国費のワーホリ




妹は今、JICA派遣でアフリカに居ます。

青年協力隊です。


私は子供の時、青年協力隊に憧れていました。

けれどその理由は「家から逃げたい」だったのです。

だから漠然と「行きたいな」って。


それを妹が、私に変わって叶えています。

私は神経質。

だからそれなりに清潔環境が整っていないとしんどいんです。

お腹も弱く、下しやすい。

ものの多い家は、とにかく捨てたくなります。


実家に帰ると必ずすることは、家の中の断捨離。


還暦前の母と、喜寿を迎えた祖母の暮らす家。

ものを溜め込みます。

「これ、要らないよね?」という物もたくさん。


いつの日かJICA派遣は夢みなくなりました。

家を出たから。

虐待から自分を逃がしたから。




妹、マラウイで薬剤支援をしています。

薬剤師です。

お給料はなくて、国から生活ができる最低限のお金を頂いているそうです。


お給料がないってどんなだろう……。



けれどその分、自由にしています。

彼女は柔道初段保有者。

アフリカの地で、柔道を教えているそうです。

他の隊員が派遣地に行く前にミニ冷蔵庫を買う中、彼女はキーボードを買ったそうです。

「いつ停電になるか分からない場所で冷蔵庫は必要ない」と。

そのキーボードで、ピアノを教えているそうです。



はぁぁ……すご。


言語に興味のある彼女は、現地の言葉を教えて貰っているそうです。



そして先月……

お金を振り込むから、それをドル換金して送ってと言われました。


何をするのか尋ねると……


「キリマンジャロ登るん!現金払いだからカード使えなくて!」


と……。




あれ……?

聞けば6日かけて登山すると。


あれ?これはもしやワーホリなのでは?

と気づきました。

まぁ、それでも。

普段はちゃんと薬剤師としてアフリカの地での薬品管理方法とかを指導したりしてるので役割は果たしてますよウインク


有言実行のススメ


さて、彼女。


22年12月までは地域の調剤薬局で管理職をしてました。

けどね。

その年の7月。


「ねぇ!アフリカ行くから。」


と、急に車の中で私に声をかける。


私「旅行か?」

妹「いやJICA」

私「は?」

妹「来月試験あって受ける」

私「で、アフリカ行きたいんな?」

妹「そそ。」


合否の結果は合格。


妹「ねぇ!アフリカ行けないかも知らん」

私「なんで?」

妹「薬剤支援、アフリカいくの男子らしい」

私「差別やんな」

妹「女子は東南アジアらしいよ」

私「ほぉー。でも行くんやんな?アフリカ」

妹「そそそ」


そして、赴任先決定


妹「アフリカ行くで!」

私「やっぱりアフリカか!」


妹、一括して使い続けるのは「決定事項」としての言葉


休暇のすすめ


妹「休暇もあってさ、その時はマダガスカルに猿見に行きたいの」

私「……」

と、黄熱病の予防接種を自費で受ける。


ちなみに妹の赴任先には黄熱病の予防接種は必要なかったらしい。

マラリアはやってました。




そして休暇1か月前


妹「ねぇ!お金送金するから外貨両替して送り返して」

私「なんで」

妹「住民票抜いてるから、自分の口座から出来ないらしい」

私「はぁ。」


言われるがままに…

ミーム猫の如く…。



妹「じゃ、キリマンジャロ行ってくるわ!」

私「おいまて、猿は?」

妹「いや、そこに山があれば登りたい…」



お前はイモトか?!




「シマウマ岩言うんだって!」


と、この時は平和そうに写真など送ってくる妹。



その数日後…

家族LINEではなく個人宛に届いたレントゲン写真。



「みてー!水!5000mで高山病なって、肺水腫なって水抜いた!」



まるで他人事。

しかし、親には言えないらしく私にだけ言うとか。




奴は「富士山で修行して出直すわ!」

と言うてたけれど…

富士山よりは高い距離に行ってることに気づいてるのだろうか…?












まぁ、アフリカ行く勇気のない姉は、写真でアフリカを楽しませてもらってます✋