草なぎ剛 出演映画 ベスト10
現役のジャニーズタレントの中では、
圧倒的に映画への関わりが多いのが草なぎ君です。
今年も『中学生円山』が控えてはいますが、
今の時点でのベスト10を選んでみました。
①メッセンジャー
1999年公開の、自転車便の仕事に携わる男女の活躍を描いたホイチョイプロ制作の快活な映画です。バブル期にヒット作を連発したホイチョイらしい現代性と娯楽性のツボを押さえた観やすく気持ちの良い作品になっています。草なぎ剛は主演で、恋に仕事に精一杯な感じに好感が持て、彼の出演作では断然トップ。
②山のあなた 徳市の恋
展開そのものはカヴァー映画ということもあってオーソドックス。明確な言葉や態度で気持ちを表に出すことのない日本的な奥ゆかしさをあちこちに感じることができ、その部分では現代の日本人が忘れつつあるものを思い出させてくれるようでもありました。新緑に囲まれたのどかな山や川の自然、人生のほんのひと時だけ時間を共有することになった人々の束の間の触れ合い、そんなものに癒された94分間です。
③任侠ヘルパー
現在の社会の抱える問題を取り込みつつも、人情に訴えかけるこてこての日本的ドラマで、娯楽作としても手堅くまとめてきた印象です。テレビを観ていない者にとっては、一切笑いもとぼけることもない草なぎ剛のこの役は新鮮でしたし、映画単独としてもドラマ関係なく理解できる親切な作品でもあったと思います。部分部分の脚本については、無理があるなぁと思わされることも否定はできませんが、基本的にな流れはオーソドックスで観る者を裏切らず、まじめに作られていたのではないでしょうか。
④あなたへ
高倉健主演作に脇役として登場。物産展でいかめしを売る業者の青年を演じ、酔っぱらって健さんを困らせたりもします。そんな御大高倉健と草なぎ剛をはじめ、綾瀬はるか、三浦貴大といった新旧のコラボレーションが新鮮で、この映画の1つの売りになっているように思いました。、口に出さない秘められた思いがあちらこちらで交錯して、無口な男・高倉健映画らしい好感の持てる作品であったと思います。
⑤BALLAD 名もなき恋のうた
元ネタは『クレヨンしんちゃん』なのですが、安心して家族で観られるタイムスリップ劇として、手堅い作品です。SFファンタジーにアクション時代劇、家族ドラマにラブストーリー、友情ドラマにコメディと映画を楽しむ要素をふんだんに盛り込んで、そこにちょっとした道徳めいたことも盛り込み、まさに家族で観るには最適で安心して勧められる作品です。
⑥日本沈没
映像的には○です。見慣れた日本の街や自然が破壊されていく様子は、CGを駆使しているのでしょう、かなりリアルで迫力もあり、パニック映画としては充分な下地を作っています。しかし一方で描かれている人間ドラマはどうしても作り物っぽさを感じてしまいます。娯楽作としてはそこそこ楽しめるのですが、奇妙な描写がところどころ気になりましたし。草なぎ君はややミスキャストという印象。
⑦ステキな金縛り
三谷幸喜監督のオールスター喜劇。深津絵里演じる主人公の亡き父親役で出演しています。三谷さんにしてはキレが悪いでしょうか。どちらかというと、泣かせの要素に力が向けられていて、笑える部分があまりなかったです。私が笑ったのは、中井貴一の独り芝居の一ヵ所のみ。話の展開としても、さほど意外性のあるものでもなく平凡。期待した会話のやりとりの妙での冴えもなく、過去の監督作と比べても、やや期待外れの印象でした。
⑧私は貝になりたい
主演は同じSMAPの中居正広。草なぎ剛は囚人の一人として友情出演していますが、印象に残る役どころです。この映画から感じることはいくらでもある筈ですし、二度とこういうことが起きる社会になってほしくないというのは、おそらく万人の願いだと思います。その点では、作品の良し悪しはともかく、やはり観ないよりは観ておいた方が良い映画とはいえるでしょう。(オリジナル版ならなお良しですが)
⑨黄泉がえり
3週間限定で死んだ人がよみがえり再会できるというファンタジー映画で、一時期この手の作品が増えるきっかけになった話題作。草なぎ君は主演。個人的には、軸となる部分の描写が浅く、やや不親切さを感じる作品ではありましたが、代表作の1つとはいえるでしょう。
⑩僕と妻の1778の物語
結末が見えている類の作品だけに、当然悲劇的な結末は出来る限り先延ばしにして欲しいという思いは多くの観客が持たれるであろうものの、これではだらだらとしすぎで、作品としてのしまりがなくなってしまいます。架空の話ではないので、大げさなエピソードを創作することもできなかったのでしょう、結果として平凡な作品の範囲にとどまり残念でした。