いよいよレース当日。結局ベットで横になるも、寝られたのは正味1時間くらいでしょうか。機内と合わせて2晩で3時間も寝ていない事になります。慣れない海外旅行に加え、興奮していたのでしょうか。

朝食を済ませて5時30分にはホテルの前に集合しました。ここでロビンさん、フランク翔太さんのお知り合いであるHAYATOさんにお声を掛けました。いろいろ貴重なアドバイスをお聞きする事が出来ました。また、スタート地点へ向かうバスで隣に座られていた方はよくよくお話をすると、なんと同じ市の隣町の方でとってもご近所さんのYさんでした!もうすでに6回目の参加との事。とてもローカルな話で盛り上がりました。世間は狭いものです。
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スタート地点はパルテノン神殿の麓になります。これだけでも気分は最高潮!いよいよって感じになってきましたね。
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最初で最後の参加となるので、厚かましくも先頭に並ばせて頂きました。沢山の方々からカメラを向けられ、なんか有名人にでもなった気分で気持ち良かったです。
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さて、そうこうしている間にスタートです。まずは石畳につまずかない様に慎重に走りだします。ふと、ガーミンのオートラップを普段の1kmのままにしていた事に気づき、慌てて操作しながら走りました。するとなぜか先頭の方が折り返してきます。どうやらコースアウトしたようで、私も慌てて正規のルートへ引き返しました。コースが変更になったのでしょうか?

そして踏切につかまります(苦笑)
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街中ではクラクションを鳴らしてエールを送って下さいます。有難い事です。さて肝心のペースですが最初の10kmは5分27秒/kmで想定よりも少し早いですが、感覚的にはこれでもゆっくりだったのでこのペースを維持します。

10-20kmのラップも5分30秒/kmでいい感じです。多少のアップダウンがありますが、朝のうちは涼しく、全然問題ありませんでした。
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30kmから少し疲れがでてきたでしょうか。キロ6分くらいに落ちてきましたが、まだ問題はなさそうです。ただ、補給はしっかり行おうと思っていましたが、序盤のエイドには水と薄めたコーラ、ポテトチップ、ビスケット等しか置いていない所が多かったですね。もう少し多めに預けておくべきでした。

エーゲ海沿いにくる頃には気温も上昇し30℃は越えていたと思います。それでも昨年よりは・・・・・と言い聞かせ頑張りました。でもこの辺りから徐々に疲労が感じられるようになりました。
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有名な沈没船。過去のレポでも良く見かけます。私も撮っておきました(笑)
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この後、脚に違和感を感じ始めます。なんか今にも攣りそうな感じ。やばいと思い、持っていた塩を舐めます。私は塩を舐めてさえいればよいと思っていたのですが、後から話を聞くとナトリウムだけではだめだそうで、カリウムも必要との事。塩熱サプリなんかがいいようです。
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コースはこのペインティングを目印に進めばOKです。道に迷う事はほとんどないと思いますが、夜中意識がもうろうとしていると見失う可能性はあるかもしれません(私は体験できませんでした)。
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42kmは4時間数分で通過できましたが、状況は悪くなる一方。脚は何度も攣りながらだましだまし進みました。しかし、ついに両脚が攣ってしまい、もんどりうって倒れてしまいました。伸ばしたくても手が届かず暫く苦しがっていると外人さんが「Potato!」といってポテトチップを袋ごと下さいました。これで塩分を取れ!との事でしょう。有難い事です。しばらくストレッチをしてまた走りだしますが、両脚の太腿・脹脛共にピクピク痙攣しており、いつ攣ってもおかしくない状況です。

この辺りで前夜の晩、一緒に食事をした福岡から単身赴任中で今回奥さんを連れて参戦しているSさんとお会いしました。Sさんは私の事を心配して下さいましたが、まだまだ元気そうでしたので先に行って頂きました。

この後も数回、攣って倒れてストレッチを繰り返していましたが、もう駄目だと思いCP17でリタイアをしようと暫く座り込んでいました。しかし、言い出す勇気もなく、とぼとぼと歩きだします。
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残り約19kmで制限時間まで2時間50分。普通に考えれば全然問題ないですが既に歩くのがやっとの自分にはとても遠い距離に感じました。するとこの先の道端で冷たーく冷えた水を配っている女の子がいました。エイドではずっと常温の飲み物ばかりでしたので、美味しかった~。ありがとう!
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そしてこの時後ろから「まだ間に合うよ~。諦めちゃダメ!」と同じ日本人の男性から声を掛けて頂きました。「次のCPまで頑張れば関門が緩くなるから。」そう言われ、一緒に追いて行きました。この水のお陰か、はたまたこのお方のお陰か、暫く攣る事なく走る事が出来ました。「もしかしてこの調子なら行けるかも・・・・・」とにかく攣りさえしなければまだまだ走れる。コリントスまで行けば気温も下がり楽になるはず・・・・・。かすかな希望が生まれてきました。

次のCPでなんとか時間内に辿り着きました。そこには先ほどのSさんが!どうやら胃がやられて食べ物をまったく受け付けないとの事でした。励ましの言葉を掛けながら先に進みました。私自身は先ほどまでの自分が嘘のように走れていたので「よし行ける!」と思った次の瞬間、ついに両脚の太腿・脹脛が一気に攣り、そのまま後ろ向きに倒れてしまいました。もうどうにもする事ができずにストレッチを試みますが、次々に攣ってしまい、しまいには脇腹まで攣りだしてしまいました。それはまさに地獄でした。Sさんも追いついてストレッチを手伝ってくれましたがどうにもならない状況。スタッフが来て下さり、水を頂くと何とか落ち着きました。「どうする?」みたいな事を聞かれたので「OK!」といって立ち上がり歩きだしましたが数歩進んでまた痙攣して倒れ、先ほどの悶絶の繰り返し。もう駄目だと判断し、ここでリタイアを告げました。距離72.66km、時間は8時間29分、私のスパルタスロンへの挑戦はここで終わりました。

Sさんもここでリタイアするとの事。2人で車に乗り込み、その後リタイア者数名をピックアップしてコリントスへ向かいました。コリントスでは制限時間ぎりぎりまでランナーが駆け込んできました。しかしここを9時間で通過しないとこの後も時間に追われて厳しいようです。余力があれば別のようですが・・・・・。

この後大きなバスに乗り換えてホテルに向かったのですが、ここからが大変でした。それはまた次に書きたいと思います。

今回の参加にあたり、沢山の方から声援を頂きましたがこの様な不甲斐ない結果となってしまいました。いい訳を挙げればきりがありませんが、「全てにおいて私が弱かった」ただそれだけです。レース後は何とも言えない悔しい気持ちでいっぱいでしたが、帰国した今はだいぶその気持ちも薄らいできました。帰国直前には久しぶりに風邪もひいてしまい、1週間たった今もなお走れていませんが、気持ちを整理し再始動したいと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。