希代加(きよか:中森明菜) は、病院勤務の外科医。小高い丘のしゃれた一戸建てに、夫と二人暮らし。現在 妊娠7か月目。大きなお腹を抱えながら仕事を続けている。

夫は、真実追及を売りにする、有名ニュースキャスター・椎名公平(しいなこうへい:辰巳琢郎)。

 

ある晩、公平(辰巳琢朗)は、暗い夜道で、女性を車で轢いてしまう。狼狽した公平は、誰も見ていないのをいいことに、慌ててその場から走り去る。

だが、ひき逃げの様子は、近くの電話ボックスにいた 美咲(みさき:永作博美) に目撃されていた。

 

美咲(永作博美)は、友人・麻巳子(まみこ:白島靖代) と一緒に、小さな翻訳事務所を経営している。住宅地の一戸建てに、夫と二人暮らし。現在 妊娠9か月目。

夫は、広告代理店勤務の 森下万作(もりしたまんさく:伊原剛志)。

美咲は、ひき逃げの目撃者として警察から事情を聞かれる。だが、ひき逃げ犯の顔をよく憶えておらず、はっきりとは答えられない。

 

公平(辰巳琢朗)は、ひき逃げの後、平静を装い日常生活に戻る。しかし、警察の捜査の手が伸びてくるのではないかと思い悩み、日に日に弱っていく。そして、耐えきれず、妻・希代加(中森明菜)にすべてを打ち明ける。話を聞いた希代加は、なんとしても夫・公平を守ろうと決意する。

希代加は、貧しい母子家庭に育ち、その母とも幼くして死別した悲しい過去を持っていた。母の死への罪悪感に苦しみ、自分だけが幸せになってはいけない、と孤独を貫いていた。そんなかつての希代加を優しく受け入れたのが公平だった。

希代加にとって、公平との温かい家庭は何よりも守りたいものだった。希代加は、公平の車を廃車にし、証拠隠滅を図る。

 

一方、目撃者・美咲(永作博美)は、テレビで偶然、ニュースキャスター・椎名公平(辰巳琢朗)の姿を目にする。そして、公平こそがあの晩のひき逃げ犯だと気づく。美咲は、悩んだ末に、そのことを警察に話す。

 

ついにある晩、刑事たちが、希代加公平(中森明菜、辰巳琢朗)夫婦宅を訪れる。おびえる公平は、自宅屋上へと駆け上がる。そして、妻・希代加の目の前で、屋上から身を投げる。

 

有名ニュースキャスター・椎名公平(辰巳琢朗)のひき逃げと飛び降り自殺は、世間で大きなニュースとなる。大勢のマスコミが、妻・希代加(中森明菜)のもとへと押し寄せる。希代加はこの騒動がもとで職を失う。

さらなるマスコミの攻勢の中、希代加は、妊娠中の下腹部から出血し倒れる。病院へと担ぎ込まれる希代加。お腹の子だけは助けてくれと訴えながら、意識を失う。

 

一方、美咲(永作博美)は、ニュースキャスター・椎名公平(辰巳琢朗)の自殺を知り、ショックを受ける。警察に知らせた自分のせいだと泣きじゃくるが、夫・万作(伊原剛志)の言葉で立ち直る。

しかし、その直後、急に産気づいてしまう。そして奇しくも、自殺した公平の妻・希代加(中森明菜)が運び込まれたのと同じ病院に、同日同時刻に運び込まれる。

 

意識を失っていた希代加(中森明菜)。病室のベッドで目を覚ます。すぐさま、看護婦の制止を振り切り、新生児室へと向かう。すでに生まれているはずのわが子を血眼で探す。

しかし、駆けつけた主治医から、希代加が流産したこと、やむをえず子宮を全摘したことを告げられる。泣き崩れる希代加。

数日後、希代加は退院し帰宅する。そして、夫・公平(辰巳琢朗)の位牌を前に涙にくれる。やがて、屋上へと上がり、公平が身を投げたのと同じ場所から身を投げる。

 

丸山忍(まるやましのぶ:的場浩司) は、花屋の店員。仕事だけの毎日を送る孤独な青年。花の配達などを担当し、希代加(中森明菜)の勤めていた病院へも観葉植物を届けていた。そして丸山は、美人で優しい女医・希代加にほのかな憧れを抱いていた。

ある日、いつものように車で花の配達をしていた丸山は、偶然、希代加が自宅屋上から飛び降りようとしている場面に出くわす。必死に制止しようとした丸山だったが、間に合わず、希代加は屋上から飛び降りてしまう。

だが、幸いにも、落下した先は、丸山が道路に広げていた配達用荷物の上だった。希代加は再び元の病院に担ぎ込まれる。

 

希代加(中森明菜)は、重傷を負ったものの、一命を取り留める。しかし、すべてを失った希代加に、もはや生きる気力は残っていない。病室のベッドの上で、ただ無表情に虚空を見つめるだけになってしまう。

 

そんなある日、希代加(中森明菜)は、車椅子に乗せられ散歩へと連れ出される。途中、看護婦が所用で離れる。廊下にぽつんと取り残される希代加。

その脇を、見知らぬ男女がおしゃべりをしながら通り過ぎる。美咲(永作博美)の友人・麻巳子(白島靖代)と 圭司(唐渡亮)だった。

 

ふいに、会話の断片が、希代加(中森明菜)の耳に飛び込んでくる。

「 ・・・ 『 美咲 』 は、自分が警察に話したせいで 『 椎名公平 』 が自殺しただなんて、そんなふうに思う必要ないよ ・・・ 」

 

思わず目を見開く希代加(中森明菜)。「美咲」 が 警察に話したせいで、「椎名公平」が自殺した ・・・。

希代加は、最愛の夫・公平(辰巳琢朗)を死に追いやったのが「美咲」という女であること、そして、今 廊下の先で嬉しそうに赤ん坊を抱いているのが その「美咲」だということを知る。

 

愛おしそうに赤ん坊を抱く美咲(永作博美)。優しく寄り添う夫。出産・退院を祝う友人たち。

美咲の幸せそうな声が聞こえてくる。「 きっとこの子は、神様がくれたご褒美なんです・・・ 」。

 

遠くからじっと見つめる希代加(中森明菜)。涙が頬をつたう。こぶしを握りしめる。

あの女が私からすべてを奪った。あの女を死ぬよりつらい目にあわせてやる。希代加は美咲(永作博美)への復讐を誓う。

 

 

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サスペンスドラマ 「冷たい月

1998年日本テレビ系列で月曜夜10時放送。全10話。
出演:中森明菜 永作博美 伊原剛志 的場浩司 辰巳琢郎

 

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