雨の音で目が覚めた!

寝ぼけ眼で外へ出て煙草を吹かす!

遠くかすかに電車のレールを叩く音がした!

遠い記憶が甦る!


幼い頃、住んでいた町!

雨の日になるときまって電車のレールを叩く音が近くに聞こえたあの町!


踏切を渡り線路沿いの夕焼けの小径!

買い物かごを下げたお袋と小さな影が揺れる!


夕焼けの向こうまでトンボを追いかけた!


暖かな灯りがあちこちに灯り子供を呼ぶ声がする!


俺はここにいるよ!

いつもの鉄棒の下!

一番星が俺に囁く!

そろそろお家にかえりなさい!


ひとつ、ふたつと星を数えて家に帰る!


いつからだろう灯りのない家にたどり着く!



ただいま…
30フィートのもみの木に


クリスマスイルミネーションが瞬く頃


恋人達の影が重なり合い


温かな光の中へと消えてゆく


夜空の星達がため息をこぼすほどに


色とりどりの灯りで街は彩られ


おとぎ話の絵本のように輝く


行き交う人は足早に家路を急ぎ


息も出来ないほど押し合う電車の中で


大切そうに荷物を抱えた人が


窓の外の溢れる光の海に微笑みを寄せる


駅の階段でハシャぐ子供が


大きな大きな手に繋がれて


枕元に昨日下げた靴下に


サンタクロースが来るといいね‥


吉祥寺の駅前の


古い鄙びた映画館


リバイバルで流れていた


小さな恋のメロディー


静まり返った街をひとり歩き


寒さで凍えた手のひらに


息を吹きかける


ふと見上げた空から


白い天使達が舞い降りる


きっと神様からの贈り物


天使の宝石箱のようなこの夜に



メリークリスマス‥


みんな幸せになれるといいね‥