私の職場


どこかで書いたかもしれませんが、私はコロナの病棟にいます。

院外の方はもちろん、院内発症の方を受け入れています。

三次救急の大きな病院で、大きな手術をされたあとの方などもいます。

そんな、院内発症の方との出来事。


起こることは全て必然

その方はボディイメージを変更せざる得ない大きな手術をされました。

その後に感染発覚。

経路は分かりません。

スタッフかもしれないし、オペ室に向かう途中に会った家族かもしれないし。

オペ室へ向かう途中に通る外来の前かもしれない。

とにかく、手術の後にコロナになりやって来ました。


「入院中なのになんで」との思いが強かったそうです。

けれど個室に移り、静寂の中で様々なことを学んでいるそうです。

そんな学びをし始めた頃に私が受け持ちました。


表裏一体

ネガティブもポジティブも隣り合わせ。

どんなことにもどちらの側面もあるんですよ。

だから、とことん沈みきったなら今度は浮き上がってきてくださいね。


夜勤で、それだけを伝えました。

そうしたら色々な心の葛藤をお話下さり、私はただそれを聴いていました。

声の音、表情、目の動かし方。

タイミングを見て相槌をうつ。

カウンセラーさんが使う技法です。

私は15年ほど看護を生業としています。

その中で10年は脳神経科にいましたので、言葉では伝えられないメッセージをひたすら読み取る作業をしていました。

それが今、役立っています。


その方が落ち着いた頃合いを見て

「では、自分の体に、自分自信にありがとうと言ってあげてください。」そう伝えました。



「母がそういう人でした。寝る前におばあちゃん、おじいちゃん、お母さん、お父さんありがとうって思いつく限りの先祖みんなにありがとうって言ってました。私はそんなことしても何にもならないでしょ?と聞いても、母はそれでいいんだと言っていました。」


涙をポロポロと流しながら続けます。


「私も真似して言ってみたけれどよく分からず辞めてしまいました。そのうちに「こんな体にして!」って恨みました。けれど、言葉にならない思いを今、言葉で教えてもらったみたいです。早速やってみます。」


と就寝されました。



魂の対話


夜、体の向きを変えるために伺った時に声をかけられました。

「つなさん、私ね、やってみたんです。」


「どうでしたか?」


「ありがとうって声をかけたあと、しばらくして湧き上がってきた言葉があって。「本当にそう思ってる?」って。」


「はい。」


「その言葉を聞いてね、あぁ、私ずっと自分の体を大切にしてなかった。それどころか憎んでたって気づいたんです。」


「素晴らしいですね。それに気づいてもらうのを、体は待っていたかも知れません。」


「病気になって、こんな体で生きている意味って何?って考えたし、その上コロナでどうしようもなく落ち込んでいました。けれど生きたいから手術を受けたし、コロナになって個室に来たおかげで自分と対話を出来ました。つなさんに会うためにここに来たのかもしれません。」


「全ての出来事は、必然なんですよ。何かを学び得るためにそれを引き寄せている。それに気づけるのは素晴らしいです」


「はい。私はある道の師範をしていて、生徒さんに「本を読みなさい」と伝えていました。その生徒さんから逆に頂いた本にもまさに同じような事が書かれていました。書いてあることを実感し、言葉で答えを貰っている感じです。

その子には私は少し傲慢な思いで本を読めと言っていましたが、その子は素晴らしい本をくれました。」


「例え自分で傲慢だと思っていても、相手はそう捉えていません。受け取った側の受け取り方がその人の真実になります。この本に巡り合わせてくれた方は、きっとあなたからたくさんの学びを得て、愛を返したいと思って本のプレゼントをしてくれたんですね。愛が循環してますね。」


そんな、会話を夜していました。

看護記録には書けない会話です。

けれど、精神的にはとても必要な会話だったと思います。


私が得たもの


私も学びを頂きました。

私が適応障害で苦しみ、もがいていた時に必死に読み漁った本。

感じた気持ちや気持ちの立て直し方。

それを看護師として役立てることが出来ている。

はたから見たら無駄と思える事も、無駄では無かった事を教え頂きました。

ありがたいです。



誰だって、自分の中のもう1人の自分と会話をしてる。


いつも無視してしまう心の声。

なにか閃いてもエゴで消し去ってしまう。

そこにただ、耳を傾ける。

エゴをエゴだなと感じ、ただ耳を傾ける。

簡単なようでとても難しいです。

けれどもう1人の自分の声こそが、自分の第六感と言われるものであり、守護霊さんからのアドバイスなのだと思います。