認知症と点滴ルート


入院って、やっぱり日常では無いんですよ。

点滴と、転倒予防センサーで反応するナースコール。

一人で行っていたはずのトイレに看護師が付いてくる。

嫌だよね。

知らない人が気づいたら目の前にいて、トイレに行くだけなのに色々と言われるって嫌だよね。

軽くホラーだと思うよ。

だから本人の様子を伺いながら近寄らないと、まぁ怒鳴られる事もあるよね。


起きたら変な紐がくっついてるのも、不思議だよね。

私だってきっと自己抜去すると思う。

認知症があって、より記憶しづらい状況でさ。

夜の点滴って抜いちゃうよね。

そうなんだよ、抜いちゃうんだよ。


じゃあどうすれば良かったのかな?


仕事をしない受け持ち看護師と、朝からキレまくる先輩看護師


私の勤務病棟って、1番下が5年目なのね。

私は4月から16年目に突入して……

経験年数としてはベテランと呼ばれる年齢。

けれど、私で中堅なんだよ。

なんでこんなにベテランばかり集めてるんだろうね。

不思議だよね。

だから誰かが助言しなくても一通り仕事は出来ないといけないんだよ。


今日は私はリーダーさん。

受け持ちはしてなかったの。

だから相談や報告、担当が対応出来ない時のナースコール対応はする。

けれど主導権は担当さんにあるの。



もし、私が認知症の点滴のある方の担当だったら……

まずは医師に消灯前に相談すると思う。

「自己抜去する可能性あるけれど、夜に抜いた時どうしますか?入れ直して点滴持続しますか?

心臓問題無さそうだから速度はやめて、寝ている間は点滴を保護しておきますか?(針は残すけれど点滴のボトルは外した状態)」って。


そこに至らなかったら……そうだな。

抜いてしまったことと、その後の指示は確認するよね。

まぁ上手く誘導はすると思う。

お水飲めてるよー。

抜いちゃうリスク高いよー。

とか何とか言って、一旦中止にしてもらってまたお昼間に再開って指示を誘導確認すると思う。


もちろん、持続でいかなけらばいけない内容や病態の時は確認する前に入れる。


患者さんの状況を踏まえてアセスメントし、医師に最終判断は確認するよね。



夜中に点滴を抜かれた担当さん。

とにかく仕事がめんどくさいって思うみたいで……

先生に電話しないの。

「どうせまた抜くし、先生を、単味点滴くらいで今起こしても可哀想だし朝でいいですよねー」って電話をしない理由ばかり。


その担当さんも10年以上お仕事してるプロ。

敢えて私は助言はしなかったけれど……必要な確認事項を独断で行ったの。


だからね、先輩が朝から怒。

いつも朝はテンション低くて、イライラしている先輩だから余計に怒。


その先輩のイライラの矛先って、今日だとそうだな……1番向けやすいのは私なんだ。

だからイライラをぶつけられる。

殴られなかったからいいけどさ。

そのイライラを受け止めながら


「まぁ、認知症のある方ですからね。抜いちゃいますよね。」としか返せない。


とにかく先輩はイライラ。

イライラしてると、周りは萎縮するから、その空気を読んで余計にイライラ。

あのね、あのね。

そんなにイライラしても仕方がないから、優しくいればいいのに。




「確認して!」と言い放たれた後輩は

「どうせ入れても抜いてたんだし、私はやる事やったし!本当にイライラする」って仕事終わりにイライラを撒き散らしてるの。

私から見たらあなたもやる事やってないよーと思ったんだけどさ。

すぐにおへそ曲げて来なくなるからノーコメント。

あのね、あのね。

確認すべきこと、してないよ。

それでもやる事やったって言えるのかな?


ジャッジはしないんだ。

それぞれに同意を求められても、私はその人では無いからどう考えたかとか、感じたか。

知らないよ。

導かなければいけない年齢でもないんだから。

後輩は私が代わりに電話してくれるんじゃないか?って待っていたけれど。

詳細も知らないのにそんなこと出来ないよ。

急変でもないのにさ。


私はただそこにいるだけで、どちらが悪いとか。

そういうのは考えないよ。


だって、どっちもどっちだからね。







とりあえず、夜勤頑張りましたねのご褒美に、最近お気に入りのこのふたつを私の男性性の部分で私に買ってあげたんだ。

とても美味しかったよ。


帰りには早咲きのツツジが満開で桜のピンクとツツジの恋ピンクのコントラストが綺麗だなって1人ニコニコ嬉しくなっちゃったんだよね。


イライラしてるよりもさ、笑ってた方が楽しいよ。