地上波放映「ジョー・ブラックをよろしく」 | 旧・日常&読んだ本log

旧・日常&読んだ本log

流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ジョー・ブラックをよろしく


アンソニー・ホプキンス演じる大富豪ビル・パリッシュのもとに、直前に亡くなった若者の身体をその身に纏い、死神が舞い降りた。ビルの寿命を延ばすことと引き換えに、死神は人間界の案内を要求する。

死神は人間界の生活を知らない。ビルの言葉にうたれた彼は、人間界を知りたいと願う。電撃のような感情とは?稲妻にうたれたような恋とは?

また、ビルは富と権力を掌中にする人間だからこそ、死神は人間界の案内役に相応しいと考えるのだ。ビルは死神にジョー・ブラックという名をつけ、極めて異例の事ながら自宅での滞在を許し、周囲の不審の目をよそに、彼の会社での役員会議にも出席させる。


ブラッド・ピットは、死神に身体を貸す事になる亡くなった若者と、死神の二役を演じているのだが、この演じ分けが素晴らしい。無邪気で明るい若者と、人間界に不慣れな死神。たどたどしく振舞っていた死神が、周囲の人々に受け入れられていく様は、こちらも何だか嬉しくなる。
ピーナッツ・バターがお気に入りの死神は愛らしく、またビルの娘、スーザンとの恋の喜びにふるえる様はとてもセクシー。

亡くなった若者は、その直前にビルの娘スーザンと偶然出逢い、両者とも恋の予感を持っていた。ただし、次にスーザンのもとに現れた彼は、既に生前の彼ではなく死神であった。切っ掛けは、生前の彼が作ったとはいえ、スーザンは死神である彼に恋していく。しかし、死神はいつか彼の世界に帰らなければならない。スーザンも初めての「稲妻にうたれたような恋」を経験するが、死神もまた初めての愛を知る。死神はこの愛をどうするのか。

死神が病院で出会った黒人女性(「あんたは観光客だ。沢山写真を撮ったら、さっさと自分の世界に帰ったほうがいい」)、ビルの娘婿クインスなど、脇の人たちも良かった。


ラストのビルの誕生パーティ、会社買収の危機を乗り越えた、ビルの満ち足りたスピーチの素晴らしいこと、花火の場面の美しいこと。父と娘のラストダンス。死神とビルとの会話。アンソニー・ホプキンス、ブラピともに名演だと思う。スーザンも美しく、賢さを感じさせられた(病院でのシーンは、そんなに賢そうではなかったけれど)。

珍しくも、正統派の美しさを前面に押し出しているブラピに対する興味はあったのだけれど、なぜかなかなか見ることのなかった映画だった。もっと早く見ておけば良かったなぁ。ブラピの美しさには勿論うっとりなのだけれど、それだけではない映画だった。大分、ロマンチックに寄っているとは思うけど、人生についても考えさせられる。