ジャズフェスティバルの日の指圧啓発活動 | つなさん夫婦ニカラグア・セントルシア

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全盲の鍼灸マッサージ師の夫とそれを支える妻のブログ。

盲学校を退職後、シニアボランティアとしてニカラグアとセントルシアの医療活動を支援しています。
現地での異文化体験を、夫婦で発信していきます!

74. ジャズフェスティバルの日の指圧啓発活動

 

Jazz & Arts Festival 2024が4月30日から始まりました。

5月12日まで開催されるこの恒例イベントはカーニバルと

ともにセントルシア人のお国自慢です。

 

ジャズ&アートフェスティバルの看板があちこちに立てられ、

チケット発売中という広告も商店街などでよく見かけます。

 

セレニティパークの入口に建てられた看板

 

初日はセントルシアのスーパースターやトリニダードとジャマイカからの

ミュージシャンがオープニングナイトを飾りました。

それを皮切りにジャズ、ロック、ゴスペル、レゲエ、ソカ(Soca)など次々と

ジャンル別に開催され、セントルシアは音楽と芸術のハーモニーに包まれ、賑やかです。

 

イベント会場はピジョンアイランド、カストリーズ中心街のウォルコット広場、

そして私たちの昼休みの憩いの場であるセレニティパーク等です。

 

アートではビルや通りの壁に新しく色鮮やかなセントルシアの風景画が

大きく描かれ、よりカラフルな町になりました。

 

建物の壁はキャンパスになりカラフルな壁画がみられる

 

ジャズフェスティバルの後半にあたる5月9日の朝、私たち二人だけで、100枚の

指圧クリニックのビラを手に、カストリーズ中心街へと繰り出しました。

 

目まいが起きそうなくらいの強烈な日差しのなか、汗を拭きながら道行く人々に

ビラを手渡し、

「視覚障害者協会の指圧クリニックをよろしくお願いします」

と声を掛けます。

 

ウォーターフロント近くでは私たちをよく見かけるという人から声援をもらったり、

日本語で「ワカリマシタ」と笑顔でビラを受け取ってくれた若者がいたり、

「へぇ、視覚障害者協会にマッサージクリニックもあるの?」と興味を示した中年の

女性がいたりとビラ配りは思いがけない出会いがあります。

 

初めて訪れた国立図書館では受付の女性がビラを掲示板に貼ってくれ、関心の

ある人にはビラを渡せるようにと20枚ほど受け取って協力してくれました。

 

セントルシア唯一の図書館

 

図書館を出ると道路の真向いのウォルコット広場からドラムの音が鳴り響いています。

芝生の広場に巨大なステージができていて、10人ほどの若者がドラムを演奏し、

観客は体を揺り動かしリズムを取っています。

夜にはゴスペルが予定されていました。

視覚障害者協会でローズマリーさんがゴスペルを聞きに行くと言っていたことを

思い出しました。

 

      

   ウォルコット広場に設置されたステージでジャズを演奏するアマチュアバンド

 

ウォルコット広場からコンスティチューションパークにさしかかった時、一人の

女性が声をかけてきました。

「脳性麻痺協会のクリスマス会で私の子供にマッサージしてくださった方ですね。あの時は本当にありがとうございました。」

と偶然出会いたことに感激していました。

 

昨年の12月に脳性麻痺の子供を持つ両親が運営する協会がクリケットスタジアムの近くの

体育館でクリスマス会を開いた際、指圧デモンストレーションをさせてもらいました。

30人以上の人が指圧を受けてくれ、5人の脳性麻痺のお子さんにも指圧をしました。

突然の出会いに私たちもびっくりでしたが、今でも覚えてくれて、心からの感謝の

言葉をもらい、感無量でした。

 

持って来たビラもなくなり、協会へ戻る途中にセレニティパークにも寄ってみました。

ここでは学校別の高校生によるジャズバンドが開かれ、丁度オープニングセレモニーが

始まったばかりでした。

 

高校生のジャズバンドメンバー

 

カストリーズ市長の挨拶、スポンサーである『セントルシア銀行』の代表者の挨拶、

教育省や若者の芸術とスポーツ省の政府関係者が代わる代わるスピーチしていました。

ティーンエージャーがプロ並みのジャズ演奏を見せてくれます。

観客も様々な制服の生徒たちが学校ごとに集まり、演奏を聞いて楽しんでいます。

幼稚園児も先生に引率され、ステージの前に集まってジャズを聞いています。

幼いころからこうやってジャズに親しむ機会があるなんて、何だかセントルシアは

文化が高く素敵だと思いました。

 

公園の裏ではジャズコンサートで優勝したグループに記念品を渡す役の

ドレスアップした少女二人と先生に出会いました。

一緒に写真をお願いしたら快諾してくれました。

 

 

炎天下、2時間以上もカストリーズ中心街を歩き回ってビラ配布活動をするのは

大変でしたが、思いがけない出会いがあり、ジャズコンサートも垣間見ることが

できて充実した時間でした。