日本政府は29日米国・EUの追加制裁に歩調を合わせ、ロシア政府当局者ら23人へのビザ発給を停止することを決めた。
これに対しロシア外務省報道官は「日本政府の決定に失望した。今回の事態をうやむやのまま終わらせることはない。明らかに外部(米・EU)からの圧力によって取られた決定で、ロシアとの関係を重視する日本政府の考えに反している。制裁という言葉で我々とロシアとコミュニケーションをとることは極めて非生産である」と強調した。
しかしこれら米・欧・日らG7の対ロシア追加制裁に対し、4月29日プーチン大統領は訪問先のミンスクで記者団に対し「私は報復の必要性はないと考えている」と述べた。
[G7による追加制裁に報復しないと表明したプーチン大統領 byロイター]
尚、 プーチン大統領は、ウクライナ東部の親ロシア派とウクライナ暫定政権側との衝突について「ウクライナ東部地域にはロシアの教官も特殊部隊も軍人もいない」と、ロシア政府の関与を否定し「ウクライナ現政権が、親ロシア派住民と真剣に対話をする必要がある」と力説した。
日頃強気なプーチン大統領がここに来て一転して「報復しない」と弱腰に転じたのは、G7による制裁が徐々に遅効性の毒のようにロシア経済を蝕み始めていることを示唆している。ロシアの最大の産業であるEU諸国へのガス輸出も、今回のクリミアへのロシアの軍事関与により、欧州各国は米国からのシェールガス供給など、ロシア産ガスへの依存度を下げる仕組みの構築に動いている。これが実施されれば、他にめぼしい産業のないロシア経済は地盤沈下することは避けられず、プーチン大統領もこれ以上虚勢を張ることは得策でないと考え始めたと思われる。
しかし問題はいつどのような形で、プーチンがウクライナ・クリミア及び東部への野心を放棄するかにかかっている。これがない限りロシアへのG7の制裁は中途半端な状態で止まることは決してないだろう。
[ロシアへの追加制裁を報じる動画]
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