筒井道隆 出演映画 ベスト10
いつまでも好青年という印象ですが、
もうアラフィフということで、
近年はすっかりお父さん役が板についてきました。
1 64 ロクヨン 前編/後編
見応えのある犯罪ドラマでした。犯人、被害者の家族、捜査に当たった者…それぞれが抱えた１４年の重さが一気になだれとなってのしかかるような、そんな重みを感じさせられます。一方でメンツを守ろうとする警察組織、そんな警察に不信感を募らせる記者たち、間に入り振り回される広報、それぞれの立場がぶつかり合った感情的なやりとりも緊張感に溢れていました。オールスターキャストの作品ですが、筒井道隆は捜査員の一人として登場。
2 映画 深夜食堂
マスター一人で自由に切り盛りしているこぢんまりとした店の雰囲気がスクリーンからもしっかり伝わってきて、自分もカウンターに座って深夜のひと時を過ごしているような雰囲気に浸ることができました。主として3つのエピソードと、それらを1本の映画として繋ぐ骨壺の存在。常連客の組み合わせがシーンごとに少しずつ変わって、それがまたリアルに感じられるのです。そこで繰り広げられるエピソードもまたそれぞれであり、そこへのマスターの関わり方の距離感がまた絶妙。味わいのある作品でした。筒井道隆は困った客を演じています。
3 バタアシ金魚
筒井道隆映画デビュー作で初の主演作でもあり、恵まれたスタートを切ったといえるでしょう。思い込んだら一直線の主人公となかなか素直になれないヒロイン(高岡早紀)の思春期特有の心の揺れを瑞々しく映し出している爽やかな青春映画。ラストの制服のままプールに飛び込んで思いを言い合うシーンは印象的。たどたどしさは拙さと捉えるか、新鮮さと捉えるか、主役の二人の演技はまだまだではありましたが、それが飾りのなさに通じ、かえって好感が持てました。
4 洗濯機は俺にまかせろ
筒井道隆の持ち味が大いに生かされた主演ラブ・コメディです。特にパン屋の店員とのやりとりが、主人公の誠実だけれど不器用なキャラクターをうまく描いていて、おもわず微笑んでしまいます。周りも芸達者な俳優たちが固め、小品ながらも魅力ある映画に仕上がっていました。
5 魔女の宅急便
いうまでもなく名作アニメの実写版。キキの父親役で筒井道隆は出演しています。実写版も決して悪くはないと思います。キキの印象もかなり逞しい感じにはなっていますが、主役に抜擢した小柴風花の堂々とした演技によるところも大きいかもしれません。新人らしからぬ安定感あふれる演技で、また今後の楽しみな逸材が現れたという印象です。アニメのときほどのあふれ出る心地よさはないものの、それでも清々しさの残るさわやかなファンタジー映画として楽しめる物ものにはなっていました。
6 聖の青春
村山聖という棋士に再びスポットが当てられたことが嬉しいのですが、その描きかたとしては物足りなさが残ります。ドラマ自体は村山がプロになって亡くなるまでを網羅し、人物紹介としては充分です。しかし将棋を分からない人でも分かるようにということで、将棋界の順位付けの方式や、将棋盤上の闘いのポイントや一手の意味などにはすべてスルーしてしまったことで、かえって棋士たちがその一勝負、一手に賭ける想いとか、その重みなどが十分に伝わらなかったように思います。筒井道隆は将棋連盟の職員役。
7 歓喜の歌
全体としてはハートウォーミングで、それでいてところどころクスクスとできる、温かい人情味のあるコメディになっています。志の輔の落語が原作ということで、ところどころ「うまい」というようなネタもありながら、登場人物も多くてキャストもなかなか豪華。一体となって歌っているシーンは、なかなか迫力がありましたし、聴いていて確かに惹きつけられるものもありました。肩の力を抜いて、気楽に観る分にはよろしい映画ですね。リフォーム店の客として筒井氏は登場。
8 BALLAD 名もなき恋のうた
原作が原作なので、当然子供の観客というものは意識しているでしょう、戦闘シーンについてはできるだけ生々しい映像を避けていますし、無用な殺戮も極力配しています。そのあたり、大人からすると時代活劇としては多少刺激の弱さを感じるわけで、そのあたりで「手堅い」「無難」という言葉になってしまうのですが、やむを得ないでしょう。SFファンタジーにアクション時代劇、家族ドラマにラブストーリー、友情ドラマにコメディと映画を楽しむ要素をふんだんに盛り込んで、そこにちょっとした道徳めいたことも盛り込み、まさに家族で観るには最適で安心して勧められる作品です。少年の父親役で筒井道隆は出演。
9 きらきらひかる
1と同じ松岡錠監督作は、同性愛カップルと女性一人の三角関係を描いたドラマです。常に不機嫌な薬師丸ひろ子がそれまでのアイドル的イメージとは違う演技が印象的ですが、その中でも瑞々しさを感じる作品です。同棲カップルを豊川悦司とともに演じているのが筒井道隆氏。
10 映画 妖怪人間ベム
テレビを観ていなくても理解できるものになっていたことは、まず良かったところ。福くんが可愛いし、それだけに余計に悲しいサダメに同情してしまったりするんですね。逆に杏は怖かったなぁ。基本ベースとして「善」という部分があるので、その面では好感の持てるストーリーになっていますし、主人公に感情移入しやすく分かりやすい作品になっていると思います。少女の父親役が筒井道隆。