岸部一徳 出演映画 ベスト10
とにかく味のある俳優さんで、抜群の存在感ですね。
この人の代わりはなかなかできないでしょう。
コメディではまじめな顔でクスリとさせてくれますし、
シリアスなドラマではクールに渋くきめてくれます。
ワンシーンの出演ということもままあるのですが、
出演作数は数えきれないほど。
その中から何作かを選ぶのは大変です。
①フラガール
大大大好きな作品です。オーソドックスな流れではありますが、さびれた炭鉱の街を活気づけるために、フラガールになることを決意した女性たちとその家族たちの心温まるストーリーが琴線に触れます。友との別れ、師との別れ、シーンの一つ一つが感動的ですし、キャストの演技もまた素晴らしい！岸部氏はハワイアンセンターの部長役でいい味を出していますが、特に地元の鉛で啖呵を切るシーンは、何を言っているのか分からないところが最高に面白かったです。
②青春デンデケデケデケ
大林宣彦監督の青春映画の傑作。ありがちなどろどろした関係がいっさいなく、親子も兄弟も教師生徒も友人も男女も、とにかくすべての関係が丸く収まっているようなのんびりした社会の中で、伸び伸びと好きなことに打ち込む高校生達が清々しい。二昔前のエレキギターの音色がノスタルジーを誘い、晴舞台の学園祭でのシーンは自分の高校時代を思い出させ、ついつい感傷にひたってしまいたくなります。周囲の見守る目が温かく、ありがちな保守的な大人との確執という構図も一切出さなかったことが成功したといえるかも。学校の先生の役で岸部一徳は出演。
③キネマの天地
映画に対する大きな愛情を感じる作品です。特に渥美清演じる主人公有森也実(これがまた初々しい!)の父親の気持ちがとっても優しい!戦前当時に娘を女優にするということは、たいへんな思いのはずなのですが、それを健気に一生懸命心配し応援している姿は、可愛らしいとさえ思えてきます。そのほか監督から裏方から映画館主から皆が皆映画が好きで仕方ないという愛に満ち溢れ、さすが当時の松竹が全力を注ぎ込んだだけのことはあります。岸部さんは監督の役で登場してきます。
④ＧＳワンダーランド
ＧＳの「ワンダーランド」のサイケな世界を面白く観ることができました。レコード会社の思惑で、とにかく音楽からファッションまで奇抜なアイディアに乗せられていく若者たちの戸惑いが、可笑しくもほろ苦く伝わってきて、こんな時代も経て今の日本のミュージックシーンがあるのだなと、改めて思い知らされました。楽しい青春映画です。レコード会社の社長役で岸部一徳さんは出ています。
⑤バッテリー
のどかな田舎の町をバックに、野球大好き少年たちの素朴さがマッチして好感の持てる青春スポーツドラマなのですが、特に遊びといえば野球であった我々のような世代の男性には、どこか懐かしい感じさえしてきます。ゆったりとした時間が流れているように感じるのですが、上映時間中一度も退屈さを感じることもなく、一気に観られてしまいました。岸部一徳の役は校長先生。
⑥少年Ｈ
本格的な戦争突入前の比較的穏やかな時代から始まり、本格的な戦争模様に突入、命からがらの空襲、そして敗戦、復興と、第二次世界大戦前後の時代の空気感の変遷と、それに伴う庶民の生活の変化を描き出したという意味で、意義深い作品であったと思います。厳しさが増す世相の中で、物事を正しく見る目と、一方で自分の身を守っていく術を父親から学ぶ中で、さまざまな葛藤を抱えて生きていく様子に惹きつけられる部分が多かったです。岸部一徳氏は近所の銀行員役。
⑦その男、凶暴につき
北野武の監督デビュー作ですが、その個性を存分に発揮した静かなバイオレンスムービー。独特の間のとり方と乾いた空気感が北野特有のムードを創り出し、今後の作品群のベースとなっています。岸部一徳は実業家の役で出演。
⑧BOX 袴田事件 命とは
実際の冤罪裁判事件を扱ったテーマの重い作品。 現実に未だ続いている問題に対して世論を喚起しようという思いは強いでしょうし、実際に出来上がった作品についてもその力は十分にあるものになっていると思います。少なくとも事件のあらましを説明し、死刑囚側からの主張をできるだけ多くの人に周知させるという部分では、大きな意義のあった作品になりました。岸部一徳は教授役。
⑨大阪ハムレット
大阪の下町の一家を描いたホームドラマです。松坂慶子演じる母親と3人の息子の家庭に、突然転がり込んできた叔父さんを演じるのが岸部一徳。それぞれに問題を抱えながらも前向きに生きていこうとする家族の姿が素敵な作品。
⑩信さん・炭坑町のセレナーデ
まだまだ人の繋がりが濃密な時代の、出会いの素晴らしさと別れの寂しさを強く感じる作品です。小さい炭鉱村ということで、ちょっとしたことがすぐに噂になってしまう窮屈さの一方で、誰かが誰かを助け決してひとりぼっちになることのない温かさ、今の時代になくなってしまったものを思い出させてくれました。そして石炭掘りという一時代を支えた産業が時代の波の中で消えていくのと同時に、それを支えた人々のコミュニティが消えていく寂しさ。一つの時代の終焉というだけでなく、日本人が大事にしてきた良いものがひとつ消えていくような、しんみりとした気持ちに最後はさせられました。炭鉱村の在日少年の父親を岸部一徳が演じます。
⑪SURVIVE STYLE5+
⑫必死剣 鳥刺し
⑬いちご同盟
⑭象の背中
⑮理由
⑯暗いところで待ち合わせ
⑰転々
⑱大誘拐 Rainbow Kids
⑲吉原炎上
⑳座頭市