華麗なる~映画 ベスト10
1 華麗なるギャツビー
1974年のロバート・レッドフォード版。愛を手に入れるためにこれ以上ない富を用意して再び愛に挑んだ成金富豪の悲劇を、俗物的なパーティや乱れた男女関係の中に空しく描いています。原作に比べ、映画チックになっているといいますが、それでも最後の結末はショックだし実にやりきれない思いです。
2 華麗なるリベンジ
韓国映画らしい力技の法廷復讐劇が描かれています。罪を着せられた検事が5年後に詐欺で収監された男と組んで、見事に自らの罪を晴らし、最後はスカッと快活な気分で観終えることができます。まあどいつもこいつも金や地位に目がなく、警察内部はどうしようもない者ばかりというのがいかにもという印象はありますが、これも韓国映画では定番です。最後は突然飛び道具の新証拠が出てきてずるいとは思いますが、娯楽作としては楽しく観られるものになっていました。
3 華麗なる賭け
なんともおしゃれで粋なクライム・ムービー。冒頭での銀行を襲うスタイルからスマートで、これで犯人が発覚しなければもっと格好よかったのだけれど、そこまでは贅沢を言いません。マックィーンとダナウェイの頭脳線も、どこからどこまでが芝居でどこまでが本音なのか、観ている側も頭を使わせられます。話の展開には大きなはったりも仕掛けもないので、その点では物足りなさもないではないですが、ムードを味わうには充分すぎる雰囲気を持った映画でしょう。いい意味での古さはあっても、今観てもおしゃれと感じることができました。
4 華麗なる週末
全体的なのどかな雰囲気が漂う古き良き時代背景のもと、少年のある夏の経験を通して回想する成長物語として、良い映画に仕上がっています。ドラマティックな盛り上げ方は特にしていなくても、少年と周りの人々との交流、家族との愛を通して、暖かさが充分伝わってきました。少年は両親も祖父も、遊びに連れまわすブーンも黒人のネッドも、そしてコーリーも皆好きで仕方ないというのが溢れ出ています。そしてそんな彼を大人達もそれぞれの形で迎え入れ、そして成長のために力を貸しているのです。ヒロインも売春婦としてはあまりに純潔な雰囲気して、やや実感を欠きますが、そのため客をとるシーンは一切いれていません。好感の持てる人物として描く演出のなせる技ですね。
5 華麗なるヒコーキ野郎
古き良き時代の飛行士達の生き様を清清しく描いている作品。その中に男のドラマを盛り込んで、アクションだけでなく物語もそれなりに楽しめる作品になっています。音楽の使い方が、いかにも時代を感じさせ、前途洋洋とした雰囲気を醸し出してくれて良いてせすし、レッドフォードもなかなかはまっています。そしてなんといっても邦題が技ありでしょう。
6 華麗なる殺人
近未来の合法殺人組織のゲーム的殺人という設定で、実際にはサスペンス・ロマンス的な要素が大きい作品です。最後の意外な結末もありますが、なんといっても設定の奇抜さで、それをとっかかりに一気にストーリーでもみせてくれます。
7 華麗なる相続人
一族で経営する製薬会社の株を巡る殺人事件を豪華キャストで展開。最後まで誰が裏切り者かわからない展開はミステリーものとして充分。一番疑わしい人間はやはり犯人ではない!?
8 華麗なるギャツビー
2013年のディカプリオ版。塗り固められた虚構も、俗物的な生活も、すべては愛する一人の女性ために死に物狂いで手に入れたもの。その一途な思いにも関わらず、汚名を着せられ、彼女にも裏切られ、そして名誉を挽回する時間も与えられないまま命まで奪われ、夢の生活もうたかたに消えてしまった主人公。こうして観ると、実に気の毒な男なのです。ディカプリオ演じるギャツビーは、一見傲慢で自分勝手、欲しいものは何でも手に入れてきた男に見えるため、最後までなかなか感情移入しづらい部分がありましたが、ラストのラストでの語りの部分で、ガラッと印象が変わりました。一途ゆえの熱さ、その一本気さに、彼の無念さを共有できたような思いです。ただ、甘い夢を見ているようで情緒的なレッドフォード版の方が、好みではありますね。
9 華麗なる恋の舞台
まさにアネット・ベニングの独壇場。若い男にうつつを抜かして捨てられ、馬鹿な女を演じただけかと思いきや、さらにその上手をいってました。女優が女優を演じるという難しさはあったかもしれませんが、見事に女優らしさを演じきり、圧巻の存在感を示してくれました。
10 華麗なるアリバイ
会話の中に第三者的に登場人物の名前が次から次へと出てくるので、顔と名前と人間関係を早くするまでに時間がかかってしまいました。謎解きについては淡々と進み、さほど盛り上がることもなく終わってしまった印象です。あっというようなトリックがあるわけでもなく、冴えた推理による種明かしがあるわけでもなく、かといってさほど複雑な背景が隠されていたということでもなく、これといった見どころがないまま平凡な展開。そして最後はあっけない幕切れ。この手のミステリーものは近年あまり見られなくなっていますが、既存の映画群を上回る出来栄えにはほど遠い感じでしたね。