共に生きるということ/「神様の、くれた犬」 | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。

元漫画少女 さんと仲良くなった(と言い切るけど、良いかしら?元漫画少女さん)切っ掛けとなったのは、悲しいことだけれど彼女の愛猫が亡くなった事だったと思う。ネットでの出会いもタイミングが色々ある。たまたま目にした記事が、自分にとってとても印象に残るものだったりね。
愛猫が亡くなる直前に、懐かしの少女漫画の記事に心を惹かれて(また元漫画少女さんの記事がとても上手いんだ!思わず読みたくなること請け合い。とても追いつけそうにないけれど)、読書登録をさせて貰っていたのだった。で、お悔やみコメントを書いたり、猫の埋葬の報告コメントを頂いたり。
その後ネットに戻ってらしてすぐに、怒涛の「ガラかめ」突っ込みや、「闇のパープルアイ」のマッドサイエンティストで不死身な先生はターミネーターだ説等を繰り広げたのだった。

元漫画少女さんの動物のお医者さんの記事や、愛猫を亡くした彼女の悲しみに触れてどうしても書きたかった本。引越が終わり、ようやく出せた。

並木豊「神様の、くれた犬」健友館

捨てられたハスキー犬との出会い、Poohと名づけたその犬との交流の日々、突然の病によってPoohを失ってしまうまで、そしてPoohを失ってからの日々が書かれている。
ハスキー犬Poohへの愛情が沢山詰まった一冊。
ハスキーという犬種は、一時のブームにより数多く飼われたけれど、今では殆ど姿を見かけない。
この犬種の特性を無視し、適切な育て方をしなかったせいで、多くの不幸な結果が生まれてしまった。
ハスキー犬は、「ひたすら大人しく従順で扱い易く、その上、自立心に乏しく人間に依存したがる犬」ではない。いわゆる愛玩犬ではないわけだ。
犬の特性、躾など、本当に考えさせられる本です。
この本に出てくる躾もね、ただ飼主の言うことを聞かせるだけではなく、犬種の特性と犬の魂を尊重したやり方なのです。
並木さんとPoohとの真剣勝負。
並木さんご夫婦とPoohとの信頼の絆も素晴らしい。何といっても捨てられていたPoohが自分で、並木さんご夫婦を自分の飼主として認めたのだから。

あとがきで、並木さんはこう語っています。

愛する犬を失って、泣いているのはあなただけではないという事を知ってもらいたいと思いました。
ひとに話して、『少しおかしいんじゃないの、そんなことで』と、いかにも滑稽で愚かしい事だと言わんばかりの反応に打ちのめされ傷つき、痛むこころを抱えた人と、その“痛み”を共有したいと願いました。
ただの市井の犬だとしても、 “私たちの犬は素晴らしかったんだ、だから悲しいんだ” と誰に憚ることなく互いに言い交わし、慰めを分かち合いましょう。心から愛した、私たちの犬のために。

私には残念ながら犬を飼った経験はないけれど、小動物を飼った幾らかの経験も同じだなあと感じました。
どんなものであっても、それが占めていた場所というものは確かにあって、種類が同じだから等という理由で、他のものが身替りになることは決してない。

ペットショップなどで不幸な扱いを受けたり、捨てられる動物達がいなくなることを願います。


著者: 並木 豊
タイトル: 神様の、くれた犬

*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。