小学校に入ると塾に通う、
何処にでもいるような普通の少年。
然し、中学で放送委員会に入ったことを因果に、
人生の歯車が狂い始める。
委員長は少し変わっていた。
滅法喧嘩は強かったけど、
不良少年にも真面目な生徒にも人望が厚く、
学校の人気者。
クラスの女子にキモいとかガリ勉とか
心ない言葉を浴びせられていた自分にも
分け隔てなく接してくれた。
煙草も吸わなかった。
周りの不良少年が煙草を吸ってる中、
一人ソフトクリームを食べている。
そんな委員長に死ぬほど憧れた。
その羨望は歪んだ形で
そして少しずつ具現化されて往く。
肉体的に強くなかった自分は、
どう足搔いても、
委員長の様には為れないことに気づく。
だから徹底的に遣った。
凶器を片手に、狂気を演じていた。
相手が報復できない程の、
恐怖を与える為に。
残虐王子
いつしか畏怖を念を抱いて
そう呼ばれるように為った。
暴力は金を生んだ。
暴力は仲間も生んだ。
唯、どんなに人や金で満たされても
心の空虚だけは埋められずにいた。
それが偽りの世界であることに、
気づいていたから。
本当は孤独だった。
だからその孤独を誤魔化す様に
暴力で上塗りをしていた。
為れの果てに往き着いた場所は、
メトロマニラ
貧困と暴力が支配する、
世界有数の犯罪都市。
結局、あの街と何も変わらない。
偽りの仲間がいないこと以外は。
先日、
国際刑事警察機構(ICPO)のランクが
身柄拘束手配(赤手配)に格上げされた。
http://www.interpol.int/notice/search/wanted/2013-9537
はっきり云って詰んでいる。
もう道も、
あまり残されていないだろう。
それでも未だ、
捕まるわけにはいかないのは
偽りの仲間の、弔い合戦だから。
仇打ちを成就するまでは
絶対、死ねない。
予測可能な人生なんて
何が面白い？
「戦いとロックは同じだ。
ロックンロール的な人生が大好きだ。
そこには魂の破壊があるからな。
後先考えたりしない。
だから俺の人生はロックンロールだ。
過去なんかどうでもいい、
今の俺に期待しろ。
いつでもやり直せる、
それが人生ってもんだろ」
BY ジェロム・レ・バンナ
…誤解を恐れずに云いますが、
まあ、全く恐れていないのですが(笑)、
見立真一の人生は、
一つの物語として観た時、
非常に痛快で、面白いんですよね。
ガリ勉メガネの放送委員が
不良のカリスマとまで呼ばれた、
ある男との出逢いを切っ掛けに
彼の中で何かが弾けて、
HBの鉛筆を、
金属バットに持ち替えて、
不良の頂点にまで登り詰めるオペラ。
挙句の果てに、
国際指名手配ですからね(笑)
こんなホームラン級の馬鹿、
中々いないですよ(笑)
必ず還ってくるでしょう。
見立真一に、
期待しています★
