ミュージカル映画 ベスト10
一時期絶滅しかけていたミュージカル映画ですが、
2000年代になって復活傾向にあります。
もともとミュージカル映画には抵抗感もあったのですが、
やはりいい作品には惹きつけられるもので、
抵抗感もすっかりなくなってしまいました。
そんな色んなミュージカルの中から、私の好きな10作を選びました。
近年の作品が多くなってしまいましたけど。
①シカゴ
アカデミー賞を受賞しただけに、大スクリーンで観るミュージカル映画の素晴らしさを実感させてくれる映画でした。中でもキャサリン・ゼタ=ジョーンズの圧倒的迫力は圧巻! それぞれのシーンがそれぞれに異なったムードで演出されていてまったく飽きることもなかったです。
②ドリーム・ガールズ
観終わってお腹いっぱいの満足感を味わえる、そんなミュージカル映画です。舞台となっているのは皆が憧れる華やかな音楽界。栄光と挫折、出会いと別れ、友情と仲間割れ、嫉妬に裏切り…様々な思惑や野望がうごめくショービジネス界のドラマを、迫力ある音楽に乗せて映し出すことで、2時間あまりの間、夢の中に引き込んでくれます。特にジェニファー・ハドソン、エディ・マーフィが素晴らしかったです。
③プラハ!
チェコのミュージカル映画。卒業が決まったばかりの女の子3人組を中心として恋の騒動、しかし時はプラハの春。はかないわずかな時間を謳歌する若者たちのひと夏の恋愛劇がなんともいえない気持ちにさせられます。ただし、映画そのものはとびっきりポップでキュート。特にミュージカルシーンの衣装・セット・ダンスは見ているだけでウキウキしてくるようなものなのですが、そこに重ねる音楽がまたポップ。映画全体の衣装・小道具・セットも、意識してカラフルな色使いがされ、束の間の「春」をそんな面からも表現しています。
④8人の女たち
ミュージカルというには異色の作品ですが、密室での殺人事件を描いたフランソワ・オゾン監督作。女達の陰湿な秘めた思いがぶつかり合って、次は何が出てくるのか目が離せない展開。しかもミステリーの形をとっているために、犯人探しの興味も最後までつきません。時折訪れるミュージカルのシーンはコミカルで愉快ですし、キャラクターもそれぞれがいい味を出していました。
⑤ハイスクール・ミュージカル／ザ・ムービー
ストーリー自体は弱いのですが、歌と踊りが本格的。それだけでも十分に楽しませてくれますが、メインのキャラクターが立っているのも強み。それぞれ役にぴったりの個性的なキャストが当てられていて、どのキャストも魅力的。カラフルでポップな衣装や美術も楽しいですし、アメリカの高校ってこんなに楽しい行事がいっぱいなのかと、うらやましくなってしまいます。
⑥ヘアスプレー
のっけから挽きつけられ、あとはこれでもかこれでもかという、歌と踊りと懐かしさを感じる素敵な衣装。好評なのも納得の素敵なエンタテイメントに仕上がっていました。まずは主演のおデブの女の子、ニッキー・ブロンスキーを見つけたことがポイントでしょう。とにかく彼女の笑顔が最高にチャーミングで素敵なのです。歌えて、踊れて、底抜けに明るくて、笑顔が輝かしい彼女をヒロインに据えたことで、半分以上この映画の成功は決まったといえるかもしれません。
⑦グリース
ジョン・トラヴォルタとオリヴィア・ニュートン・ジョンによる学園ミュージカル。音楽と時代を感じさせる雰囲気が抜群。カラフルなファッションや車、大人も先生がわずかに出るだけで、青春映画にありがちな親がまったく出てこないという、楽しさいっぱいの映画です。
⑧スタア誕生
美しき夫婦愛を華やかな栄光とその対極にある挫折の対比によって描き出す、ミュージカル性の強いドラマです。夢見る娘が映画スターに見出されて看板女優にまで上り詰めて行く前半、そのスターと結婚するが上り詰めた妻とは逆に落ちぶれていく後半、まったく逆のカーブを描く夫と妻を見事な対比で描いています。
⑨スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
このダークでブラックな世界は、まさに ティム・バートンの面目躍如というところでしょうか。復讐を目論んだジョニー・デップ演じる主人公スウィーニー・トッドが、いつの間にか無関係の人たちにも手をかけ始め、どんどんエスカレートしていく様子は、ホラー映画的でもあり、観ていてゾクゾクします。
⑩雨に唄えば
ミュージカル全盛期の華やかなハリウッドの雰囲気が全面から伝わってくる映画です。舞台はサイレントからトーキーへと以降していく時期のハリウッド。悪声女優の正体が明らかになる騒動をコミカルに描いた痛快な物語で、歌も踊りも美術もストーリーも、あらゆる面で楽しめます。
