地上波放映「ラヂオの時間」 | 旧・日常&読んだ本log

旧・日常&読んだ本log

流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。

東宝
ラヂオの時間 スタンダード・エディション

ラジオドラマの脚本コンクールに、自作「運命の女」が採用された主婦のみや子。こんなことは自分の人生でただ一度のことと、自作の放送に胸を膨らませるが、主演女優が役名に不満を言い始めたことを切っ掛けに、注文が相次ぎ脚本はどんどん書き換えられていく。パチンコ屋のパート主婦は、いつしか女弁護士メアリー・ジェーンへ。舞台は熱海から、ニューヨークを経てシカゴへ。メロドラマだったはずなのに、オープニングにはなぜかマシンガンの音が響く。

生放送だというのに、辻褄を合わせるために、脚本はあらぬ方向へと暴走する。
一番大事な再会シーンすらも、無かったことにされようとした時、とうとうみや子は立ち上がる! 唯々諾々と指示に従っていた、ディレクターも反旗を翻す。

辻褄を合わせたつもりでも、何せ短期間での間に合わせ。脚本が進むごとに、ぼろぼろと粗が見つかる(また、周囲の無責任なこと!)。あらぬ方向へと暴走していく脚本も面白いし、出演者がとにかく個性的で面白い。これはちょっと誇張されているけど、きっといるよね、こういう人。そして、「終わらせる」ことが目的になって、当初の目的からずれてしまうことだって、きっとある。滅茶苦茶に変わっていき、どうにも苦しいこの脚本。さあ、一体どうなってしまうのか?ラジオドラマのスタジオから、場面がほとんど動かないのに、ハラハラドキドキしてしまう。

トラック運転手の渡辺謙さん、良かったです。ほとんどトラックの運転席のシーンなのにね。役者さんってすごいなぁ。