モーニング娘。'26 2026年9月30日発売c/w「光の彼方に」セルフライナーノーツ
「光の彼方に」
さて、ありがたいことに24時間テレビで「つんく♂と妻、加奈子」を
題材にこの半生をドラマ化してくれるというような話がきました。
それがちょうどこの曲の歌詞を仕上げようとしている頃でした。
曲の構成やアレンジはある程度かたまり、
歌詞を書いては「違うか〜」書いては「もうちょっと変更」
なんてやってる時期に「ドラマを作りたい」と依頼がきたわけです。
ドラマのエピソードにも答えましたが、
最初は「作品」作りしてる僕の「作品」が歪む気がしてお断りするつもりでした。
今後の作品に「事情」がさらに乗っかるとなんだかややこしいような気がして。
聴く方もストレートに聴けないとかあるのかな〜ってね。
でも、なんだかんだあって妻も「ドラマ化お願いしましょ」ってなって、
で、「つんく♂さんは最近の作品はどんなのがあるんですか?」
ってインタビューの会話に出たので、
「今、ちょうど「元気でいてくれ」「幸せになってくれ」
とモーニング娘。や我が子らへの愛の手紙を書き終えたところです。」
って、この作品の歌詞を見てもらいました。
そんなエピソードを頭の片隅においててください。
で、実際の曲作りの方に戻ります。当時、マネージメントの方から、
「来年(2026年)、モーニング娘。に新人が加わる予定」というような話まで聞いてたけど、
何名か、どんな子か、その辺わからないまま、メロディーを書いてました。
卒業と加入で大きくなってきたモーニング娘。ですが、
やっぱ卒業してくと寂しいのは事実。
しかも、卒業するころって、
「もうちょっとで何かを掴みそうな直前」な時も多くて、
歯がゆい気持ちの時もあります。
でも、愛おしいモーニング娘。たちにまた新しい光を注ぎ込みたい。
いや、彼女たちから新しい光を放ってほしい。
そんな思いがありながら、
これまでたくさん作品を作ってきたけども、心改めて、これまでの卒業してった
モーニング娘。たち、そして現モーニング娘。に、未来のモーニング娘。たちに、
心よりのリスペクトと共に感謝と愛情を伝えたいと思い、
この曲を書き進めました。
思えば、何をどう思って自分にどんな自信があったか知らないけど、
「バンドで成功する!日本一になる!」って思ってた20歳ごろ。
あれから40年近く、音楽に携わって生きてるってことに
ふとした感謝、感激が心に湧いた瞬間が昨年秋ごろありました。
モーニング娘。の曲を書く時って、精神的には、柔道家なら道着を着て、
神聖なる道場で、帯をギュっとしめて畳の上に立って「礼」をするところから始めるような、
そんな気持ちで曲作りに向きあうところから始まります。(あ、他の楽曲の時、サボってるとかそんな意味じゃないですからね〜)
卒業してくメンバーなら尚更、すでに卒業したメンバーも、
モーニング娘。への愛情ってのがあるだろうし、
現役メンバーやこれから先のモーニング娘。には、
いつもエールを送ってるとそう思います。
そんな彼女たちの気持ちの代弁でもあり、いや、それは僕のエゴなのであれば、
僕からの全てのモーニング娘。たちへの心からのお手紙。
そう思ってこの曲を聴いてほしい。
先輩後輩関係もあるし、姉妹以上に仲良い時期もあれば、
喧嘩する時期もあるだろうし、空気みたいになってて何にも触れない時期もあるでしょう。
まあ、また会える。いつでも会える。いやでも会わなきゃいけない。
だから会う。
そんな関係なんじゃないかな。モーニング娘。って。
まるで家族。
僕からすると、中で少々イザ、コザしてても、全部が愛おしい。
勝手に愛してて申し訳ないけど、我が子に対してもそんな感覚です。
「パパなんて大っ嫌い!」ってバタンって扉閉められようが、
やっぱ愛おしいもんね。
先輩やOGから見た後輩たちも当時のイザ、コザも数年経てば
やっぱ愛おしい記憶になるんじゃないか、って僕は思ってます。
当人の悩みって深みにハマると「はぁ。なんで生まれてきちゃったんだろ」
「なんで、私だけこんな辛いの?」「ああ我慢」「ああ孤独」「なんかムカつく」・・
「なんで!?なんで!?なんで!?」と頭の中が哲学者のようになる。
いろんな思いを紐解けば紐解くほど、どんどんわからなくなる。
モーニング娘。に加入した年齢が若ければ若いほどそうだけど、
先輩に会うのもステージにたつのも写真を撮るのも新鮮で、
常にきゃっきゃきゃっきゃ心がはしゃいでたはず。
まるで3歳4歳の子供が誕生ケーキのキャンドルを前に目をらんらんと
させてるようなあんな感じ。
「モーニング娘。らしくいなきゃ」この暗示(or呪文)のような言葉に
いつしか心に鍵がかかって苦しくなるんじゃないかな。
僕はメンバーたちは何歳になっても、
最初の頃のようなあんな「らんらん」な感じのまっすぐな気持ちで、
世間にぶつかってって良いじゃないかなって、そう思っています。
そう「おまえが未来」
これが僕の全てです。
この先の日本もモーニング娘。も全ての未来は、あなたたちの手の中にある。
いろんな経験も心のざわめきも承認欲求も
自己肯定も否定も、全部は「あなた(たち)の未来」に繋がっている。
そして、それらは僕らにとっては「希望」なのです。
ただ、難しいことは何も要らない。
僕らが願うのは「元気で居てくれ」、ただそれだけです。
心であれ、体であれ、「元気」で居てくれたら
いつかの「幸せ」につながる。
いや、「元気」であれば、それこそが「幸せ」である。
他に何が要る!?ってね。
こうやって、悟ったかのように彼女たちのことや世間のこと、
我が子のことを語るのは簡単だけど、
「本当は何にもわかっちゃいないんじゃないか」って反省することも多いです。
だって、僕が高校生、大学生の時、親にも世間の大人たちにも
期待も希望も抱かなかったもんね。
「うるさいわ。わかったようなこというな!」って。
小うるさいオヤジだってわかってても、
「嫌われてもいいわ!」くらいの気持ちで、あれこれ伝えてしまう。
だけどね、こんな不器用な愛もあると笑って許してください。
だってね、どんな偉い人も、すっごい力持ちも、長く生きて100年。
だから、それでいいんだよ。今、思うことをやった方がいい、
だって、たったこれっぽちの人生やん!?ってね。
結局、この曲で言いたいことをまとめます。
諦めるな。
誠実に謙虚で行け。
素直で真剣に生きろ。
元気でいろ。
あれ?令和の「関白宣言」みたいになってきた。
そんな曲だったっけ?(笑)
でも良い、俺は伝える。
このメッセージ(お手紙)がどうぞいい意味で伝わりますように!
皆の「幸せ」を願います。
と、この曲が出来上がってく中、24時間テレビのドラマの台本や
キャストが固まっていきました。
脚本家の岡田恵和さん率いる日テレのプロデューサーさんとも、
その間、当時の解釈はこれであってますか?
セリフの言い回しや時系列に間違いはないですか?など細かいやりとりもあって、
脚本が仕上がり、撮影が始まりました。
楽曲のレコーディング、トラックダウンも同じころ、仕上がりました。
ドラマ化の話をいただいた最初のミーティングの時に見せたこの歌詞カードも、
このドラマと繋がってること、見逃さないように、
皆様、どうぞドラマも楽しんでくださいませ!


