで見せられるマジック。どんな楽しいタネ明かしが待っているかと思いきや、終盤は意外な展開に。基本はコメディであることは間違いないのですが、今作については悲しみの要素が結構強く振りかけられていましたね。最後は切なかったです。そうはいっても、相変わらずの二人のコンビネーションは冴えていまして、期待通り笑わせてもしれましたし、普段シリアスな役柄を演じることの多い俳優さんたちが演じるいんちき霊能力者も可笑しかったです。シリーズとしても安定していますし、またいずれ新作が観られるのでしょうか。それにしても、声を張ったセリフでは、やまびこのように音が響いていましたね。障害のない空気の澄んだところでロケしたのでしょう。僻地感が生きていました。仲間由紀恵演じる主人公を招く村の若者を佐藤健が演じています。

 

 

5 一度死んでみた

とにかくカメオ出演的なキャストが豪華で、主演級の俳優が、一瞬だけ登場するというシーンがたびたびあります。贅沢な俳優の使い方で、それだけで華やかになります。佐藤健はクラブのボーイの役で出演しています。またリリー・フランキーが「火野」という役で、堤真一と並んで「トントントントン…」と某トラック会社のCMのネタを差し込むあたり、実に心憎いです。その中での主演となった広瀬すずですが、今までにあまりない本格的なコメディで、振り切れた演技によって新たな一面を見せてくれています。歌を歌うシーンも多いのですが、思った以上にしっかり歌えていますし、改めて彼女のセンスを感じさせられました。作品自体は、まずありえない展開ではあるのですが、火葬を早くしたい裏切り派と、なんとか生き返るまで伸ばそうとする娘たち。そのせめぎあいがストーリーの肝となるわけで、コメディですからそのあたりはドタバタ劇ですね。食堂に社長の遺体を安置しておくなんて本当はあり得ないし、家族を差し置いて会社の社員が勝手に葬儀を進めるなんてことも考えられないわけで、そんな点も含めて、バカバカしさを頭を空っぽにして楽しめ、というのがこの作品の観方なのでしょう。

 

 

6 るろうに剣心

主人公人斬り抜刀斎を佐藤健が演じた主演作。ストーリー展開を含めた全体の構成はテンポも悪くなく、無難に組み立てられていたと思います。飽きることなく観ることはできましたので、原作を知る・知らないに買関わらず、広い対象に向けた映画として成立していたのではないでしょうか。ただ、特に主役二人に関する演出の部分では違和感を持ったのも事実で、本格的な映画を期待すると、裏切られる感もあるかも。特に佐藤健のセリフ回しですとか、髪形・色とか、作り出された雰囲気がどこかヌボーッとしていて、なんかピンときません。しかも現代的な要素と、江戸時代の影を引きずっている部分がうまく交わらず、周りと比べても中途半端。武井咲もどこか“とろい”感じのキャラクターで終始したので、ピリッとしたところがどこかに欲しかった気はしました。脚本自体は悪くないので、演出がうまくいけば、もう一段上の作品になる可能性があったかと思うと、惜しい気はしますね。

 

 

7 サムライマラソン

佐藤健主演作。物語としてはひっかかりもなくスムーズに流れた印象ですが、その分いまひとつ深みが足りなかったのは感じました。江戸からやってきた兵たちの迫力がやや不足、一方守る側の藩士たちも、将来を嘱望されている一番手が「遠足(とおあし)」大会にずるしてみたりと、いまひとつ頼りない。主人公以外の江戸の隠密たちもあっけなかったですし、もっと戦いにおける駆け引きや、技のぶつかりあいのようなもので、バチバチ火花のぶつかる展開があれば、もっと面白くなったのではないかと思うと惜しい気はしました。

 

 

8 るろうに剣心 伝説の最期編

ボリューム感はありますし、シリーズ最後ということで、対決シーンは時間もたっぷりとって見せます。ただ複数回あるライバルたちとの戦いのシーンそれぞれにあまり変化がないため、どの対決も同じに見えてしまうのはもう少し工夫が欲しいところでしょう。またあまりに志々雄が強くて、4人がかりでようやくやっつけたという感じ。剣心の圧倒的凄さと言うものがあまり表現できていないのも、ちょっと拍子抜け。

 

 

9 いぬやしき

いきなり癌で余命3ヶ月という重い出だしでしたが、事態はとんでもない方向へ。子供にも妻にも同僚にも虐げられ軽蔑され続ける主人公が起死回生の一発を放ったという、簡単に言えばそんなストーリーですが、彼はいつの間にか人間でなくロボットになっていたという設定。そしてもう一人同じ場所でロボットになったのが佐藤健演じる高校生ということなのです。しかしこの二人、同じ力を持ちながら、一人は善意に一人は悪に使うという、明確にキャラクターが分かれ、しかもそれがだんだんエスカレートしていくのです。母親が息子の犯行かせ自殺を選択したり、彼をかくまった同級の女子高生が特殊部隊に殺されたりと、かなりショッキングなシーンも多々あり、とにかく激しい作品ではありました。佐藤健は敵役で出演。

 

 

10 8年越しの花嫁 奇跡の実話

実話に基づくということばにはどうしても弱くなりますが、定番といえば定番の展開。いつものギラギラ感を抑えた演技で佐藤健が違った魅力を出しています。また土屋は病床の映像がリアルに撮られていて、スタッフ含めたこだわりが強く感じられました。佐藤健や同僚、社長たちがみんないい人過ぎて、どうも素直に受け取れないところがあったのはありますが、定番の病気ものとして手堅くまとめていました。