セントルシアのお土産探し | つなさん夫婦ニカラグア・セントルシア

つなさん夫婦ニカラグア・セントルシア

全盲の鍼灸マッサージ師の夫とそれを支える妻のブログ。

盲学校を退職後、シニアボランティアとしてニカラグアとセントルシアの医療活動を支援しています。
現地での異文化体験を、夫婦で発信していきます!

89. セントルシアのお土産探し

 

住んでいるサニエーカーズのスーパーマーケット、Massy の軒下で白いクロスを

かけた細長テーブルにたくさんの甘いお菓子を並べて売っている70歳代の女性を

見かけるようになりました。

 

ココナッツの実を砂糖で煮詰めたシュガーココナッツ、グアバを砂糖で羊羹の

ようになるまで練ったグアバチーズ、酸っぱいタマリンドを砂糖で煮て、コロ

コロと丸め、グラニュー糖をまぶしたタマリンボール、マンゴーのコーンポート、

グズベリージャムやブルーベリージャムなどが並び、日本の駄菓子屋さんのようです。

 

毎朝そこを通ってバス停に向かい、帰りはMassyで買い物した後、そこを通るので、

自然とそのおばあさんと挨拶を交わすようになりました。

名前はスザーナさん。今までずっとロドニーベイのMassyの隅っこでお菓子売りして

いたけれど、1か月前から商いの場所をサニエーカーズに移したのだそうです。

 

「私の作ったシュガーココナッツは美味しいよ。一つ食べてみてよ。」

と愛嬌のある顔でスザーナさんは私たちを呼び止めました。

 

子供の掌ぐらいの大きさで、丸いおせんべいのような形のシュガーココナッツは1枚80円位。

職場のロージーさんお手製のシュガーココナッツを私はよくもらって食べていたので、

スザーナさんのものを買いたいとは特に思いませんでした。

 

ノーサンキュと答えたら、

「あなたの友達のシュガーココナッツと私の作ったものをまず食べ比べてみて。」

「お金はいらないよ。」

スザーナさんはそう言って小さな袋に入ったシュガーココナッツを三つもくれました。

 

キャラメル色のシュガーココナッツはシナモンの香りとシャリシャリした

歯ごたえのあるココナッツがマッチして、美味しい。

ロージーさんのシュガーココナッツは素朴な家庭の味で、スザーナさんのものは

洗練されたお菓子職人の味でした。

 

次に会ったとき「美味しかった」と伝えると、スザーナさんはタマリンやグアバ

チーズも私たちにくれました。

 

「毎日たくさんのココナッツを使い、砂糖で何度も何度も腕が痛くなるまで

かき回さないと美味しくならないから腕の力がいるんだよ」

「私は若い時からずっとお菓子を作ってきたから、腕には自信があるよ。」

「食べてくれた人が美味しいと言ってくれるのが何よりもうれしいね。」

そう言って、前歯が1本欠けている口を見せて笑っていました。

 

セントルシアのお土産を探していた私はスザーナさんのシュガーココナッツに

しようと決め、50個注文しました。

 

砂糖菓子のシュガーココナッツは1年以上日持ちするけど、2か月ぐらいから味や

香りが落ちていくからとスザーナさんは私たちが帰国する2日前に作りたてを

用意してくれました。

 

「私のシュガーココナッツが日本の人たちに味わってもらえるなんて、

私の自慢になるね。ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」

と豪快に笑ったスザーナさん。

 

50個のシュガーココナッツは何とも言えないよい香りがして、スーツケースの

中はお菓子の家のよう。

スザーナさんのシュガーココナッツに出会い、ラッキーだと思いました。