希代加（きよか：中森明菜） と、その隣に住む 美咲・万作（みさき：永作博美、まんさく：伊原剛志）夫婦は、お互いの家を行き来し親交を深める。
しかし、美咲は、息子・勇（ゆう） に対する希代加の執着に次第に嫌悪感を覚えるようになる。美咲は、希代加と距離を置こうと決意する。
しかし、あくまで勇に執着する希代加（中森明菜）は、美咲（永作博美）が自分に勇を預けざるをえない状況を作り出そうと企てる。
ある晩、希代加は、美咲の翻訳事務所に忍び込む。そして、事務所内を徹底的に荒らす。事務所の機能を麻痺させ、休職中の美咲の職場復帰なしには事務所が立ちいかないようにするためだった。
希代加の思惑どおり、美咲は、友人で共同経営者の 麻巳子（まみこ：白島靖代） から職場復帰を懇願される。美咲は、やむなく職場復帰を決める。
背に腹は代えられない美咲は、希代加に対する見方を改めることにし、毎日昼間、隣の希代加宅に勇を預けることにする。
希代加は、快く世話を引き受け、花屋のパートはしばらく休むことにする。首尾よく勇を手元に置くことに成功した希代加は、まるでわが子のように勇に愛情を注ぐ。
数日後、丸山（まるやま：的場浩司） の花屋に美咲（永作博美）の姿があった。自分のせいで希代加（中森明菜）にパートを休ませてしまっていることを一言詫びに立ち寄ったのだった。
応対した丸山は、美咲宅の隣に希代加が引っ越してきたこと、美咲の事務所が夜中に荒らされたこと、美咲が職場復帰せざるをえなくなったこと、美咲が息子・勇を希代加に預けていることなどを聞かされる。美咲が立ち去ってほどなく、今度は、美咲に関する近所の噂を耳にする。それは、有名ニュースキャスター・ 椎名公平（しいなこうへい：辰巳琢郎） の自殺は、美咲が公平のことをひき逃げ犯として警察に通報したせいらしい、というものだった。希代加の過去を知る丸山は、希代加が美咲への復讐を企てていることに気づく。
丸山は、希代加に復讐を思いとどまらせようと説得に走るものの、失敗に終わる。
