4月から新しい児童発達支援に通い始めている長男。週に一度、園を早退して通っています。


そこの児発の情報は発達支援センターのママ友さんに教えてもらいました。

言語聴覚士が在籍していてST(言語療法)が受けられること。どちらかというと机上課題をこなすお勉強系の児発であり、そこまでスペースが広いわけではないので、発達支援センター(建物内は広くて部屋がいくつもあり、庭にも遊具があるので自由に行き来ができる)とは少し違う雰囲気であること。


その事業所のことは知っていたのですが、そもそも知的が重めの長男は言語療法を受けられるのか?机上課題に特化してるところは無理なのでは?と思っていた私。発語もなければ言語理解も依然として乏しく、そもそも座っていられない。だから、病院で受けている作業療法だけでいいかなと思っていたのです知らんぷり


でも、そのママさんが、

「そこではペクス(絵カードを使ったコミュニケーション方法)も教えてもらったんだけど、この一年でとても伸びて楽になったよ!長男くんにも合ってると思う」

と言っていたのがとても気になって。ちなみにそのママさんのお子さんも長男と同い年で発語なし。ただ、長男よりは座っていられておもちゃでも遊べるし、見ていて多動ではなさそうな感じです。


とりあえず電話をかけて見学させてもらいました。

基本的には個別指導で貸切状態。個別なら他の子どもに迷惑をかけることもないだろうし、雰囲気もスタッフさんたちの感じも良かったので、契約することにしました。


初めての利用日は旦那も休みだったので、家族4人で行きました。長男はすんなりと中には入れたものの、言語の先生に奥の部屋の机と椅子につくよう促され、一瞬だけ座ったあとパッと逃走。


まぁそうなるよね。知ってたよ真顔

目的が分からなかったり、分かっていても納得していないと座っていられない子だもん。


そのあと、トランポリンに上ったり、スタッフルームに入っていったり、落ち着かずにウロウロと探索しだします。


次男はプラレールなどおもちゃをいろいろ出してもらい、大フィーバー笑い

マジでどこでもやってけるよ、この子。


そのうち、雨が降っているというのに外に出たがって泣き出し、結局30分で帰らざるを得なくなりました(ちなみに一コマ1時間です)。


帰りの車内で旦那が、

「言語療法とか…長男の場合はそれ以前の話だよ。それにあの関わり方、長男は多分嫌なんだよな」

と言いました。

たしかに先生たちは大きめの声掛けで「すごいねー!」「いいよー!」ととても明確に反応してくれるのだけど、過敏になってしまった長男はそういうのが苦手なので。


でも、思わず私は、

「いくらプロでも、最初から長男の特性を見抜いて正しく対応できる人なんていないよ。作業療法も発達支援センターも園も、どこでもそうだった。最初はこちらと相談しながらも、結局は手探りだよ。…私が通わせると決めたのに、そう言われると責められてるようで悲しくなる」

と返すと、

「いや、違う、責めているつもりじゃないよ。そうだよな、これをやらせたら変わるとかそういった魔法のようなものはないんだよな、って改めて実感した」

とフォローしてくれました。ただ、依然としてお互い表情は陰鬱なままでしたもやもや


ただ、先生がたもプロなわけでして……

2回目に行った時は、外の様子が見えないようにブラインドを下ろし、自動ドアに鍵をかけてくれました。

そして、長男の好きな生協のカタログ、歌のタブレット、手遊びやふれあい遊びなどを毎回たくさん用意してくれたので、長男も初回のように早く帰りたがることはだんだんなくなってきました。

お勉強型児発といっても机上課題にこだわらず、歌のタブレットから流れる音楽を聴きながら座って本を読ませてもらったり(言語の先生が本の中の写真を見て「これは◯◯です」などの声かけをしてくれる)、そのついでに少しだけ型はめやシール貼りをしてみたり、トランポリンや追いかけっこなど身体を動かす時間を多めに取ってもらって集中力が続くように工夫してもらったりと、かなり臨機応変に対応していただきました。長男も先生たちによく懐いてきたので、やはりこういう子の扱いに慣れている方たちは違うな、と感謝しかありませんにっこり


そして先日、言語聴覚士の先生からのフィードバックがありました。


「ここ数ヶ月様子を見させていただいて、やはり言語理解はほとんどないようです」

とのこと。たしかに普段の長男は言葉の指示で動いているように見えますし、私もそれで勘違いしたことがありますが、それはよく見知った状況下でのルーチン化された行動だったり、大人の身振り手振りや語調から察していたり、視覚支援を用いたりしながらという条件つきです。

純粋に、言葉の指示だけで動くことはできません。


でも大人のやることをよく見ており、模倣する力はある。そして、大人とコミュニケーションを取りたがり、手遊びをせがむなどの要求もとても上手に出せるので、その辺りは伸ばしていきたいと言われました。


先生は『言語理解なくして発語なし』と言われていました。現時点で言語理解がほぼゼロなら、今発語が出るわけがないということ。

どうしたらいいかと言うと、言語理解を促すために地道にひたすら言葉を浴びせ続けるしかないと言われました。

「『言葉のシャワー』という表現、うんざりするくらいさんざん聞かされたことがあるんじゃないかなー?と思います。でも、結局はそれしかないんです」


ただ、当たり前だけど言葉をやみくもに掛けるだけでは無意味らしい。ポイントをいくつか教えてもらいました。


●マッチングさせる(電車の写真を見ている時に「でんしゃ、だね」と声を掛ける、帽子をかぶる際に「ぼうしをかぶります」と伝えるなど)

●掛ける言葉は簡潔に

●本人が座っていたり、リラックスしている時に声を掛けるのが理想(動き回っていたり、興奮している時は耳に入らないため)

●オノマトペ(擬音語、擬態語。一例として「ザーザー」「フワフワ」「ドンドン」「ワクワク」など)を使う


もちろん、これらを頑張ったところですぐに言語理解が進むわけではないし、発語が出ない場合もあるけれど、聞く頻度が高ければ本人の中で言葉の音声と意味がつながりやすくなるということだそうです。


長男の発語が出てほしいなんて夢のまた夢過ぎて、いささかどうでもよくなってきている自分。でも、もう少し言語理解が進めば本人も家族も生きやすくなるだろうなとは思ってます。

根気は必要だし、手応えがなさすぎて何の意味もないように思えることもあるけれど、続けていこう。疲れるからあんまり期待はしないでおくけど、後悔もしたくないからね。