希代加(きよか:中森明菜)宅に招かれ夕食をともにしていた、花屋の店員・丸山(まるやま:的場浩司) は、もうこれ以上希代加に悪事を行わせたくない、希代加を殺して自分も死のうと、発作的に決意する。希代加に背後から襲い掛かる丸山。しかし、逆に、ワインボトルで殴られ、床に倒れる。

 

ちょうどその時、花屋の店主・えり子えりこ:宮崎小枝子) が、希代加(中森明菜)宅を訪ねてくる。

希代加は、倒れている丸山(的場浩司)からそっと離れ、平静を装って玄関先に出る。

丸山に想いを寄せ、希代加のせいで丸山の様子がおかしくなったと感じているえり子は、希代加に対し、店のパートをやめてくれと一方的に告げる。

希代加は、それを受け入れるが、丸山は自分のことを愛している、自分も丸山の気持ちに応えようと思う、などと、思ってもいないことを言い、物陰で聞いている丸山にわざと聞かせる。自分に想いを寄せる丸山をつなぎ留め、今後も利用しようとの魂胆だった。

 

一方、美咲(みさき:永作博美) は、夫・万作(まんさく:伊原剛志) に対し、友人・圭司(けいじ:唐渡亮) と一緒に隣人・希代加(中森明菜)のことを調べていることを打ち明ける。美咲の周囲で起こった騒動がすべて希代加によるものだと考えれば辻褄が合うと主張するが、万作は納得せず口論となる。夫婦の間に、依然、微妙な空気が流れる。

 

いらだつ美咲(永作博美)は、隣の希代加(中森明菜)宅に乗り込む。そして、婚約パーティーで友人・麻巳子(まみこ:白島靖代) に送りつけられた写真のことを含め、数々の嫌がらせはすべて希代加の仕業ではないのかと気色ばんで詰め寄る。

希代加は、写真の件については認めたものの、それは悩んでいた麻巳子に同情し善意でやったことだと弁解する。そして、それ以外の件については関与を否定する。

しかし、美咲は納得せず、海外赴任中だという希代加の夫と話をしたい、いつ戻ってくるのか、などとさらに食い下がる。しらばくれる希代加に対し、美咲は、今後何があっても家族は自分が守ると宣言する。

 

後日、希代加(中森明菜)は、美咲(永作博美)の夫・万作(伊原剛志)の職場を訪ねる。万作を懐柔して取り込み、美咲を孤立させようとの魂胆だった。

希代加は、美咲を気遣うふうを装いながら、万作に対し、美咲とこれまでどおり仲良くやりたいと伝える。また、あわせて、美咲とその友人・圭司(唐渡亮)が嗅ぎまわったせいで自分が花屋のパートをクビになったとの作り話をさりげなく伝え、万作に良心の呵責を感じさせるように仕向ける。希代加は、終始、控えめで穏やかな物腰に徹し、人の好い万作を取り込むことに成功する。

さらに、希代加は、美咲が育児ノイローゼで精神に変調をきたしているかのように、ほのめかす。

 

休日、美咲(永作博美)と万作(伊原剛志)は、家族水入らずの楽しい時間を過ごそうと、息子・ (ゆう) を連れてショッピングモールへと出かける。ショッピングモールの中で二人は一旦別れ、万作はCDショップへ、美咲は勇を連れてブティックへと向かう。

美咲は、勇を乗せたベビーカーを店員に預け試着室に入るが、出てくるとベビーカーが忽然と消えていた。美咲は、慌ててショッピングモール中を探し回る。そして、希代加(中森明菜)が薄ら笑いを浮かべながら一人歩いて来るのを目にする。美咲は逆上し、人前で希代加に掴みかかり騒ぎとなる。

そこへ、万作がベビーカーを押しながら現れる。万作は、美咲に対し、ひとりぼっちで置き去りにされていた勇を希代加が見つけ、親切にも万作のところへ連れてきてくれたのだと話す。

すべては希代加の仕組んだ罠だったが、美咲は万作に叱責され、希代加に謝罪させられる羽目になる。希代加は、ひそかにほくそ笑みながら、その場をあとにする。

 

帰宅後、万作(伊原剛志)は、妻・美咲(永作博美)の精神状態を心配し、病院へ行って診てもらおうと提案する。しかし、美咲は、希代加(中森明菜)の言うことばかりを信用する万作に激しく抵抗し口論となる。

 

その晩、希代加(中森明菜)は、再び、花屋の店員・丸山(的場浩司)を自宅へと招き夕食をふるまう。そして、ショッピングモールで美咲(永作博美)を苦しめた様子を楽しげに語る。さらに、丸山に対し、すべてが終わったら二人でどこかへ行って暮らしましょう、などと思わせぶりに告げる。

もはや希代加が何を考えているのか分からなくなった丸山は、希代加が席を外した隙に、部屋にあったノートパソコンをこっそりのぞく。そしてそこに、希代加の亡き夫・公平(こうへい:辰巳琢郎)の生前のブログと希代加の日記を見つける。日記には、夫・公平への変わらぬ想いと美咲への復讐心が綴られていた。丸山は、希代加の心は今も公平にしかなく、自分は単に利用されているだけだと知る。

 

ショックを受けた丸山(的場浩司)は、ある日、道で美咲(永作博美)を待ち伏せする。そして、希代加(中森明菜)の夫のことが知りたければ、希代加のノートパソコンを見れば分かる、とだけ告げて立ち去る。

美咲は、意を決し、希代加の留守を見はからって希代加宅に侵入する。そして、丸山の言うノートパソコンを見つけ、中を探る。

やがて、パソコンの中に、自殺したニュースキャスター・椎名公平(辰巳琢朗)のブログを見つける。そして、「愛する妻」という記述とともに、希代加の写真が載っているのを目にし驚く。

すべてを察し愕然とする美咲の背後に、いつの間にか希代加が立っていた。

 

希代加(中森明菜)は、美咲(永作博美)の通報のせいで夫・公平(辰巳琢朗)が死に、自分はすべてを失った、美咲はその報いを受けなければならないと、復讐に燃える本心を明かす。そして、手にしたマフラーで美咲の首を絞めようと近づく。

美咲は、とっさに、近くにあったナイフを手に取る。両手でナイフを握りしめ、刃先を希代加に向ける。

ところが、希代加はひるまない。正面から美咲に近づき、美咲の両手をわしづかみにする。そして次の瞬間、希代加はナイフの刃先に向かって体当たりをする。ナイフが腹に突き刺さる。血を流し、よろめきながら外へ出ていく希代加。悲鳴を上げ、助けを呼ぶ。呆然と立ち尽くす美咲。

希代加の悲鳴を聞き、美咲の夫・万作(伊原剛志)や近隣住民が駆けつけてくる。はっと我に返った美咲は、自分のほうから刺したのではない、と懸命に訴える。

 

 

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サスペンスドラマ 「冷たい月

1998年日本テレビ系列で月曜夜10時放送。全10話。
出演:中森明菜 永作博美 伊原剛志 的場浩司 辰巳琢郎

 

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ドラマ 「冷たい月」 画像

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