今回読んだのは、朝井リョウさんの『世にも奇妙な君物語』です。
タイトルからもわかるように、「朝井さんが『世にも奇妙な物語』を書いたらこうなる」的な本です。
朝井さんと「世にも」が大好きな僕にとっては読むしかない1冊!
そんなわけで手に取ってみました。
まず読んでみて、めっちゃ面白かった!
ちゃんと朝井さん節が効いているといいますか。
現代社会の皮肉的なものを効かせつつ、物語に引き込んでいく。この感じが良かったですね。
どの話もオチが予想できなくて、毎回「そうきたか〜!」と思わせるものが多かったです。
特に印象に残っているのは、
・リア充裁判
・立て!金次郎!
・脇役バトルロワイヤル
この3つですね。
リア充裁判
コミュ力を高めることが国を挙げて推進された世界で、いわゆる「ぼっち」の主人公が「能力調査会」に参加することになるお話。
「非リア充」の僕からすると、かなりキツ〜いオチでした笑
「現実は甘くない」ということを考えさせられる話でした。
立て!金次郎!
幼稚園の教諭が主人公のお話。
絶妙に現実にありそうな内容でしたね。
オチはめっちゃ「世にも感」があって好きでした。
脇役バトルロワイヤル
個人的に1番面白かったかも!
こちらは本書の最後の作品。
単体で読んでも面白いですが、順番に全部読んできてから読むと、ハッとなるような面白い仕掛けがあります。
思わずページを捲り返してしまいました。
こういう「本ならではの仕掛け」っていいですね。
内容は、とある作品の主役を決める最終オーディション。
集められたメンツは名脇役ばかり。
「きっとあの人がモデルだ笑」と思わずニヤけてしまうような名前ばかり。
そもそも主人公の名前が「溝淵淳平」ですからね〜。
これは笑っちゃうわ。
オーディションは隠し撮りされており、脇役っぽい行動をした人から脱落していくというシステム。
脇役を演じすぎて、ついカメラの回っていないところでも脇役っぽい行動をしてしまうメンバーたち。
特に面白かったのが、「脇役っぽい行動」を説明するところ。
本文より抜粋。
「【だけど〇〇だよね、まさかxxが△△なんて】
このスタイルは、脇役のセリフとしてあまりにも多い。だけど、や、しかし、などの逆接から話し始めれば、前のシーンまで一体どんな状況だったのか、たった一言で視聴者に説明することができるからな。これが、ベテラン脇役界では有名な、【逆接しゃべり始め説明】だ」
いや、確かにめっちゃ耳にするわ笑
他にもいろいろな「脇役っぽい行動」に名前がつけられていて、めっちゃ面白かったし、「確かに」と納得してしまいました。
これを読んで、脇役って実はめちゃくちゃ重要な役目なんだなぁと、改めて感じましたね。
オチもなかなか良かった。
とにかく、オチの読めない面白い話や、時には心に刺さる話がたくさん詰まった短編集でした。
「世にも奇妙な物語」が好きな人はもちろん、朝井リョウさんの作品が好きな人にもおすすめしたい1冊です。
気になった方はぜひ読んでみてください!
