どの世界にもプロがいる。


強いて言えば私だって従事する仕事に関してはプロなわけだし、これを読んでる皆さんもそれぞれの道におけるプロであろう。

私の愛するシーバス釣りの世界にも様々なプロが存在するようだ。

残念ながら私はこの手の話題に乏しく、情報の持ち合わせはゼロに等しい。

言わば情弱ビジネスに「食われる」側の代表格なのだが、それでも最近は数名のプロに関して多少認識できるようになった。






手持ち雑誌より画像抜粋 (以下あいうえお順)








泉裕文プロ


言わずと知れた関西の雄/コアマン代表。

素人の私から見ても圧巻の一言。だって動画見てても「ココにいますわ」とか言って本当に即釣るんだもの。翻訳こんにゃくなしでも多分シーバスと会話できる。








大野ゆうきプロ


何の変哲もない小さな水路。

大野プロがぽんぽん釣り上げるのを見て私も積極的にルアー投入しているが、4年間一度も釣れたことがない。

美しいキャストフォームに毎度目を奪われてしまう。








小沼正弥プロ


私の夢は九州一スイッチヒッター85Sを買った男になること。その監修者である小沼プロは教祖に当たる。

シーバス一筋のスタイルには「ひたむきさ」を感じ、職業釣り師として誰よりも「ストイックさ」を感じる。








鈴木斉プロ


幾多の茨城出張を経験し強い愛着を持つ私にとって、ロケ中にポロリとこぼす鈴木プロの茨城弁が何とも堪らない。

シーバス釣りを始める前から唯一知っていたプロ。

目を見張る釣果だけでなくトークの面白さにも注目。








濱本国彦プロ


大好き。高名なドリフトメソッドもさることながら、一番の魅力は溢れんばかりのチャーミングなそのお人柄であろう。

濱本プロのような人が傍にいれば人生が豊かになるに違いない。来世ではこんなお友達を見つけたい。








辺見哲也プロ


ダンディズムとは辺見プロのためにある言葉だろう。

丁寧な口調、落ち着いた物腰…まったく隙がない。

街中ですれ違ったらきっといい香りがすると思う。

整然とされた解説は非常に分かりやすくタメになる。








村岡昌憲プロ


現在もっとも認知され注目される存在ではあるまいか。

一体幾ら稼いでるんだろう…下品な想像ばかりしてしまう。

ブルーブルーは皆おしゃれでイケメンばかり。キラキラ感が半端なく小汚ない中年男には少々敷居が高い。








RED中村プロ


雑誌から入ったクチのせいか長らく「LED中村」プロと勘違いしていた。「LEDをいち早く業界に取り入れた」「LED明暗のスペシャリスト」etc…。早とちりを深謝したい。

ポジドラは個性的で好きなブランドのひとつだ。







釣り好きであれば誰だって「魚釣り」でメシを食っていく生活に憧れるだろう。

毎日好きなことして羨ましいなぁ。

…だが果たして本当にそうだろうか?

私の好きなイチローや山下達郎によれば「趣味から職業になった時点で楽しむ対象ではなくなる」らしい。

プロフェッショナルならではの言葉だと思う。

(達郎氏は先日炎上してしまったが…)


プロアングラー。

只でさえ狭き門だ。

生業となれば綺麗事など言ってられないし、生き残る為には形振り構ってなどいられないだろう。

「華やかに魅せる」ことも仕事の一環だろうが、裏では昼夜問わず汗をかく努力の毎日ではあるまいか。

そう考えれば実際に釣りで金を得、釣りで生計を立てる人たちは精神的にはずっとシビアな生活を送っているに違いない。

渋いロケで待望の一匹が釣れたとき。

あの安堵の表情には、一般の釣り人とは異なる「仕事をやりきった」男の顔が見える。






ここで或るシーバスマンを紹介させて頂く。

表題の「本池 幸三(もといけ こうぞう)」という名の類い稀なるアングラーだ。








本池幸三


私が手掛ける4コマ漫画の主人公。実在しない。

私はただの肉体労働者、4コマは昔から続けてる趣味に過ぎない。画力はトイレの落書きレベルだが、キン肉マン読者投稿超人からのスタートなのでキャリアはそれなりに長い。








そんな腐れ漫画のことは置いといて。

最後に真面目な話をひとつ。


コロナ禍をきっかけにアングラーが急増した。

私の住む九州でも肌で感じている。
インターネット媒体による釣り場や釣り方の解説、今や情報は湯水の如く溢れている。
釣りは手軽なレジャー。
ひと昔前と比べれば敷居が低くなったのだ。
周りでも最近始めた人は多い。
受け皿が広がれば単純に釣り業界は潤うだろう…が、ではその先は?

シーバス釣りのメッカと呼ばれてきた東京湾奥が、いま大変なことになってるらしい。
ルアー釣り(投げ釣り)禁止エリアが急速に拡がり、かつてのポイントが瞬く間に潰れてしまった様子。
マナーやモラルの低下、ゴミ問題…
今に始まった話ではないだろうが、これらは釣り人口の増加にまったく無関係とも言えないだろう。
(そんな話を聞く度、私も襟を正さずにいられない)

一度失くした釣り場はなかなか元には戻らない。
下手をすればずっと。
私の住むエリアでも通い慣れた多くの港湾や漁港が釣り禁止となった。
解禁の見込みは全く、ない。

ブームに乗った一過性の新規参入者が、果たしてどれだけその現実を知っているだろう?
新旧問わずそもそも釣り自体に愛情を持たない人であれば、大した問題ではないのかも知れない。
確実に言えるのは釣り場を失ったアングラーは他の釣りに移行するか、もしくは泣く泣く「永久納竿」するしかないということ。
終わりの始まり。
決して言い過ぎではないと思う。

10年後、シーバス釣りは健在してるのだろうか?
河川は釣り場として許容されているのだろうか?
万が一すっかり廃れた過去の娯楽に成り下がっていたら、プロアングラーを始め、業界の人たちはどうやってメシを食っていくのだろう?

釣り場閉鎖の話題をSNSでよく見かける。 
未来を憂う声。
けれど、熱の入った提唱者は業界サイドではなく一般アングラーに多い。

生きていくための商売。

誰に何を言われる筋合いはない。

でも目先のビジネスより大切なものもある。

大きな影響力を持つプロアングラーだからこそ、規範となるカッコいい背中を見せて欲しいと思う。




※上述の方々を批判したい訳ではありません。

個人として、メーカーとして、清掃活動を始め様々な取組みを率先されている方も知っています。本当に頭が下がる思いです。(その点私自身は何一つ貢献していません、ごめんなさい…)


私は性善説を信じません。

良心に問うアプローチには限界があると考えています。

昭和からの長きに渡る悪習「タバコのポイ捨て」がようやく減少してきたのは、個々のマナー向上というより「タバコのポイ捨ては悪」という世間の空気によるものだと思います。

みんな人の目は怖いんです。


「釣り場を潰す行為は悪」という徹底した空気づくり。

プロアングラーの皆さんにこそ、強くメッセージを発信して欲しいと願います。