●大森一樹 監督映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

大森一樹 監督映画 ベスト10

 

1 恋する女たち

単なる青春映画にとどまらないみずみずしい感性で女子高生の恋する気持ちを描いている秀作。特に斉藤由貴についてはけっして器用なタイプではないですが、この年令でしか表現できない魅力を最大限に引き出していて、演出に好感が持てました。ストーリーとしては堂々巡りの感がありますが、それがかえっていくら考えても答えのみつからない青春時代の悩みを物語っているようでけっしてマイナス要素になっていません。そして何よりも作り手側の視線が温かく感じられるのです。

恋する女たち 

 

2 大失恋。

まずは錚々たるキャストの今を考えて、引退した者、第一線で活躍している者、転身した者などいろいろで、時の経過を感じました。キラキラした感じが当時の世相を表しているのと同時に、accessのテーマソングなど、流行りや当時最先端のものが小道具としてもちょこちょこ取り入れられ、別の部分でも楽しめました。とにかく多くの人物の関係が入り組んで、楽しい映画です。

 

 

3 緊急呼出し エマージェンシー・コール

真田広之演じる主人公の医師の成長を通して、フィリピンの抱える社会的な問題にスポットをあてながら、非常にテーマが分かりやすく、しかも端的に作られている医療映画です。恋愛的要素も盛り込み、飽きさせません。

 

 

4 ヒポクラテスたち

医大生たちがともに悩み、ともに励まし過ごす青春を描いた作品です。医師になることに対する不安を抱えながらも、医師の卵として、そして一人の大人として成長していく姿を、医療の社会的な問題も含みつつ、どこかユーモアをもって描いています。ひょうひょうとした古尾谷雅人に紅一点の伊藤蘭、そして柄本明、内藤剛志といったのちの名優たちがそれぞれ持ち味を生かした演技をみせています。

 ヒポクラテスたち

 

5 トットチャンネル

主人公が新しいテレビの世界に入って、この道で生きていこうと決意していくまでのほろ苦い青春の数々を、コメディタッチで、ノスタルジックかつみずみずしく表現しています。大森一樹&斉藤由貴コンビの2作目ということで、前作よりも成長した斉藤を見られます。ややオーバー気味の演技は気にならないこともないですが、相変わらずの個性を発揮している。周りの人物象がもう少し掘り下げて描かれていたら、より味わいのある楽しい作品になったろうが、それでもテレビ創世記に携わった人々の熱意が伝わって、好感の持てる作品に仕上がっていました。

トットチャンネル 

 

6  T.R.Y.

観ている側と演じる側との騙し合いをいかに鮮やかに、そしてドラマティックに見せるかというのがこの映画の最大テーマであろうというのはわかります。どういう結末を迎えるか、全く予想をさせなかったという意味では、ますまず成功といえるでしょう。一方で、もうちょっと意外性というか、まだあるかといった驚きが欲しかったところはあります。あと、顔見せの俳優がちょっと多すぎるかな。石橋蓮司も黒木瞳も、ストーリーの上ではほとんど無意味。

TRY 

 

7 ボクが病気になった理由(わけ)

3作からなるオムニバスの2作目「ランゲルハンス・コネクション」を監督。糖尿病になったキャスターを名取裕子が演じています。意外性のあるキャスティングが面白いです。

 

 

8 「さよなら」の女たち

 出だしは快調。突拍子もない設定ですが、良質の青春ホームドラマを期待させます。しかし友人の恋愛騒動が絡んでからおかしくなりだし、女の館で話はとっちらかってしまう。何にポイントをおきたかったのかがはっきり伝わってきません。斉藤由貴とのコンビも三作目になるとマンネリ気味。演じる年令-当然本人もですが-が上がってきているので、相変わらずの調子がやや耳障りにも感じてしまいます。高校生のうちはいいですが、社会人手前の役となると、落ち着きもほしいところ。それから伊武雅刀の歌は正直いただけない。設定が元プロでいきなり評価されるのだったら、それなりに歌唱力のある人でないと。

さよならの女たち 

 

9 ベトナムの風に吹かれて

ベトナムのどこかのんびりした空気感というものがよく表れていました。介護問題という主軸ストーリーにいくつかのサイドストーリーが配され、ベトナムの人々の優しさとか温かさがいい味わいになっています。ベトナムにくる日本人もどこか穏やかな空気感に変わってきて、それも風土の影響でしょうか。軍人が街中を歩いているなど、時折戦争の歴史という現実を見せつけられる部分もありましたが、それがまた現在の平和を浮き出していたのではないでしょうか。

 

 

10 ゴジラVSキングギドラ

まだこの時代ではCGが発達していないので、日本の特撮映画はこんな感じになってしまうでしょう。もっと前の時代ならあきらめがつくし、先の時代ならこんなことはなく、中途半端な時代に作られたという感じですね。ただケント・ギルバートやチャック・ウィルソンなどの当時の外人タレントが出て下手な演技をしていて、またキャストの塩梅からしても、どうもB級っぽい匂いになってしまうのですよね。