どうも年のせいだと思うけど、最近は昔の事が気になって落ち着かない時が有る。1969年の夏休みは千葉・御宿で過ごした、当時大学の同級生の親が御宿で「メキシコホテル」という素敵なホテルを経営してたんだけど、その父親が以前使っていた伊勢海の老の養殖場が空いていて、その施設を利用して当時東京ではやっていた絨毯バーをワンシーズン開いた、すでにサーフィンを始めており、ボードもウエットも持っていた私はこの話に飛びつき結局準備から閉店までに数ヶ月を御宿で過ごした経験が有る。たしかホテルの近くにある港の横が現地で大きな洞窟になっており部分的に海水が入っていると言う幻想的なロケーションで今やってもイケそうだと思う。さて、最近この時の事が気になって「御宿メキシコホテル」を調べているけど既に廃業されて時間がたっているのか写真がまったく見つからない、代わり?と言っちゃなんだけどその経営者、つまり同級生の父上が書いた小説がヒットしたので早速購入してみた。御宿が今でもメキシコと繋がりが有るのは徳川時代の初期に御宿沖で遭難したメキシコ壱船を地元の漁師達が救助して暖かくもてなしたことがキッカケになっているそうで、この本はその遭難した船に乗り合わせたスペイン貴族の伝記として書かれている。とても素人の文章とは思えず昨日いっきに読んでしまった、この著者は御宿生まれながら千葉県初のスキーヤーとして有名な方でSAJ(日本スキー連盟)理事・監事を務めた方、豊かな経験からくる文章なのだろう。これを読んでまさに1969年の夏を思い出してしまった。

November 20, 2007


2024 武藤恒志