ある日、美咲(みさき:永作博美)のアパートに、かつての夫・万作(まんさく:伊原剛志)が息子・(ゆう)を連れて現れる。万作は、美咲に対し、勇を預けるから今日一日ふたりきりで過ごしてよいと告げる。

喜ぶ美咲は、勇と二人で出かけ、楽しいひとときを過ごす。しかし、しばらくすると、万作が、妻・希代加(きよか:中森明菜)とともに現れる。

驚いたことに、万作は、自分は勇を美咲に預けた覚えはない、美咲がまたしても勇を勝手に連れ出したなどと言いがかりをつける。そして、美咲の頬を平手で張り、二度と勇に近づくなと告げる。万作の背後で、希代加がほくそ笑む。

すべては、希代加が夫・万作を丸め込んで仕掛けた罠だった。美咲に屈辱を与えるとともに、二度と勇に会えなくしてやろうとの魂胆だった。

美咲は、怒りに震え、その場に立ち尽くす。

 

美咲(永作博美)は、土砂降りの中、ずぶ濡れで帰宅する。そして、希代加(中森明菜)の度重なる仕打ちに耐えかね、包丁を手に希代加を殺しに行こうとする。しかし、美咲を心配して訪ねてきた、遊園地の同僚・丸山(まるやま:的場浩司)に制止される。そのまま丸山の腕の中で気を失ってしまう美咲。雨の中を歩き続けたせいで、肺炎を起こしたのだった。

美咲は病院へと運びこまれる。そして入院中、美咲は丸山に懸命に励まされる。丸山の励ましで、すさんでいた心も徐々に癒え、もう一度前向きに生きてみようと思い直す。

 

一方、希代加(中森明菜)は、丸山(的場浩司)への想いを捨てきれずにいる、花屋の店主・えり子えりこ:宮崎小枝子)に対し、美咲(永作博美)の病室に盗聴器入りの花束を届ければ丸山の居場所を教えてやると持ち掛ける。

えり子の花束に仕込んだ盗聴器で病室を盗聴し始めた希代加は、美咲が過去を振り切って前向きに生きようとしていることを知る。いらだつ希代加は、さらなる行動に出るため、美咲の病院へと向かう。

希代加が出かけた後、夫・万作(伊原剛志)は、本棚にメスで切り刻まれた医学書があるのを見つける。万作は、妻・希代加が美咲になにかしら危害を加えようとしていることに気づく。

 

病院へ到着した希代加(中森明菜)は、白衣を盗んで医者を装い、美咲(永作博美)の病室へと侵入する。そして、美咲を麻酔薬で眠らせ、手術室へと運び入れる。美咲をかつての自分と同じ目に遭わせようと、メスを手に美咲の子宮を摘出しようとする。

しかし間一髪、美咲の遊園地の同僚・丸山(的場浩司)が駆けつけ、希代加は目的を果たせずに逃走する。