モーニング娘。’22 6/8 sg「Chu Chu Chu 僕らの未来」セルフライナーノーツ
やはりなんだかんだ言ってモーニング娘。の作品を作るのって腕がなる。
ピッチングの前にブンブン肩を回してる感じっていうのかな。
ただ、作品作りって気合い入れすぎると、聴いてる側にも歌う本人たちにも気づかれてしまうというか、「肩に力入ってるなぁ〜」ってなってしまう。
なので、やっぱプロとして、いかに冷静を保つかってのが大事。
今回のシングルにも僕の作品が2つあるわけですが、まず「Chu Chu Chu 僕らの未来」の方が先に仕上がりました。
何か奇を衒うつもりもないけど、どうしても刺激が欲しくっていわゆるBメロと呼ばれる部分で、拍子を変えました。
歌う側にも聴く側にも緊張感を保ち続けてほしいなぁって思って。
で、そのあとのサビですが、単に盛り上がるメロ、リズムにしたいところなんですが、どうしてもそれが自分の中で許されず。
何千人もぞろぞろとモーニング娘。とその仲間たちで大行進してるようなイメージが頭に浮かんでしまい、そういうメロディにしました。
今から100年前の日本のことを知ってる人は、この日本にはほんの少しの人しかいません。
今、50歳をすぎた僕でさえ、そのさらに50年前の想像が出来ないんです。
今から100年後を生きる人たちに2022年ってどんなだったと思う?
って言われても、きっと想像つかないんだと思います。
話が変わりますが、数年前に「今日から俺は!!」というドラマが流行ったり、この4月からもヤンキーがテーマのテレビドラマが始まりましたね。
僕が小学生の頃、いわゆるつっぱりが大ブームで、カッコ良いとかオシャレとかはわからなかったけど、みんなそんな格好してたし、小学生の頃の僕も「大きくなったらカッコ良くなりたい」って思ってたのは事実です。
今はあの頃のヤンキーファッションをネタのように扱って、それを見てる人たちも「あったあった」なんて笑って見てると思いますが、当時の当人たちはマジで真剣にアレをやってたわけです。
誰もがそのファッションが過ぎ去っていくなんて想像もしてなかったでしょう。
しかし、やがてしばらくすると「チェッカーズ」という過去に例のないスゴイのが突如出現して、日本のファッションをガラリと変えました。
あの小学生の頃の憧れてたつっぱりファッション(ヤンキールック)がどこ行く風となり、誰も彼もがチェックの服を着る時代がやってきたのです。
驚きました。憧れましたね。
なので、今回、この歌詞で言いたかったこともまさにそれ。
今、オシャレって言われてるモノが1年後にはどうなってるかわからないし。
今年流行ってるそれがその人にとって似合ってるかどうかもわからない。
なので、逆を言わば、それが似合ってようがいまいが、流行ってようが流行ってまいが、着たけりゃ着るという選択肢もあるわけです。
誰かが指差して「なんであんな格好してるの?」っていう人もいるでしょう。
「なんで今どきアイドルやってるの?」「まだ000なんだ〜」てな具合に人はとやかくいうものです。
アメリカに住んでいると見えてくる部分として、特に日本は多勢に無勢。多い方が正論ってことが多い。
少数派は肩身の狭い思いをするとは思います。
しかし、自分を信じて、信念を貫き通す思いで、日々を生きていきたい。
僕自身もそう思いながらこの曲を作りました。
特に今年から18歳で成人になるわけで、これも誰かが決めたボーダー。
18歳で心の中まで成人している人もいれば、30歳になっても子どものままの人もいるでしょう。
でも、この曲で伝えたいのは
「It’s up to you」「It’s up to me」
「全ては自分次第」ということです。
その価値観を決めるのは己であるということをモーニング娘。のみんなにぜひ歌ってほしい、そんな思いの詰まった曲です。
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発売日:2022/06/08
レーベル:zetima
備考【初回生産限定盤SP】モーニング娘。'22「I WISH」を収録。