鹿賀丈史 出演映画 ベスト10
キャリアのわりに映画出演はそれほど多くはないですが、
この人しかできない独特のあくの強い演技は映画の中でも貴重です。
『料理の鉄人』も印象が強いですね。
1 デスノート [前篇]/デスノート the Last name
大いに期待を持たせた前編を受けて、後編は期待を裏切らない面白さで、2時間を越える長さも全く感じませんでした。最後まで誰が勝つのか全く分からず、スクリーンに釘付けでした。原作の力によるところも大きいのでしょうが、その独特の世界を体現した演出の力も無視はできません。そのポイントとなってくるのが、L役の松山ケンイチと、よくよく考えれば馬鹿げたありえない話をに妙にリアリティを持たせている鹿賀丈史の存在感だったと思います。
2 麻雀放浪記
麻雀をある程度理解するものだったら、十分に楽しめるでしょう。敢えてモノクロにした画面が、終戦直後の雰囲気を見事に描き出し、博打の世界に生きる男たちのすべてをかけた戦いが臨場感を持って伝わってきます。それぞれの俳優が個性を出し、男の色気を感じさせる見事な佳作に仕上がっていました。貫禄たっぷりのばくち打ちを鹿賀丈史が演じています。
3 疑惑
弁護士と被告という協力し合わなければならない間柄でありながら、お互いにいけ好かない奴だと思いあっている両者を桃氏かおりと岩下志麻が熱演しています。果たして被告は有罪なのか無罪なのか、法廷でも悪態をつき続ける桃井演じる被告に対し、否が応でも観ている側は嫌悪感を持たずにいられません。そこで訪れる想像もしていなかった証言による無罪を勝ち取った両者。本筋とは関係のないプライベートの描写がなんとも寂しさと辛さを感じさせるともに、弁護士の人格を表現しているようにも感じました。鹿賀丈史は被告の情夫役。
4 アンダルシア 女神の報復
ヨーロッパを舞台にしたど真ん中ストレートのサスペンス・ミステリーです。冒頭で犯行を敢えて見せながらも、さらに新しい事実を提供することで、ミステリーの部分も巧みに引っ張り、最後まで面白く観ることが出来ました。加垳田氏は外務省邦人テロ対策室室長という役どころ。
5 K-20 怪人二十面相・伝
架空の街を舞台にしていて、時代も古いのか新しいのか、観る者の想像に任せるような設定、華族を中心とした明治時代から戦前のような雰囲気を持たせながら、SF映画に出てくるような装置が出てきたり、そのあたりの感覚は興味深かったです。飛んだり走ったりと金城武もアクションに頑張っていまし、その一方で全体的にコミカルな味付けでところどころに笑いも散りばめられており、娯楽作として充分に楽しめるものにはなっていました。謎の紳士として鹿賀丈史は登場。
6 燃ゆるとき
ビジネスにおいても欧米企業のドライで割り切った経営スタイルが可とされつつある現代に敢えて逆行するように、情と和を大事にする日本的な企業スタイルの良さを前面に押し出してきています。その意味ではかえって新鮮さはあります。どこかＮＨＫ的な匂いがしますし、テレビドラマ的でもあるのですが、けっして悪くもつまらなくなもないしっかりした作品であることは確かです。鹿賀丈史は社長を演じています。
7 笑う警官
人気よりも実力重視のキャスティングにより、かなり乱暴な組み立ても許せるような、重厚感のある作品になっていたと思います。警察の腐敗というテーマは映画や小説でも多く取り上げられるテーマであり、話としてのオリジナリティを出すには、ある程度の強引な展開も仕方ないのかなと思います。色んな世代の刑事が、それぞれの信念や立場・経験を通して、ひとつのことに対しても色んな見方をしてくるのが非常に興味深かったです。刑事部長役で鹿賀丈史は出ています。
8 武士の献立
配役をみても、セリフの言い回しや所作をみても、或いは音楽の使い方をみても、時代劇でありながらも、極めて現代的なセンスで作られた作品だったと思います。リアリティよりもまずは分かりやすさを優先して作られた映画だと言えそうです。一方で、夫を裏から支え、夫の出世の為に身を尽くし、それを見届けると同時に自分の役目は終わった身を引く姿は、今ではほとんど絶滅しかけている日本の伝統的な妻の美学。今は亡き伝統的日本女性の在り方を、現代的な感覚で描いたところがこの作品のポイントなのだと思います。鹿賀丈史は保守派の重臣役。
9 ゼロの焦点
リメイクということもあり、あらすじはすでに周知だということを前提に作られているように受けました。主要キャラクターの配役がストレートで、役柄と俳優のもつイメージがほぼ合致しているので、初めてこの物語を観たものにとっても、あまり意外性のないのが物足りないといえば物足りないところ。時代の雰囲気を出すのにはいろいろ工夫されたのでしょう、演出面での気遣いは感じられました。煉瓦会社の社長役で鹿賀丈史は当場。
10 野獣死すべし
とにかく救いのないストーリーに脱力感しか残りません。殺すことに何のためらいもなく無感情に殺しまくる松田優作の狂気!その表情を観るだけでも背筋が凍る思いです。銀行強盗の仲間の一人として鹿賀丈史は出演。
